[呪文]
『大人になったら・・』
それが子供の次郎吉にとっては、
万能薬の如くに思えていた。
大金持ちになることも容易いことだと思えていた。
唯、
その為に何を為すべきかは分からないでいた。
毎日が空きっ腹の次郎吉は
『大人になったら・・』と、
呪文の如くに呟くだけだ。
しかしながら、
そんな夢のような呪文も、
年を経るにつれ段々と萎んでいった。
二十代半ばとなった今では何の夢もなく、
子どもの頃の夢も忘れてしまった。
『大人になったら・・』
それが子供の次郎吉にとっては、
万能薬の如くに思えていた。
大金持ちになることも容易いことだと思えていた。
唯、
その為に何を為すべきかは分からないでいた。
毎日が空きっ腹の次郎吉は
『大人になったら・・』と、
呪文の如くに呟くだけだ。
しかしながら、
そんな夢のような呪文も、
年を経るにつれ段々と萎んでいった。
二十代半ばとなった今では何の夢もなく、
子どもの頃の夢も忘れてしまった。
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