TRPGはじめて物語

TRPGのプレイレポートやゲーム、アニメなど気になったことや感想などを独断と偏見でのたれ書いたもの

誰其彼怪奇譚

2017年02月18日 14時03分44秒 | 妄想TRPGリプレイ

「にいさまも救ったし、さくっとこの怪異の首領を倒しましょう!」

「まあ、雪女だよね」

「そう!

じゃ、雪女の部屋を開けるわ!」

「扉を開けるとそこは雪国だった……

気がつくと、あたり一面雪景色である。

曇天の下に陽炎のように、その女はいた

「見つけたわ!

ここは、外だし炎は有効ね!」

「ま、そうだね」


 その娘は、ゆらゆらとただ漂うだけの存在だった。

 雪の中で見える夢幻……

 それが、ただ人に見えるだけだった。

 男は、ただ立つだけの少女に「雪子」と名付けては声をかける。

 「雪子、今日は寒いな」

 「雪子、今日はこんな獲物が取れたよ」

 少女に見える幻は、ただ揺らめいているだけ。

 ゆらめきが、まるで笑っているかのようだ。

 「雪子、今日も綺麗だね」

 毎日毎日、そう言って過ごす。

 そのうちに、男は幻を愛おしく思うようになった。

 ある日……

 その日は朝から吹雪いており、外に出るのは危うく、男は家にいた。

 コンコンと戸を叩く音が聞こえる。

 「だれじゃ?」

 声をかけると外からか細い声が聞こえる。

 訝しんで戸の前に来た男は、扉の前で声をかけると……

 「ゆきこです」

 か細い声は、そう言った……

 男はまさかと思い、戸に手をかけると思いとどまった。

 まぼろしが訪ねてくるわけがない。

 男は、そう思ったのである。

 何日も声をかけても、返事をしなかったまぼろしが……

 都合よく「今日」喋るわけない。

 「あろうはずはない」

 男は、居間に戻る。

 戸は、なおも叩かれ、吹雪に掠れ声も聞こえた。

 不気味に思った男は布団をかぶって寝てしまった。

 

 翌日。

 吹雪が止んだ。

 外に出てみると……やはり、なにもいなかった……

 人がたった痕跡はなく膝上まで積もった雪があるだけだった。

 男は、ふとまぼろしのことが気になって、幻の見える場所に行ってみた。

 幻は、その場にぼうと浮かんでいたが……

 確かに同じ形であるはずなのに……

 なぜ、今まで女にみえていたのかわからなかった……

 以降、男はその道を通るのを辞めた。

 つい最近、男は久しぶりに通ったとき。

 その幻は、もう見えなくなっていた……

「あれ?」

「雪女じゃなくて、雪子だからね」

「じゃあ、まぼろしだけぼうっと浮かんでるの?」

「この部屋はそうみたいだね……

まあ、君は情報戦負けてるんだから……

ここにラスボスいるわけないよね」

「じゃあ、なにが正解なの?」

「この中に仲間はずれがあります。

多分、それが元凶です……

それでは、シンキングタイム〜!

スタートです!」

「あたまつかうのやー!」


「謎(リドル)って言うんだっけ?」

「そうだね……でも、楽勝じゃない?」

「いくつか、説明しないといけなけどね?」

「……私もなんとなくわかっちゃった……」



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