Fate/Grand Order§モルガン三姉妹

「……妖精國の女性の独占欲強くないか？」

「理由は知ってるだろ？

周期表より妖精学の方が詳しい理学士よ……」

「まあ、ね。

溶岩水泳部と全面戦争にならないかな？」

「アビーとゴッホのフォーリナー達と合わせて

ドロドロの三つ巴だよ……

と、三つ巴で思い出したけどさ

モルガンって妹が居たよね？」

「ケルト神話の話だね。

正確にはモリガン、ヴァハ、ネヴァンの三柱の戦いの女神だね。

ヴァハは、クー・フーリンの死因に関わる女性と同じ名前だね」

「モルガンじゃなかったのか？」

「同一化されてる。

そもそも、ケルト神話には女神の名前の女性が結構登場するんでね。

全くの赤の他人ってこともあり得るんだけど……

戦神が女性格ってところは『ギリシャ神話』に近いね

復讐の女神エリニュエスとかも入れると

男性を殺す神は、だいたい女性だね……

ケルト日本人起源説のネックでもある」

「アテナか……そこから北欧神話に行ってヴァルキリーになったのかな？」

「イシュタルとエレシュキガルが起源だと思うから、同時派生だと思う。

ちなみに男尊女卑の塊である一神教の旧約聖書の士師記には第4の士師にデボラという女性が出てくるよ。

乱世では、生き残るために女も男もないってことだね」

「ポリコレが煩そうだなぁ……

女系戦神は、北欧神話あたりまでなのかな？」

「戦神では無いけど、鬼子母神のカーリーとか戦う女神は点在してる。

ちなみに天照も一応、戦うこと自体はするんだよ」

「スサノオとのいざこざ？」

「そうだね。

海の神になったスサノオが高天原に帰ってくる話だね。

完全武装でスサノオと対峙してる」

「古代、女性は強かったのかな？」

「役割の分割ができてなかったのかもしれないね。

社会そのものが小さくて、全員参加しないと戦うのも収穫もできなかったんだと思う」

「真なる平等は民主主義より前にあったんだね」

「法のもとに平等はなく

自然の下に真の平等がある。

権利や義務を言う前に

人間を『生き物』として見てやらないとね」