「にいさまも救ったし、さくっとこの怪異の首領を倒しましょう!」
じゃ、雪女の部屋を開けるわ!」
気がつくと、あたり一面雪景色である。
曇天の下に陽炎のように、その女はいた」
ここは、外だし炎は有効ね!」
その娘は、ゆらゆらとただ漂うだけの存在だった。
雪の中で見える夢幻……
それが、ただ人に見えるだけだった。
男は、ただ立つだけの少女に「雪子」と名付けては声をかける。
「雪子、今日は寒いな」
「雪子、今日はこんな獲物が取れたよ」
少女に見える幻は、ただ揺らめいているだけ。
ゆらめきが、まるで笑っているかのようだ。
「雪子、今日も綺麗だね」
毎日毎日、そう言って過ごす。
そのうちに、男は幻を愛おしく思うようになった。
ある日……
その日は朝から吹雪いており、外に出るのは危うく、男は家にいた。
コンコンと戸を叩く音が聞こえる。
「だれじゃ?」
声をかけると外からか細い声が聞こえる。
訝しんで戸の前に来た男は、扉の前で声をかけると……
「ゆきこです」
か細い声は、そう言った……
男はまさかと思い、戸に手をかけると思いとどまった。
まぼろしが訪ねてくるわけがない。
男は、そう思ったのである。
何日も声をかけても、返事をしなかったまぼろしが……
都合よく「今日」喋るわけない。
「あろうはずはない」
男は、居間に戻る。
戸は、なおも叩かれ、吹雪に掠れ声も聞こえた。
不気味に思った男は布団をかぶって寝てしまった。
翌日。
吹雪が止んだ。
外に出てみると……やはり、なにもいなかった……
人がたった痕跡はなく膝上まで積もった雪があるだけだった。
男は、ふとまぼろしのことが気になって、幻の見える場所に行ってみた。
幻は、その場にぼうと浮かんでいたが……
確かに同じ形であるはずなのに……
なぜ、今まで女にみえていたのかわからなかった……
以降、男はその道を通るのを辞めた。
つい最近、男は久しぶりに通ったとき。
その幻は、もう見えなくなっていた……
まあ、君は情報戦負けてるんだから……
ここにラスボスいるわけないよね」
多分、それが元凶です……
それでは、シンキングタイム〜!
スタートです!」
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