明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2503)原発は平和的な利用なんかできないしされていない―福島原発事故から14年 このことをしっかり広めよう

2025年02月27日 09時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250227 09:00)

福島原発事故の起きた3月11日から14年の日が迫ってきています。この前後であちこちでお話させて頂きますが、その一つ、7日の京丹後市の集会のチラシに「原発は本当に平和に利用されている?」という一文があります。
現在、パワポの準備中。この問いへのお答えを示すものを作ったのですが、先んじてこれをみなさんにお伝えしようと思います。

原発が平和利用できない理由その1 原発は核兵器製造装置として生まれた!

原発が平和的な利用などできないし、されてもいない根拠の一つ目は、もともと原子炉が核兵器製造装置として生まれてきていることにあります。
そもそもウランが核分裂することが発見されたのち、その連鎖反応が起こせるかが課題になりました。連鎖させると大きなエネルギーが得られるからです。その実験装置として生まれたのが原子炉でした。

ところが原子炉は連鎖反応が起こせることが確かめるや否や、別の意味を持ちました。何かというとウランより核分裂性の高いプルトニウムの製造です。
核分裂するウラン(U235)は地中に埋まっているウラン全体のわずか0.7%しかない。これを濃縮することで連鎖反応が起こせるのですが、その時、核分裂しないウラン(U238)も炉内に入り、そこに中性子が当たるとプルトニウム(Pr239)が生まれるのです。

こうして米軍はウラン濃縮とプルトニウム製造で核爆弾を作り始めた。どちらが効率が良いか分からなかったので二つの両タイプを作り、それぞれ広島・長崎で爆発させて大量虐殺を行いました。それでプルトニウムの方が効率的だと確かめた。
このためその後、原子炉がフル稼働していったわけですが、大事なポイントは兵器は人の命を奪うためのものですから、人命も環境も大事にしないことです。環境に優しい戦車とかないのと同じ。人殺し優先です。そんなもの、平和利用できるはずがない!


守田講演スライドより 以下も同じ


原発が平和利用できない理由その2 原発は放射能を閉じ込められず被爆(被曝)被害を作り続けている!

核兵器製造装置である原子炉が発電に使われるようになったのは、この装置が膨大な熱を発するためです。冷やすものが必要で、試行錯誤の中で水が使われるようになった。すると水は沸騰する。それをボイラーにつなげたら発電できたのです。
でもそれで最初に作られたのは原子力潜水艦のエンジンでした。核戦争になったら互いに核の発射装置を先に叩きたい。反対に言えばどう隠すかが大事で、長く海の奥底に沈んでいるのが一番だったわけです。

しかし核戦争に対する不安、核兵器に対する嫌悪感が高まりだす中で、アメリカは"Atoms for pease"の掛け声のもと、平和利用を言い出した。その時にうたわれたのは放射能は危険でも、閉じ込めれば安全だということでした。
このため原子炉を覆う格納容器が作られた。いざとなったら放射能を封じ込めるためのものですが、実際には何度も失敗した。それどころか過酷事故時に放射能を排出して格納容器を守る、ベントという装置まで作られた。封じ込めはできなかったのです。

さらに原発はたびたび点検しなければなりませんが、内部は放射能だらけ。そこに入り込む労働者を必須のものとしています。被曝労働なくして維持できないのです。格納容器があろうと、その中に入らねばなのだから絶対に被曝するのです。
この労働を世界のあちこちで、使い捨て労働者たちが担わされています。超高線量のもとで働く「特攻屋」と呼ばれる人たちまでいて、その被曝労働がなければ原発は成り立たない。そんなもの、平和的に利用されているなどととても言えません。



原発が平和利用できない理由その3 原発を動かして10万年以上管理しなければならない核廃棄物を生み続けている!

このように被曝労働によって支えられ、事故が起きたら大量の放射能を撒き散らす原発は、さらに10万年以上も管理しなければならない放射性廃棄物を作り続けています。
ウランを掘り出し加工して燃料にしたときの放射線量を1万ギガベクレルだとすると、運転して核分裂することで100万倍の放射線をだす放射能(死の灰)になってしまい、放射線量は100億ギガベクレルにもなってしまいます。

これが使用済み核燃料の実態ですが、核分裂でたくさん生まれてしまった放射性物質は、それぞれに放射線を出して半減を繰り返していきます。しかしなかなか掘り出した時のウランの放射線値に戻らない。1万年でもダメでおよそ10万年はかかってしまうのです。
そしてその間、人類はこの放射性廃棄物を管理し続けなければなりません。わずかほんの少しの間の発電で、10万年以上管理しなければならないなんて余りに酷い。原発の発電が安いなんて壮大なホラ話です。核廃棄物管理をコスト計算してないのです。

しかもこの管理を押し付けられるのは、発電の恩恵にまったく預かってない次世代、未来世代です。これはもう未来世代に対する暴力としか言えません。
危険な物質なので安全管理そのものもかなり危ぶまれる。そもそも1万年に満たない歴史しか確認できない人類が、10万年先にまで影響を及ぼすことなどしてはならないのです。だから原発は平和利用などとはとても言えない。即刻、終わらせるべきなのです。



311を前後してあらためて原子力の平和利用なんてできない 原発はオワコンだと訴えよう!

福島原発事故から14年。私たちはあらためて原発ゼロを訴えましょう。原発は平和利用なんてできない。原発はオワコンなのです。このことをお話する講演のチラシを掲載しておきます。なおそれぞれでfacebookLIVEも行います。






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