偶然が重なり その車両に

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今日は研修のため　（偶然１）
いつもと異なる路線の電車に乗った

帰りは友人が「途中まで送るよ」と
その車に　　そして渋滞　（偶然２）

１時間遅れで隣町の駅から電車に乗る
空席があり座ると
シートが暖房で暖かく気持ちがよい
「みゃお」さんお薦めの本を読む

横山秀夫「顔」　
主人公の婦警が犯人に接触し、犯行を認めさせる場面

目頭を熱くし読み終えると　
聞き慣れない電車の走行音

「あっ」　利根川を渡る鉄橋の音　（偶然３）

次の駅は田舎町　上下線のホームが異なる
ここで乗り換えると乗り過ごしが目立つ

もう二つ先の駅なら　乗降客が多いから
そこまで行くか　　　（偶然４）

駅手前で電車が止まる
信号待ちか？　　アナウンスは無い

間もなく動き出し、駅に入る

隣のホームに　上り電車が待っている　
階段を上がったところが電車の最後尾
乗りこむと同時に発車　　　（偶然５）

２～３分走ると　また電車が止まる
ゆっくり止まった感じもする
駅？　　違う

午後７時42分　
アナウンスが車内に響く
声の感じが上擦っている

「ただいま　人身事故が発生しました」

んっ　発生？

車内前方から鉄道制服姿の男が車掌室に入り
車掌と二人が車外に出る

座席から立ち上がり　電車の後方10ｍ先を見ると
二本の線路の間に人が倒れている
うずくまって寝ているように…


本の中では一つの出来事が　無関係のような人まで
悲しみに巻き込む事が書かれていた

２週間くらい前の新聞には
「いじめを苦に自殺することを禁ずる」との
異例な内容で呼びかけるコラムがあった

先日、64歳の男性が事務所に来た
「仕事がない、年金も掛けていない
　荒川に何度か行ったが　死ねねぇな…　」
貯蓄もなく借家で　家族とも疎遠になっているそうだ

この先の生活をどうするんだろうか？
市役所の福祉課を紹介する
「今日　行っちゃダメだよ
　明日　酒を飲まずに行くんだよ」

８時６分　電車が動き出す
　
車窓から見える派手なイルミネーションが
眩しい
世間はクリスマスで華やいでいる