艦これ？ おるたなてぃぶ！

SE：けたたましい12.7cm砲の砲声

「なんの騒ぎですか？」

「あ、てーとく。珍しいね。食堂に来るなんて」

「やあ……この演習まがいの騒動は何ですか？」

「この泊地名物のビュッフェの取り合いだよ」

「さも当然のように言いましたね……って、ここの食事ってビュッフェだったの？」

「そうだよ『作戦行動中はレーション（おむすび）だから、基地内での待機任務時の食事くらい『Bread』がいいデース』って艦娘向上委員会委員長が上層部にゴリ押ししたんだ。その後紆余曲折があって、ビュッフェ形式になったの」

「何やってるんですか！金剛さんっ！……え？じゃあ、これはパンの取り合いで焦げ（大破）てるんですか！」

「ん〜微妙に意味合いが違うんだけど、パンは全員に行き渡るだけの量は用意されてるんだよ」

「じゃあ、何を取り合ってるの？」

「取り合ってるんだよ」

「何を？」

「何を……じゃなくて『何と』」

SE：ざわ……ざわ……

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「慢心はダメ！絶対！」 

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「あーかーぎーさーんー！」

「うちの赤城さんは、普通じゃないからね。司令が、うっかり２人にした赤城さんを一つにしてしまったため、食欲が２倍になってしまったんだ……あんたは、なんて化物を産んでしまったんだ！」

「不可抗力じゃないか！……じゃあ、何ですか！この演習じみた狂乱は赤城ACT2からお昼を守るための騒動ってことですかぁ！」

「そだよ」

「……君は、どうして参加しないんだい？」

「わたしの船速と機動性があれば、お昼を確保するのは朝飯前さ！」

「お昼ですけどね」

「この新食感『わさびクリームカレーサンド』！たーのーしーみーだーなー！」

「な〜に～あ～じぃ〜！間宮さん！出てこい説教してやる！」

「あ、言葉遣いが乱暴になった……あれ？どこ行くの？厨房はあっちだよ？」

「この馬鹿騒ぎを終らせる」

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「その秋刀魚パンは、私がたーー」

「……赤城さん」

「！」

「ハウス」

「サーイエッサー！」

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ーー戦艦用テラス

「Oh　あの赤城があっさりと」

「まあ、そうだろうな」

「あそこまでの見事な主従関係をどうやって培ったのデースか？」

「私と赤城が合流した頃、事務絡みがまだゴタゴタしてて補給が１日滞ったことがあったんだが、そのとき、港で赤城（ACT1）が行き倒れていたところに司令官殿が通りかかって、船渠に運んだ上に手持ちの携帯食料を恵んでやったんだ」

「その恩義デースか……食べ物の恨みは恐ろしいといいますが……１食の恩義で忠誠心ＭＡＸとは、赤城らしデースね」

「……まったく、羨ましいな」

「？」