そこで何人もの若い人が亡くなりました。
僕は、随分と祖母と話す機会。というか、話を聞く機会があり……
それをきっかけとして、周囲の大人から随分と戦争のことや戦前のことを聞きました。
(まあ、ほとんどは母の補足説明でしたが……)
本来だったら家を継ぐはずだった祖母の弟さんは、出征して亡くなったそうです。
そのことにより、祖母は運命を大きく狂わせられる結果になりました。
しかし、その人の死が無くては、僕が生まれなかったので……
人間の運命なんて、わからないものです」
ええっと……若くして亡くなることで、周りの運命が大きく変わるってことですよね……」
ここからは、亡くなった人に関する話をするよ」
仏教は解脱って言って無限に繰り返される輪廻転生から脱却することを目的にしてるんだ。
成仏という言葉は、解脱して仏になるって意味で……
往生っていうのは、生きる場所を変える。
仏のそばで修行して成仏を目指すって意味でね。
昨今じゃあ、おんなじ意味のように使ってるけど。
内容は全然違う」
「亡くなって仏になるのが成仏でまだ現世の修行が足りないから仏の元で修行して成仏を目指すのが往生。
でいいよ?」
うちのお婆ちゃんは99歳まで生きたけど、往生して仏の元で修行中なんだよ」
まるで生きてるみたいですね?」
僕らは、お婆ちゃんを知覚できなくなっても、お婆ちゃんの意識はちゃんと続いてる。
これは『量子力学』の観点で説明できるけど……長くなりそうだからやめとくよ?」
「はい……そうか……『認識』は個人に由来するから……その人はずっと生きているっていう平行世界があるってことですか?」
まあ、そんな解釈でも構わないよ。
亡くなった人間は、もう近くにはいないけど。
でも、しっかりと『存在』はしてる。
その存在を感じられれば、そんなに悲しむことはないってことを言いたいのさ」
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