【 見たぞ!真夏の競演 】
取材・文/今井智子
●8月5日ナゴヤ球場
本当にアツイ1日だった。気温も、観客たちも、ステージで歌ったり演奏したりしたアーティストたちも、アツかった。そして、なかでもアツかったRCサクセションと沢田研二&エキゾティックスのライブ。
8月5日の名古屋の最高気温は34,6度。この夏いちばんではないけれど、ゆうにベストテンには入る暑さだった。この暑さの中を“FM愛知開局15周年記念/キリン・ナゴヤ・ロック・フェスティバル”の会場であるナゴヤ球場へつめかけた観客は1万2千人。カンカンに照りつける太陽の下で彼らは、まるで暑さなど感じていないかのように午後2時半から8時すぎまで、どんどん盛り上がっていったのだった。
●大沢誉志幸
暑さ真っ盛りのときにオープニング・アクトを務めたのは『その気×××(ミステイク)』をヒットさせた大沢誉志幸。“ステージに立つ前に汗をかいたのは初めて”と暑さに辟易しながらも、ハスキーなボーカルとセクシーな動きで観客を魅了。
●子供ばんど
続いて登場したのはいつも元気のカタマリみたいな子供ばんど。スタッフたちが日陰を求めてウロウロしているのを尻目に、ステージに上がる数分前までバック・ステージでキャッチボールをしているほどの元気で、ステージに上がればこのパワーはさらにアップ。ノリのいいロックンロールは観客たちをさらにエキサイトさせ、彼らの熱気が会場の気温をさらに上げ、オープン・スペースにもかかわらず息苦しさを覚えたほど。子供ばんどはこの夏、またもスケールが大きいバンドになったようだ。
●上田正樹
さて次は一転して、しっとりした大人の歌を聴かせる上田正樹。ゲストにギタリスト石田長生を迎えて、ブルージィな歌を披露。ヒット曲、『悲しい色やね』『タカコ』などをじっくり聴かせてくれた。
●RCサクセション
ようやく日が西に傾き、暑さもしのぎやすくなった午後5時半、RCサクセションが登場した。このイベントのメーン・アクトのひとつである彼らがお目当てで会場に来た人も多かったらしく、司会者が彼らの名前を呼んだとたん、場内は総立ちになった。ステージにメンバーが現れ、演奏が始まると、客席の間からはノボリやウチワ、横断幕、タオル、メガホン、いろいろなものが高く振られだした。そんな高揚した雰囲気の中、清志郎が飛び出してきた。赤と黄色のスーツで、そで、ズボンのサイドにフリンジがたくさんついたコスチュームは、たそがれ時のアイマイな明るさの中で、ハッキリと彼の姿を際立たせる。本番前に聞いたところ、このコスチュームはこの日のために新しく作ったのだそうだ。
おなじみの自己紹介ソング『よォーコソ』で始まったRCサクセションのステージは、さすがに気合の入ったものだった。彼らはこの夏、すでに二つの野外イベントでトリを務めてきたけれども、これが今年最後の野外イベントであることと、沢田研二との競演ということで意気込んでいたのかもしれない。
約1時間の間に彼らが演奏したのは、新曲『不思議』も含めおなじみのナンバーばかりだったが、最後の曲の前にタイガースのヒット曲『シーサイドバウンド』を演奏した。これは口ベタな清志郎たちの、ジュリーへの精一杯の親愛の情の表現だったのだろう。
●沢田研二&エキゾティックス
RCサクセションのステージが終わり、いよいよ沢田研二&エキゾティックスの登場。まずはエキゾティックスのメンバーが、BGMが流れる中ステージに現れ、サルサ風のリズムにのって演奏を始めた。たちまちステージはシティー・トロピカルに様変わり。もうとっぷり日は暮れ、雰囲気は最高だ。そこへ純白のコスチュームに身を包んだ沢田研二が飛び出してきた。片手をポケットに入れたポーズで、歌いながら軽くジャンプしたり、右へ左へと滑るように動く彼を、透けるほどに薄いコートとスカーフが追い、とてもエレガントだ。その姿はここがホコリっぽいイベント会場であることを忘れさせるほどで、観客たちもたちまちその雰囲気に酔いしれた。
彼は3月から行っている大規模な全国ツアーの一環としてこのイベントに参加しているのだが、ステージの内容はツアーのものとはがらり様子が変わっている。曲目はもちろんアレンジが変わった曲もいくつかあり、なかでもシンセ・ドラムを入れて今日的なスタイルになっていた『ストリッパー』と、テクノ風の不思議な雰囲気を持った『眠れ巴里』はこれまでと違ったおもしろ味があって新鮮な印象を受けた。
曲目は。5月にリリースしたアルバム『ノンポリシー』からのものが中心だったが、中盤『ストリッパー』『お前にチェックイン』『晴れのちブルーボーイ』をヒット曲が続くと、前半のエレガントなイメージから次第にワイルドな魅力で盛り上がってきた。歌い進むにつれて、スカーフをはずし、コートを脱ぎ、薄いドレス・シャツ姿になっていった彼は、そのシャツのボタンを全部はずし、男性的な動きで観客の目をとらえる。こんなノリは、やはり通常のコンサートではないからこそ見られるものではないかと思う。ふとまわりを見回すと、パンク少年が4、5人、ステージと一緒に『ノンポリシー』を歌いながら踊っていた。そして、もうラスト・ナンバーの『ニューヨーク・シック・コネクション』。ビートの効いたこの曲はステージの最後を飾るにふさわしい盛り上がりを見せ、ギターの柴山和彦やベースの吉田健とドラムセットの上に飛び乗り、一緒に飛び降りたり、大きくジャンプしたり。そしてエンディングには観客たちに向かって投げキッス、そのしぐさがまたとてもさりげなくエレガントに見えた。
●そして夢のセッション
この夏一番のステキな顔合わせだったこのイベントには、とてもステキなオマケがついていた。アンコールに応えた沢田研二&エキゾティックスが、ゲストに上田正樹と石田長生、清志郎とチャボを加えて、ビートルズの『ゲット・バック』をやったのだ。ステージに突然出現したスーパーセッションに、観客は大喜び。スタンド席では警備員の制止にかまわず全員がイスの上に立ち上がって大ノリだ。
まずは清志郎のボーカルでチャボのギター。ところが清志郎は歌詞を知らないのかそれともワザとなのか、メチャクチャな歌詞で歌い、場内は唖然。カラダでノッていても頭を傾ける人、笑いだす人、口笛を吹く人、反応はさまざま。二番目の上田正樹は得意の渋いブルージィなパターンできめ、石田長生がブルージィなギターを弾く。そして最後の沢田研二は、さすがといったフィーリングで歌い、リフレインは全員で合唱。ステージの方も盛り上がりきっているらしく、三人のボーカリストはそれぞれに右へ左へ走り回り、どこを見たらいいのか迷うほど。ジュリーはギターの柴山和彦を肩ぐるまする。清志郎はPAの前で歌ってる。上田正樹は清志郎と反対側に走っていく。会場全体が、またも最高気温を記録したようだった。
スーパーセッションが終わると同時に花火が打ち上げられ、このイベントは幕を閉じた。昨年のサザンオールスターズに引き続き、ここでRCサクセションと競演した沢田研二&エキゾティックス。そしてこの夏各地で活躍した他の共演者たち。彼らは二度と味わえないような興奮をわたしたちに体験させてくれた。
********
あきらかにジュリーファンだと思われる今井さんの興奮さめやらぬといった感じ、その興奮をやっと抑えて書いた、そんな風に思えたので、全文転載させてもらいました。
すごいステージだったんでしょうねぇ。
夢といえば、もう二度とかなわぬ夢のステージだったのです。
取材・文/今井智子
●8月5日ナゴヤ球場
本当にアツイ1日だった。気温も、観客たちも、ステージで歌ったり演奏したりしたアーティストたちも、アツかった。そして、なかでもアツかったRCサクセションと沢田研二&エキゾティックスのライブ。
8月5日の名古屋の最高気温は34,6度。この夏いちばんではないけれど、ゆうにベストテンには入る暑さだった。この暑さの中を“FM愛知開局15周年記念/キリン・ナゴヤ・ロック・フェスティバル”の会場であるナゴヤ球場へつめかけた観客は1万2千人。カンカンに照りつける太陽の下で彼らは、まるで暑さなど感じていないかのように午後2時半から8時すぎまで、どんどん盛り上がっていったのだった。
●大沢誉志幸
暑さ真っ盛りのときにオープニング・アクトを務めたのは『その気×××(ミステイク)』をヒットさせた大沢誉志幸。“ステージに立つ前に汗をかいたのは初めて”と暑さに辟易しながらも、ハスキーなボーカルとセクシーな動きで観客を魅了。
●子供ばんど
続いて登場したのはいつも元気のカタマリみたいな子供ばんど。スタッフたちが日陰を求めてウロウロしているのを尻目に、ステージに上がる数分前までバック・ステージでキャッチボールをしているほどの元気で、ステージに上がればこのパワーはさらにアップ。ノリのいいロックンロールは観客たちをさらにエキサイトさせ、彼らの熱気が会場の気温をさらに上げ、オープン・スペースにもかかわらず息苦しさを覚えたほど。子供ばんどはこの夏、またもスケールが大きいバンドになったようだ。
●上田正樹
さて次は一転して、しっとりした大人の歌を聴かせる上田正樹。ゲストにギタリスト石田長生を迎えて、ブルージィな歌を披露。ヒット曲、『悲しい色やね』『タカコ』などをじっくり聴かせてくれた。
●RCサクセション
ようやく日が西に傾き、暑さもしのぎやすくなった午後5時半、RCサクセションが登場した。このイベントのメーン・アクトのひとつである彼らがお目当てで会場に来た人も多かったらしく、司会者が彼らの名前を呼んだとたん、場内は総立ちになった。ステージにメンバーが現れ、演奏が始まると、客席の間からはノボリやウチワ、横断幕、タオル、メガホン、いろいろなものが高く振られだした。そんな高揚した雰囲気の中、清志郎が飛び出してきた。赤と黄色のスーツで、そで、ズボンのサイドにフリンジがたくさんついたコスチュームは、たそがれ時のアイマイな明るさの中で、ハッキリと彼の姿を際立たせる。本番前に聞いたところ、このコスチュームはこの日のために新しく作ったのだそうだ。
おなじみの自己紹介ソング『よォーコソ』で始まったRCサクセションのステージは、さすがに気合の入ったものだった。彼らはこの夏、すでに二つの野外イベントでトリを務めてきたけれども、これが今年最後の野外イベントであることと、沢田研二との競演ということで意気込んでいたのかもしれない。
約1時間の間に彼らが演奏したのは、新曲『不思議』も含めおなじみのナンバーばかりだったが、最後の曲の前にタイガースのヒット曲『シーサイドバウンド』を演奏した。これは口ベタな清志郎たちの、ジュリーへの精一杯の親愛の情の表現だったのだろう。
●沢田研二&エキゾティックス
RCサクセションのステージが終わり、いよいよ沢田研二&エキゾティックスの登場。まずはエキゾティックスのメンバーが、BGMが流れる中ステージに現れ、サルサ風のリズムにのって演奏を始めた。たちまちステージはシティー・トロピカルに様変わり。もうとっぷり日は暮れ、雰囲気は最高だ。そこへ純白のコスチュームに身を包んだ沢田研二が飛び出してきた。片手をポケットに入れたポーズで、歌いながら軽くジャンプしたり、右へ左へと滑るように動く彼を、透けるほどに薄いコートとスカーフが追い、とてもエレガントだ。その姿はここがホコリっぽいイベント会場であることを忘れさせるほどで、観客たちもたちまちその雰囲気に酔いしれた。
彼は3月から行っている大規模な全国ツアーの一環としてこのイベントに参加しているのだが、ステージの内容はツアーのものとはがらり様子が変わっている。曲目はもちろんアレンジが変わった曲もいくつかあり、なかでもシンセ・ドラムを入れて今日的なスタイルになっていた『ストリッパー』と、テクノ風の不思議な雰囲気を持った『眠れ巴里』はこれまでと違ったおもしろ味があって新鮮な印象を受けた。
曲目は。5月にリリースしたアルバム『ノンポリシー』からのものが中心だったが、中盤『ストリッパー』『お前にチェックイン』『晴れのちブルーボーイ』をヒット曲が続くと、前半のエレガントなイメージから次第にワイルドな魅力で盛り上がってきた。歌い進むにつれて、スカーフをはずし、コートを脱ぎ、薄いドレス・シャツ姿になっていった彼は、そのシャツのボタンを全部はずし、男性的な動きで観客の目をとらえる。こんなノリは、やはり通常のコンサートではないからこそ見られるものではないかと思う。ふとまわりを見回すと、パンク少年が4、5人、ステージと一緒に『ノンポリシー』を歌いながら踊っていた。そして、もうラスト・ナンバーの『ニューヨーク・シック・コネクション』。ビートの効いたこの曲はステージの最後を飾るにふさわしい盛り上がりを見せ、ギターの柴山和彦やベースの吉田健とドラムセットの上に飛び乗り、一緒に飛び降りたり、大きくジャンプしたり。そしてエンディングには観客たちに向かって投げキッス、そのしぐさがまたとてもさりげなくエレガントに見えた。
●そして夢のセッション
この夏一番のステキな顔合わせだったこのイベントには、とてもステキなオマケがついていた。アンコールに応えた沢田研二&エキゾティックスが、ゲストに上田正樹と石田長生、清志郎とチャボを加えて、ビートルズの『ゲット・バック』をやったのだ。ステージに突然出現したスーパーセッションに、観客は大喜び。スタンド席では警備員の制止にかまわず全員がイスの上に立ち上がって大ノリだ。
まずは清志郎のボーカルでチャボのギター。ところが清志郎は歌詞を知らないのかそれともワザとなのか、メチャクチャな歌詞で歌い、場内は唖然。カラダでノッていても頭を傾ける人、笑いだす人、口笛を吹く人、反応はさまざま。二番目の上田正樹は得意の渋いブルージィなパターンできめ、石田長生がブルージィなギターを弾く。そして最後の沢田研二は、さすがといったフィーリングで歌い、リフレインは全員で合唱。ステージの方も盛り上がりきっているらしく、三人のボーカリストはそれぞれに右へ左へ走り回り、どこを見たらいいのか迷うほど。ジュリーはギターの柴山和彦を肩ぐるまする。清志郎はPAの前で歌ってる。上田正樹は清志郎と反対側に走っていく。会場全体が、またも最高気温を記録したようだった。
スーパーセッションが終わると同時に花火が打ち上げられ、このイベントは幕を閉じた。昨年のサザンオールスターズに引き続き、ここでRCサクセションと競演した沢田研二&エキゾティックス。そしてこの夏各地で活躍した他の共演者たち。彼らは二度と味わえないような興奮をわたしたちに体験させてくれた。
********
あきらかにジュリーファンだと思われる今井さんの興奮さめやらぬといった感じ、その興奮をやっと抑えて書いた、そんな風に思えたので、全文転載させてもらいました。
すごいステージだったんでしょうねぇ。
夢といえば、もう二度とかなわぬ夢のステージだったのです。
清志郎さんのめちゃくちゃな歌詞って、そのことだったんですね^^;おかしいと思ったー。
いやあ、もう、最高なステージ、
このステージを実際見た方から話を聞きたいですねー^^*
記事を読ませていただいてホントに嬉しいです♪
「ゲット・バック」、清志郎さんのはかな~りHな創作歌詞!?だったとか(笑)
貴重なUP、ありがとうございました。
今でもたぶん似合うと思うんだけど・・。
早川さん、こんなの作ってくれないでしょうかぁ。ヒラヒラ好きだー。
(なんだか最近ジャケットが多いですよね)
風に舞い上がる白いコートとスカーフ、かっこよかったな~。
Reiさん、この記事は初見だったので、とっても感激しました!
ありがとう。
一回も経験したことないんです。
もう、こんなライブだったら失神するかも・・。
Reiちゃん、いつもおおきにね~!
でも、この場にいたファンのみなさん、
今どこに!
ジュリーはこの頃からなんにも変わってないですよ~。最高のロッカーです。
ライブステージを体感して欲しいです!
まさに夢の競演ですね~。
「負けず嫌い選手権」といったところで、
これぞ対バンの極致でしょう。
最高のメンツが揃ったものだ。
「JULIE&EXOTICS」として最後に一発、
ドカンと打ち上げてくれたんでしょうね。
「ゲットバック」、聴きたいなぁ。
ジュリー力もちだもん~。
映画「夢二」でも女の人肩車して歩くシーンがあるし^^。
しかし、こんなすごいセッション、あとにも先にももうないですよ。
そして、そんなロッカーたちを牽引していたジュリーが凄い!
こういう事実をジュリーファンは忘れないようにしたいです!
84’こんな豪華なLIVEがあったんですね~ 。
ジュリーの衣裳 、こういうの好きです 。
「ストリッパー」の時も「晴れのち・・・」の時も 「麗人」の時も・・・
フワフワ~~~っと なびく衣裳が好きでした
> ジュリーはギターの柴山和彦を肩ぐるまする
想像して・・・ ドキドキです
細いジュリーが肩ぐるまする図 ・・・
KAZZさんも 細くて小っさかったけど
なんか・・・ムフフ・・・萌え~~~
> 誉志幸さん
一時期 夢中でした 。
日本にこんなカッチョいい曲を作る人がいるのか・・・と 。
高校のお昼の放送に よくアルバムを持っていって掛けてもらい
放送部の上級生をドツボに ・・・
ジュリーと誉志幸さんのコラボ・・・
見たい ・・・です
今実現したら スゴイなぁ~
> RC ・・・ジュリーへの精一杯の親愛
カッコいいなぁ ~~~
貴重なUP ありがとうございま~す