「1日目 深夜」
「詰め所の扉の前に来たよ……」
「さすがにてっぺん回った?」
「回った」
「あと、4時間くらいで早朝ってところか……
うわものの偵察くらいは終わらせたいな……
つーか、人がいるのか?」
「わからないわ」
「やはり、技術屋は駄目ね」
「うるせー、紐医者!」
「パタリロだな!」
文庫版の何巻だったかなぁ?
「扉があるのね」
「うい」
「じゃあ、とっとと入ろう!」
「じゃぁーー」
「窓を破ってみます!」
「へ?」
「窓を破って、大きな音を鳴らします。
この音で中の様子を伺います。
寝てれば、起きますが……
相手がプロなら、奇襲を受けたらおそらく場所を移動するはず……」
「あ、ああそれはそうだけど……」
「じゃあ、窓を破って侵入します!」
「ガシャーンという大きな音が鳴るよ。
そして、けたたましいサイレンが鳴り響く!」
「……警報機が生きてるのか?
GM!施設の見取り図を検索する!
ーー㉚⑥……!
よし、成功!
連中のスマホにデータ転送!」
「警報を止めましょう……」
「施設は3階建て、3階は宿舎になってて、1階は倉庫になってるようです。
情報室みたいなところは2階ですね」
「……人の反応は?」
「無いよ……あってもわからないでしょ?」
「銃を構えて……突撃!」
「……あ、そうか……」
「俺も思い出した……」
「彼女はジャンヌ・ダルクだったんだっけ……」
「失礼な」
「君は、突貫娘だったじゃないか……
火力で制圧するタイプ……
でも……なんで窓から?」
「正面から入る意味がないから……
と、深夜の奇襲……敵は逃げられない……
なら、下手に長引かせるより、手っ取り早いかと思って!」
「判断はどうかと思うけど……」
「あと、罠にはひっかかってほしいんでしょ?」
「へ?あ、うん……」
「なら、あの扉に仕掛けるのが……
一番、引っかかりやすいわよね?」
「……」
「その沈黙は、肯定ね……
まったく、性格が悪いんだから〜!」
「君には、負けるよ……」
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