tontonjyoのブログ

yahooから引っ越して来ました。思ったことを適当に書いています

拒否力と報復力・懲罰力の続きの続き

2010-09-08 10:18:54 | 日記





何なんだろうね。この辺。抑止力なんて降って沸くものではないでしょう。それが力だとするなら以前から脈々とあったものでね。だから日本は平和なんでしょう。




抑止力って、相手が如何に考えるかの問題。政府が政治的意図を持って、何ら言動する。例えば「自衛隊は抑止力ではない。」でも良いさ。それでも訓練やら何やらで日本を守る意志と能力があることを示すとか、「侵犯があれば自衛隊は動くよ」なんて公言するとかで相手が行動を思い止まるなら抑止力になっているってことでしょう。

自衛隊が実際に戦った訳でもなく外敵から日本の平和が守られて来たと少しでも言えるなら、それは抑止力としてでしょうね。



岡田外相の答弁なんか引っ張り出して「報復的抑止力だけが抑止力だ。」なんてさ・・・言っちゃう訳だ・・・。んでもさ。彼はね。【万が一の保険だとしても、いずれにしても、日本が攻撃を受けないための備えとして、自衛隊だけでは限りがあり】と言ってるんだよね。

まぁ、個人的解釈ってことになるんだろうけど、報復的抑止力が効いていなければ拒否的抑止力だって効かないでしょ。報復的抑止力が効いていないと言うことは、相手は報復を恐れる必要なくあらゆる行動ができるってことだ。

んで例えば中国。政治的にアメリカと対等に渡り合えるってことは相当の抑止力を持っているってことじゃない。アメリカの報復的抑止力がないってことになると、『アメリカと対等に渡り合えるほどの抑止力を持った国の全面体な攻撃を自衛隊の拒否力でどうにかできると思うのか。』って問題になるじゃん。

極端な話、相手が核保有国だとすると拒否力としても核を前提にしたものにならなければならないよね。どうして核攻撃だけ外せる訳。何の為に相手が持ってるかって話。つまり相手からすれば「核を前提にした抑止力を構成して他国よりも政治的に外交的に優位に立とう。」ってことでしょう。であるなら使うことが前提じゃなきゃ駄目じゃん。

俺から言わせてもらえば拒否力ってことで日本は抵抗はできるだろうけど最終的には相手の目的達成を阻むことはできないんじゃないだろうか。まぁ、FXとかSM3ブロック2Bとか配備されれば状況も違ってくるんだろうけど、自衛隊の戦力で、例えばミサイルの飽和攻撃をどうにかするとかなると厳しいとか言うよね。更に相手は核も持ってるしさ。

結果として相手の目的達成を阻むことができなければ軍事的抑止力になる要素なんてないってことじゃない。んで抑止力が働かないってことは相手の軍事的行動の全てが外交の前提になるってことでしょう。

つまり外交上逆らえなくなるなんて言うと大袈裟だと言われそうだけどさ。今時、国連加盟国の日本と中国での国家間武力紛争なんて想定できないとは思うけど、でも、互いに領有権を主張する離島なり国境線なりがあるとしたら、そこに実行支配を目的に侵攻して来るなんてことは想定の範囲内でしょう。法的に曖昧なんだから。

んで、その際に報復的抑止力で相手の行動が限定されていない以上、日本側からすれば「相手はあらゆる手段を講じられる。」ってことを想定しなければならないってことになるじゃない。

フォークランド紛争バリに拗れることだってあるでしょう。だとすると相対的に自衛の範囲を拡大し、戦力を上げなければ抑止力にはならないってことになるよね。でも、それは9条の解釈として限界があるじゃない。

だから、相手の行動を制限・限定し、日本は拒否力のみで抑止力が構成できるようにアメリカの報復力による抑止力が必要だってことなんじゃないの。核の抑止力、敵地攻撃能力云々。


岡田外相は【日本が攻撃を受けないための備えとして、自衛隊だけでは限りがあり】って言っているよね。【攻撃を受けないための備え】ってことはつまり抑止じゃん。【限りがあり】ってことは攻撃を受けないための備えに全くなってないと言う訳ではなくて『範囲が限定・制限』されているってことじゃん。だから【そこに米軍の存在というものはある】って話なんでしょ。

更に言うと、彼は【相手にそれ以上のダメージを与え得るという備えがあって初めて、相手方の攻撃を思いとどまらせる】ってことが【基本的には抑止力の考え方】と言ってるんだよね。「それが抑止力を成り立たせるための拠り所となる大本だよ。」って話なんでしょ。

だもの拒否的抑止力でも同じじゃん。拒否力だって前提は軍事力でしょ。相手の攻撃以下のダメージしか与えられないなら押し戻すことすらできないじゃん。「それで相手の行動を思い止まらせる。」なんて考えられないでしょう。






現状みたいなことを言えば、アメリカの放つ報復的抑止力で中国の行動は限定されているがアメリカは同盟国の領土問題に基本として介入しないと公言している。

んで中国は日本と領土問題を抱えていて隙を見て実行支配しようと尖閣諸島や先島諸島周辺で軍事訓練や挑発行動を行い日本の出方を見ているって話なんでしょう。つまり日本の自助努力による抑止力が必要になることに帰結する。これは実態として以前からそうだったんじゃないんですか。

まっ、俺は専門家じゃないんでね。間違っているなんてこともあると思う。んでもさ。今回アメリカが言った「尖閣も日米安保の範囲」って今までの踏襲だからね。

尖閣諸島の領有権についてアメリカは立場は示さないなんてのも、日本の専守防衛、つまり拒否力もアメリカの報復力も今降って沸いた話じゃないじゃん。其々バランスを保って今に至るんでしょう。

対外的な配慮で政治的に言わないことだってあるさ。それと実態が必ずしも一致するとは限らないよね。そう言った性質を利用し批判の種にしても日本は良くならないと思うよ。

今までは1976年の基盤的防衛力の概念なんでしょ。例えば冷戦って言えば基本がソ連との国家間紛争を想定してるんだろうからね。そもそも核も含んだ国家間紛争が9条で制限された拒否力でどうにかなるなんて発想がおかしいんだよ。つまり「報復力を持たない自衛隊は抑止力にはなりません。」ってことにもなるさ。

冷戦終結後、ずいぶん前から「大国同士の国家間紛争なんて想定できない。」なんて言われてるじゃん。それの起因として文化水準の向上で政治的に戦闘員も含めた自国民の命の価値が上がったことも含め報復的抑止力が飽和状態だってこともあるでしょう。自浄とか言えるほど国際社会は成熟してないと思うよ。

新安保懇の首相に対する提言では1976年の基盤的防衛力の概念を『もはや有効ではない』と断じたってことなんで、結局、個々では当然として対応して来ただろうけど、ついに大本の防衛の概念が変わってるってことだよね。

俺は単に「報復力を持たない自衛隊は報復的抑止力にはなりません。」なんて話なんだと思うんだけどさ。

何て言うか安保否定派かなぁ。その一部が言う「冷戦終結以降、実態とは合わないのに報復的抑止力のみが抑止力だと日本政府は主張しアメリカ軍を飼っている。」なんて言う解釈。この主張も何年も前からある話だけど、それを批判の拠り所にして来た人達も方向性を変えないといけないんだろうね。

 


 つづき・・・かも・・・