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WDRS (the_wanderers)待望の1stアルバム「1986」遂に発売!!

2016年02月16日 16時34分01秒 | 音楽
80年代半ば、大阪でインディーズ若手としては伝説的な人気を誇ったoi PUNKロックバンドthe wanderersの解散から30年の時を越え、遂に1stアルバム「1986」が発売された。

そのアルバムが素晴らしいので、販促協力の意味も込めて、このアルバムについての記事で、久々のblog更新をしたいと思います。

まず、アルバムのレビューの前に、読者の皆さんはWDRS (the_wanderers)とは何ぞや!?
と思われる方も多いと思いますので、アルバムより前に、このWDRS (the_wanderers)と言うバンドを紹介したいと思います。


「the Wanderers」は、80年代前半に兵庫県尼崎の塚口中学の仲間で結成。
この塚口中学には、先輩として他に、日本のoi PUNKバンドの代表格、COBRAのオリジナルメンバー、YOSU-KOとNAOKIも出身と、日本のoi PUNKの聖地とも呼ばれている(要出典←Wikipedia風)
メンバーは、ボーカルAKIRA(現taisho)、ギターchuma、ベースkochi、ドラム ローリング竹村の4人だ。

ボーカルのAKIRAは、日本のパンクバンド代表格である当時のLAUGHIN' NOSEのギタリスト、と言うだけでなく、その後、COBRA→DOG FIGHT→SAと名だたるバンドを渡り歩き牽引する、現在でも筆者の中では日本ロックギタリスト5指に数えられるであろうNAOKIの実弟だ。
(因みに、AKIRAというステージネームは、ラフィンのボーカル チャーミー氏が名付け親だった気がする)
ギターchumaは、taishoの相棒的な存在、パンクギタリストとしては異質な、まるでヘビメタギタリストか!?と聴き間違える程の速弾きを特徴とするギターで、パンク界に異彩を放つ。
当時からPUNKだけに囚われず、色々なジャンルの音楽を吸収し、メロディーもしっかりとして居た為、勢いだけと成り勝ちのPUNK界の中でも、異彩を放つと共に、その音楽性の高さで注目された。
当時、COBRAのYOSU-KO主催のoi PUNKオムニバスアルバム「oi of JAPAN」にも参加する等、実力が認められ、大阪を中心とした関西ライブシーンでは、若手の中でも話題の動員を誇った。
そんな中、LAUGHIN' NOSEのAAレコードから、2枚組シングルレコードが発売決定!バンドもこれから!と言う中、メンバー間の軋轢も有り、レコード発売を目前にして、バンドは解散してしまう…

こうしてthe Wanderersは、知る人ぞ知る伝説のバンドと成ってしまった。


その後、ヴォーカルのtaishoは、上京後に東京the Wanderersを結成、そしてCOBRA解散を受けた実兄NAOKIより乞われて、DOG FIGHTとしてメジャーデビューを果たす。
このDOGFIGHTは一般的にはCOBRAの後継バンドと言う認識の方が多いかも知れない、だがDOGFIGHTは、COBRAを辞めたcowcow二人の余波で急遽結成されたバンドと言う事で、デビューは決まって居ても持ち曲が全く無い状況だった。
そんな状態だったので、実はDOGFIGHTの1stアルバムは、殆どがthe Wanderersの曲を原曲としてアレンジされて出された物だったのだ。
なのでthe Wanderersは、その後、渋谷公会堂や、大阪城ホール、後楽園ホール、日比谷野音等、国内の名だたるホール級ライブ会場を一杯にした凄いバンドの、前身バンドと言っても過言では無いだろう。

その後、DOGFIGHTは解散、taishoはソロ、バンド形態と地道に活動する。
そんな中、2011年3月に、日本では東日本大震災が起こる。
ギターchumaは、この時、人間いつ命を落とすか解らない事を実感し、生きてる内に後悔をしないように生きなければ、と強く感じたという。
そして、彼にはずーっと後悔して居た事が有った。それは20数年前に解散したthe Wanderersの相棒、taishoを傷つけてしまった事。その事をずーっと謝りたいと思い、それが出来なかった事に悩んで居た。
そんな中、未曾有の災害が起こった。
命ある内に、taishoに謝らなければと強く思ったchumaは、音信不通だったtaishoに勇気を出して連絡をした。
そして奇跡の再会を果たした二人、謝罪したchumaさんにtaishoは「思い出に罪はないよ」と声を掛けたと言う。
お互い仲違いしてしまったが、taishoにとってもthe Wanderersは大切な思い出だった。
DOGFIGHTの1stシングルは、実はthe Wanderersの解散した日を歌った曲だったが、この歌詞にも「くだらない過去じゃない」と歌われて居る。
それにDOGFIGHTのファンにも、taishoは事ある毎に「昔chumaって言う凄いギタリストの相棒が居たんや」と話して居たらしい。
そんな二人なので、直ぐにこの再会で昔を取り戻すように、二人の友情が復活した。
そしてtaishoは、改めて「ワイの相棒はコイツだけや!ワイの横でギターを弾くのは」と強く感じたのだろう。
意を決してthe Wanderersの再結成を打診した。
chumaさんもアマチュアでバンド活動はして居たが、今は仕事がメイン。本格的音楽活動からは遠ざかって居たが、この相棒の申し出に、二つ返事でOKした。
しかし他のメンバーもそれぞれ生活が有り、仕事が有った。そんな中の打診だったが、他の二人も誰一人再結成を否定しなかった。
ここに26年振りにthe Wanderersが、オリジナルメンバーでWDRS (the_wanderers)として復活したのだった。

筆者は、このthe Wanderersの事を、この一連の再会&復活劇を目撃する前後に、昔関西で伝説のバンドとして活動して居たと初めて知った。
正直、永いブランクの中、どうなんだろう?と言う気持ちも無きにしも有らずと言う感じだった。
でも、再結成後初めて発売されたシングルを聴いて、ぶっとんだ。
このシングル2曲は、原曲はヤングワンダラーズ時代、既にtaishoがデモテープで作って陽の目を見て居なかった物を、リアレンジして改めて形にした物だった。
その作曲センス、これが10代の少年が作ったものか!?と今更ながらにtaishoの才能に舌を巻くし、そのアレンジ力、大好きな速弾きギターソロテクニック等、それを支えるchumaというギタリストの実力も、taishoに「相棒はコイツだ!」と言わせるのは伊達じゃないと実感した。ベースのkochiさんも安定したリズムを刻むし、ローリング竹村さんなんかはバンド解散後、全く音楽をやって無かったとは思えない感じだ。
聴いた途端に、筆者はこのWDRS (the_wanderers)のファンに成ってました(笑)

こうして、次々とシングルや新曲を出し、マイペースながらライブ活動も続けるWDRS (the_wanderers)。
そんな中、バンドとして(ファンの要望も多く)どうしても、ちゃんとアルバムをリリースしたかった。との思いも有り、この製作に注力する為に、ライブ活動も控えて渾身の力作として出されたのが、この1986だった。

当初、taishoはこのアルバムを今の自分達(PUNKに拘らず、良い音楽は全てやると言う自由なスタンス)の集大成として出す計画だったそうだ。
そこに待ったを掛けたのが、chumaさん。
chumaさんは、やはりヤングワンダラーズが仲違いで中途半端に解散してしまって居た状況を、ずっと自分の中で落とし前が付いて居ないと感じて居たらしい。
なので、ヤングワンダラーズへのケジメを着ける為にも、もし1986年の夏に、俺達が解散して居なかったらどんなアルバムを作っていただろう?
と言うコンセプトのアルバムを作りたいと提案した。
そして、新しい事はこれからも幾らでも出来るから、と、栄えある1stアルバムは、ヤングワンダラーズへの落とし前的なアルバムと成った。

と言っても、そこはWDRS (the_wanderers)、単にoi PUNKへの原点回帰だけでは終らないのであった。
奇しくも1986年と言う年は、ヘビーメタルからディスコミュージック、テクノ等、多岐に渡るジャンルがヒットチャートを賑わせて居た年だった。
当時から多彩なジャンルからの影響を楽曲に反映させて居たthe_wanderersならば、この多彩なチャート状況にアルバムも影響を受けて居た筈!と、1986年らしさを出す事で、oi PUNKだけじゃない音楽も出来るという楽しい趣向の作品となった。

さて、前置きがとても長く成った(苦笑)

此処までのバンド紹介文を読んで、このバンドと、満を持してリリースされたアルバム1986に興味を持って頂けたら幸いです。


さぁ、いよいよアルバム紹介と成ります。



1.Asia~エイジア

多彩な曲を擁するワンダラーズを象徴する楽曲が、アルバムリード曲と成った。
タイトルの通り、東洋(オリエント)を連想させるエキゾチックな曲だ、
曲冒頭のベースのkochiさんが奏でるモンゴルの口笛ホーミーがその雰囲気を更に高めている。

2.夜明け前に

ストレートな8ビートロックだ。taishoが所属していたDOG FIGHTを嗜好するファンには非常に嬉しいキャッチーな曲だと思う。
歌詞も前向きで、これから来る人生の夜明けを感じて元気に成れる一曲。

3.Lonely War

どこか懐かしい雰囲気を感じる曲調、リズム、そしてoi PUNKバンドとして吟詩を感じれる一曲です。思わず拳を上げてノリたく成りますね!

4.Still

ミディアムテンポでしっとりとした曲ですね。ギターソロはオールディーズ好きなchumaさん独特な感じの年代を感じる格好良いプレイが聴けます。

5.昭和ロックンロール

これぞ、多彩なワンダラーズな真骨頂と言える一曲かも知れません。
タイトルはコテコテな日本人バンドっぽい感じですが、内容はバリバリのヘヴィーメタル!
ハードロック!! まるでKISSの曲を聴いてるみたいな本格派ですね。
そしてアルバムコンセプトにも成ってる、1986に隆盛を誇ったジャンルをやりたいと言う事でヘビメタを!との事です。

6.Shooting Star

taishoが夜のフェリーで見た流れ星の情景が原案との事で、どこか物悲しい雰囲気で
星空が良く似合う曲です。

7.Holiday!!

50年代のアメリカの風景を思い起こしそうなロックンロール曲ですね。
リーゼントと革ジャン、ポニーテールの女の子が似合いそうな曲です。
ギターと手拍子がとても曲の雰囲気をよくして居ます。
作詞は何とハイウェイレコードの社長!元木女史というのも聴き所です!
taishoに「ベイベーと」か「セクシーヴィーナス」とか言わしちゃってます(笑)

8.荒野に咲く薔薇

chumaさん曰く、ブルースリーの映画で使われそうな曲をイメージした曲です。
クラッシックギターとtaishoのボーカルが孤高のブルースリーにぴったり、どこかハードボイルドな雰囲気も有りますね。
非常に男を感じる曲です。

9.Love is Only Way

アルバムコンセプト通りな、30年前のヤングワンダラーズが演奏してても不思議じゃない!と言う一曲ですね。

10.to the one(あの夏の日へ)

この曲こそ、このアルバム1986のコンセプトを一曲に纏めたと言っても過言ではない楽曲でしょう。
この曲の原曲は、30年前のtaishoが、相棒chumaさんに作曲したデモテープ渡しておいて、作曲者本人も忘れられてた曲。
それを、名曲だと思っていたchumaさんが、ずーっと大事に保管していたそのデモテープを元に、遠く30年の永き刻を経て、やっと完成した曲です。
「もし俺達が、30年前に解散せず、アルバムを完成させて居たら、どんなアルバムを作っただろう?」そんな思いを、まさにこの一曲に集約させた名曲なのです。
その曲だからこそ、この1986のラストを飾る曲として一番相応しいと思います。


WDRS(ワンダラーズ)/Album「1986」digest



実際の音としては、↑のyoutubeで全曲サワリが視聴出来るので、雰囲気を感じて頂ければと思います。


購入は、

★WDRS(the_wanderers)公式webのオンラインショップ
★全国のディスクユニオン&オンラインショップ
★兵庫県尼崎市にあるレコード店 ミヤコレコード塚口店
★AMAZON
★iTunes
各種で購入頂けます。

是非!!


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