TRPGはじめて物語

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地を穿つ魔

2009年06月06日 13時28分35秒 | 小説
1日で読了
誘惑に負けて、積み山壊してしまいましたwww

実はこの話の前に短中篇が何話か入り(それは創元推理文庫から出版された「タイタス・クロウの事件簿」に収録されている)
この地を穿つ魔へと続いている連作のちょうどターニングポイントとなるお話でした

作者のブライアン・ラムレイはイギリス人ホラー作家
イギリス人らしい考え込まれたストーリーで大変楽しませていただきました
この地を穿つ魔は、全編「手記」もしくは「手紙」という体をとり
ほとんどをタイタス・クロウの友人アンリ・ローラン・ド・マリニーの手記で構成されている
彼自身、ささやかながら霊能力(精神感応受信)を持ち、クトゥルフ神話の知識を持つ男性で
タイタス・クロウが説明していない神話の注釈もきちんと入っているので
初めてでも十分に楽しめると思います

さて、タイタス・クロウは作家ブライアン・ラムレイの生み出した霊能探偵で
幼少からの来歴は「~の事件簿」の中で紹介されている
そこでのタイタス・クロウの勇敢さや意志の強さは他のクトゥルフ作品の主人公像から外れた人物像に見える
この地を穿つ魔でもそれは遺憾なく発揮され
超国家規模の事件へと発展していく中、ウィンスリー・ピースリー教授率いるウィルマース・ファウンデーションと共闘し、ついには邪神を駆逐するわけだが
ファンとしては、その話のダイナミックな変遷に一連のクトゥルフ神話の系譜を冠せられるか?と首を傾げているわけだが
嗜みも日も浅い身としては、これも1つの神話群じゃないかな~
と、思ったりします
僕のなかでは「対抗」することがさらなる恐怖を生むという印象を受けました
彼らが駆逐した邪神がその後どうなったのか、彼らの特性がウィルマース・ファウンデーションによって詳らかになるたびにいくつかの対抗手段が編み出されているが
結果として、地を穿つ魔のように大きな損害を失うべからぬ人材の消失という自体になるというのは、十二分にクトゥルフの名に恥じない物語だと思います

ウィルマース・ファウンデーション(財団)
ミスカトニック大学心理学教授ウィンゲート・ピースリーらが故アルバート・ウィルマースの意を汲んで組織した世界規模の対CCD(クトゥルー眷属邪神群)組織
もし、これが公式なる設定に加われば、人類は大きなターニングポイントであったろうと思われます
地を穿つ魔の話の展開上
どうしても、人海戦術による邪神への対抗手段が必要になり
あわてて出てきたような展開でしたが
この「転」は今後のクトゥルフ神話群の趨勢を決めるものだと思っております
世界中にいる邪神群と積極的に関わろうとする組織の登場が
新世紀のクトゥルフ神話にどのような展開を与えるのか大いに楽しみでありますwww


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