3,4年前の夏の花火大会のとき
人通りの良い吉原の大門で
祖母が見えないものが見えだした紅八に
希望を託し、自分のすべてを教えた。
5,6年前の雨の日
誰もいないお堀のそばで
戦いに敗れた妖狐が
あなたに希望を感じ、否応なく契約した。
「僕らの始まりの物語……つまり、怪異と初めて関わったときの話だね。
ここから、話を広げるわけだけど。
どうも、僕は吉原に関わりありそうな感じだね」
「そこは、考えようか……吉原には東西南北に稲荷神社があるから、そこで狐舞を覚えたとかいうのが自然なんだけど……
どうも、紅花農家が食いっぱぐれることはなさそうだから……
兄弟が多かったから、他家に養子に出されて、周り巡って、ここに来たのかな?
化物見えるから……」
なら、私はどうしよ……お堀ってお城のよね?」
お歯黒溝っていうのに囲まれてるよ?」
一応、花街デビューは17歳(数え歳)だから……
君の設定だと、デビュー前にツキガミに出会ってるんだよな……」
「デビューがいやで、宿を抜け出したところで傷ついた狐がいて、それを助けたら契約を押し付けられたっていうのはあり?」
そうすれば、神社としては君を現人神的な立ち位置で迎えられそうだけど?」
「で、暇だから僕と一緒に狐舞を覚えたことにしようか……僕はついでに見廻り衆の手伝いもしてることにするけど……君は遊女もやる?」
開運稲荷の境内でかんかんのうと踊ってる?」
でも、普通血の繋がらない妹って大切にしない?」
「たぶん……原因は『これ』だろうなぁ……」
しかし、神主になる可能性があったりすると、話がややこしくなりそうだけどね」
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