先日、島村楽器にてドラムチューナーなるアイテムを見つけました。島村楽器が販売している tune-bot という優れものです。スネアやタムのヘッドを張る際のチューニングの便利グッズです。
その昔、「音叉(おんさ)」という銭形平次の十手みたいなU字型で音の振動共鳴を利用したクラシックギターご用達のチューニンググッズがありました。確かAの共鳴音が鳴り、ギターのボディーに当てて音を増幅させて、5弦を合わせるというものです。耳で共鳴音と弦の音を合わせるアナログの世界です。今でも楽器店で売ってます。
時代の進歩とともに、チューニングメーターというアイテムが発売され、ギタリストは音叉から解放されました。今ではエレキギターやエレキベースはほとんどの人がチューニングメーターでチューニングをしています。耳に頼らずに簡単に一発でチューニングが出来ます。非常に便利になりました。アナログからデジタルへの移行ですね。
技術の進歩に伴い、さまざまな楽器のチューニングは楽になってきましたが、ドラムはアナログでチューニングをするのがスタンダードでした。tune-botの登場によりドラムチューニングの仕方が変わってきました。
広告動画を見ると、非常に簡単にできる印象を受けますが、実際使ってみるとそうではありませんでした。というか、動画が英語なので、意味がよく分かりません。英語力は必要ですね!
スネアのチューニングの仕方は、ヘッドを叩いて耳で音を聴いて、ヘッド各所を指で押して張り加減を探って調整するのが一般的な方法です。耳と感触が頼りの完全なアナログの世界です。そこに、tune-botという新兵器を使うのです。
では、tune-botを使った自己流のスネアチューニングを簡単にご紹介します。ヘッドの貼り方やチューニングの基本は省略します。
①スネアサイド(裏面)を張ります。これは、今までどおりアナログの世界で手探りで張ります。
②スネアトップ(打面=表面)をこれまたアナログで張ります。
③両面とも張れたらtune-botの登場です。スネアトップ側のフープ(枠)にtune-botを取り付けて、ラグ(テンションボルト)から2センチ離れた個所を叩いて各ラグ付近のピッチを測ります。
④14インチでノーマルピッチなら299Hz、ローピッチなら240Hz、ハイピッチなら356Hzを一つの目安とします。お好みのピッチに近づくように、アナログ式でtune-botの数値を参考にして調整します。※ピッチの周波数は取説より。
⑤お好みのピッチに近くなったら、tune-botをフィルターモード&ディファレンスモードにして、ラグから2センチ離れた個所を叩いてtune-botで微調整をして、各ラグ付近のピッチを均一にします。この時の各ラグの音の誤差は1Hz以内の誤差ならOKです。tune-botが最も活躍するところです。
フィルターモード:目標のピッチ付近の幅のみ測定する機能
ディファレンスモード:ピッチ誤差表示機能
⑥トップとサイドの真ん中を叩いて音程を測ります。表裏の音程が同じ状態の時が最もよく鳴ります。サイドのピッチを変えるとサスティーン(音の長さ)が変化します。表裏の音程差があるほどアタック(音の立ち上がり)が増します。※取説より。
⑦お好みの音が出来たら、tune-botのメモリ機能で表裏のピッチをセーブして完了です。次回、ヘッドを張り替える際の参考にします。
以上でお分かりと思いますが、スネアヘッドは従来どおりアナログで張るのが基本となります。tune-botはヘッドのピッチの状態チェックやチューニングの微調整をするという補助的なアイテムと位置づけられます。このようにして使えば非常に便利なアイテムです。タムに関しても同様です。
※スネアサイドをスティックで叩くと、ボコボコになってしまうのでご注意ください。
スネアのチューニングに関しては、いまだに試行錯誤している状況です。スネアのチューニングは難しくて奥が深いです。tune-botを使ってお好みの音を作ってみよう!
島村楽器 tune-bot のURLです。興味のある方はご覧ください。