静寂を砕く雷轟音。吐き出される円筒形の鉛の塊と硝煙。月夜に映し出される尖塔の幻想的な風景が一瞬にして戦場と化していた。
「ゼノさんこれはファンタジーですよ!」
セピア色の髪の少女叫んだ。その彼女の目の前でどうやって支えているのか重機関銃らしき大型火器を軽々と乱射しているアッシュグレイの髪の少年がいる。
「……」
少年は重機関銃のトリガーから指を外し、少女に振り向いた。
「……ファンタジーじゃないですか」
少年はさっきまでトリガーを引いていた指を尖塔の麓へと向けた。そこにはおびただしい数の武装した人骨らしき物体――より正確(ファンタジー的)に表現するならスケルトンだったもの――を指差していた。
「スケルトンウォーリアです。簡単な命令と戦闘を行うことができる魔法擬似生命体です」
「いえ、そうでなくてですね」
少女は少年の持つ武骨な機関銃を指した。どうやら、彼女はそれが許せないらしい。
「私たちは、とりあえずアレスティア国立魔法学院の生徒なんですよ。魔法使いのタマゴなんですよ?まぁ、そんなに魔法とか知りませんけど」
少女はうつむき口篭もる。しかし、すぐに立ち直ると少年と向き合った。
「でも、これはないんじゃ――」
すると、少年はポケットの中からじゃらじゃらと奇麗な円筒形の水晶を少女の掌に置いた。
「きれいですね」
「呪紋徹甲弾です」
少女の手から万年筆のような弾丸がすり落ちる。バラバラと水晶柱が地面に落ちた。
「なにが不満なんですか?」
少年は重機関銃を地面に投げ出し、徹甲弾を拾い集めている。少女は息を落ち着かせると少年に言う。
「だから、魔法使いらしくパぁっと魔法を使ってスマートにできるんじゃないかと」
少年は徹甲弾をポケットの中にしまうと少女を見る。
「スマートにですか?」
「そうですよ、ファイヤーボールとかアイスストームとか呪文を唱えて身振りとか」
「君は馬鹿ですか?戦闘中にそんな事をやっていたら殺されますよ。第一、現代魔術の基本は物質に酸素配列で呪紋を施す魔法。晶術が基本なのです。これでも――」
と言って少年はコートの下からオートマチックの拳銃を取り出す。
「同じ事です」
「違います!それじゃあファンタジーじゃないですよー!やっぱり、魔法使いは魔法使いっぽいことしないと――」
「魔法使いっぽいことですか?」
ふと思い出したかのようにポケットの中から手のひら大の箱を取り出した。
「じゃあ、スマートに――」
少年は助走をつける。
「ふぁいやぁぼぉる」
わざとらしく呪文を言った。
――キュムッッズドーン
再び静寂を取り戻した夜の帳を赤い閃光が引き裂いた。
一瞬、空気が弾けた。
炎と爆音と熱風が少女達を襲う。
少女は短く金切り声を上げたはずだったがその声は爆音で掻き消える。それでも、少女の肺活量とファンタジー・ツッコミ精神は物理法則を超えたらしい。
「これのどこが魔法ですか!」
少女の声はすっかりと賑やかになってしまった森に木霊した。
「ゼノさんこれはファンタジーですよ!」
セピア色の髪の少女叫んだ。その彼女の目の前でどうやって支えているのか重機関銃らしき大型火器を軽々と乱射しているアッシュグレイの髪の少年がいる。
「……」
少年は重機関銃のトリガーから指を外し、少女に振り向いた。
「……ファンタジーじゃないですか」
少年はさっきまでトリガーを引いていた指を尖塔の麓へと向けた。そこにはおびただしい数の武装した人骨らしき物体――より正確(ファンタジー的)に表現するならスケルトンだったもの――を指差していた。
「スケルトンウォーリアです。簡単な命令と戦闘を行うことができる魔法擬似生命体です」
「いえ、そうでなくてですね」
少女は少年の持つ武骨な機関銃を指した。どうやら、彼女はそれが許せないらしい。
「私たちは、とりあえずアレスティア国立魔法学院の生徒なんですよ。魔法使いのタマゴなんですよ?まぁ、そんなに魔法とか知りませんけど」
少女はうつむき口篭もる。しかし、すぐに立ち直ると少年と向き合った。
「でも、これはないんじゃ――」
すると、少年はポケットの中からじゃらじゃらと奇麗な円筒形の水晶を少女の掌に置いた。
「きれいですね」
「呪紋徹甲弾です」
少女の手から万年筆のような弾丸がすり落ちる。バラバラと水晶柱が地面に落ちた。
「なにが不満なんですか?」
少年は重機関銃を地面に投げ出し、徹甲弾を拾い集めている。少女は息を落ち着かせると少年に言う。
「だから、魔法使いらしくパぁっと魔法を使ってスマートにできるんじゃないかと」
少年は徹甲弾をポケットの中にしまうと少女を見る。
「スマートにですか?」
「そうですよ、ファイヤーボールとかアイスストームとか呪文を唱えて身振りとか」
「君は馬鹿ですか?戦闘中にそんな事をやっていたら殺されますよ。第一、現代魔術の基本は物質に酸素配列で呪紋を施す魔法。晶術が基本なのです。これでも――」
と言って少年はコートの下からオートマチックの拳銃を取り出す。
「同じ事です」
「違います!それじゃあファンタジーじゃないですよー!やっぱり、魔法使いは魔法使いっぽいことしないと――」
「魔法使いっぽいことですか?」
ふと思い出したかのようにポケットの中から手のひら大の箱を取り出した。
「じゃあ、スマートに――」
少年は助走をつける。
「ふぁいやぁぼぉる」
わざとらしく呪文を言った。
――キュムッッズドーン
再び静寂を取り戻した夜の帳を赤い閃光が引き裂いた。
一瞬、空気が弾けた。
炎と爆音と熱風が少女達を襲う。
少女は短く金切り声を上げたはずだったがその声は爆音で掻き消える。それでも、少女の肺活量とファンタジー・ツッコミ精神は物理法則を超えたらしい。
「これのどこが魔法ですか!」
少女の声はすっかりと賑やかになってしまった森に木霊した。
どうせ読まれないのなら、ブログのネタにしてしまえと思いだしてみました
改めて、読み直してみると
どっかで見たことあるよな~と思います
最近のライトノベルを意識して書いたつもりでしたが
趣味丸出しですねw
適当にアップしてきますので
感想でも聞かせていただけたら
また、書こうという気持ちが出てくるかもしれません
それではwww