銃犬。〜海上都市ルルイエ

「うちのチームに自動車がないわね……」

「足で十分」

「Me too！」

「……GM？」

「なんだい？」

「戦車って、いくらかしら？」

「売らないよ！？」

「HMMVY売ってよ」

「……」

「ナツメに禁止したのに、君に許可したら恨まれるよ」

「むぅ」

「駄目なものは駄目だよ……」

「お嬢様……サイドカーを付けるので、そこに載られては？」

「……今日のところは、そうするわ……」

「よく、耐えたね？」

「なんの事やら……ジャックはどうする？」

「ワイルド７になれと？」

「……かっこいいよね？」

「読んだことねえよ……じゃあ、俺もオフロードバイク買うか……」

「ところでそんなものを買ってどうするの？」

「患者狩りよ……」

「物騒な言葉だなぁ……」

「『スクライド』の世界を見せてもらったの……で、シティの外の無法ぶりなら……『医療行為』だってまともに受けられない人が多いはず！

私は趣味で、そんな医療を受けられないけが人や病人を助けてまわってるのよ！

自費で！」

「なんでだろう……やってることは非常に人道的なんだけど……不穏な活動に聞こえる……」

「まあ、不法居住者に勝手に医療行為を押し付けて去ってる。医療テロだろ？」

「……なんだ！？この不安感！？

医療テロ？

治療を施し去っていく……！？

しかも、タダで？」

「もちろんよ？」

「いい事尽くめじゃないか！」

「……（なんだ？何に引っかかる？あらゆることで、僕の神経が警鐘を鳴らしている！？）」

「……GMが止まったな。無償の愛に法律やルールの適用するなんて……ナンセンスなことさ。

ま、そういう活動をしているのなら、護衛やらが必要なのが分った。

面白そうでもあるし……

協力しよう！

ギャラは払われるんだろう？」

「当然です」

「じゃあ、今日も患者狩りを始めようか！」

「……一応、善行なんだから不穏当な発言しないでね……」