28日(木)。昨日は、早稲田松竹で濱口竜介監督の「偶然と想像」&「PASSION」を観る予定でしたが、コンサート通いが前日まで5連チャン、今日から3連チャンと続くため、休肝日ならぬ「休コンサート日」とし、ベッドに横になって音楽を聴きながら読書をして身体を休めました 昨日も暑い一日でしたが、モコタロがスフィンクスのような格好をして床で腹を冷やしている居間のクーラーを点ける一方、自分の部屋はクーラーを点けず窓を全開にしてわずかな風を入れました 「モコタロ・ファースト」という動物愛護精神の鏡のような待遇ですが、モコタロが熱中症になって倒れたらtoraブログの表紙がなくなってしまい非常に困るからです もっとも 自分が熱中症で倒れたらブログどころの騒ぎではなくなるな・・・やっぱりクーラー点けました
ということで、わが家に来てから今日で2755日目を迎え、トランプ前米大統領は26日、首都ワシントンで講演し、2024年の次期大統領選への自身の対応について「もう一度やらなければならないかもしれない」と述べ、出馬に意欲を示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
21年1月の連邦議会占拠事件の真相が究明されたら トランプの出番はなくなるぜ
昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「鯖を塩焼き」にして、「里芋の煮っころがし」「冷奴」「生野菜とワカメのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました サッポロCLASSIC ゴールデンカムイ のお供は、ミューザ川崎でのコンサート帰りに「ラゾーナ」の地下食品売り場で入手した新潟の だだちゃ豆 です ビールに だだちゃ豆 は最高です
原田ひ香著「ランチ酒おかわり日和」(祥伝社文庫)を読み終わりました 原田ひ香は1970年、神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞最優秀作受賞。2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞 先日当ブログでもご紹介した「三千円の使い方」ほか著者多数
本書を読み始めてから初めて「ランチ酒」シリーズ第2弾であることに気が付きました 第1弾「ランチ酒」から順番に読んだ方が良いのかな、と思いましたが、その必要はないようです
主人公の犬森祥子はバツイチのアラサーで、見守り屋という風変わりな仕事をしています 深夜から朝まで、依頼者の家に出向いて朝までそばにいるだけという、便利屋みたいな訪問サービスです 深夜の仕事なので、祥子の退勤時間はいつもランチが始まる時間と重なります そこで、祥子はたまたまその日に訪れた見知らぬ街で、ランチを取りながら一杯のお酒をたしなむことになります 祥子の訪れた街とランチは次の通りです
第1酒「表参道 焼き鳥丼」
第2酒「秋葉原 角煮丼」
第3酒「日暮里 スパゲッティーグラタン」
第4酒「御殿場 ハンバーグ」
第5酒「池袋・築地 焼き小籠包、水炊きそば、ミルクセーキ」
第6酒「神保町 サンドイッチ」
第7酒「中目黒 焼き肉」
第8酒「中野 からあげ丼」
第9酒「渋谷 豚骨ラーメン」
第10酒「豊洲 寿司」
いずれも実在すると思われる飲食店が一話ごとに登場し、いかにも美味しそうな料理とお酒が紹介されていきます テレビのグルメ・リポート番組で、何の才能もないタレントが「美味しい」としかコメントできず、「旨いものを食べてギャラをもらうなんて、ほとんど給料泥棒だね」とツッコミを入れたくなるのとは違い、著者の文章を読むと、その店に行ってお酒を飲みながらその料理が食べたくなります
本作に登場する10店のお店の中で、唯一私が利用したことのあるレストランのモデルは、神保町の三省堂書店の地下にあった「放心亭」です。昭和を感じさせる落ち着いたレストランでしたが、残念ながら三省堂書店は建て替えのため3月末で営業を終了、解体工事に入りました したがって「放心亭」も現在はないと思います 神保町と言えば、ミニシアターブームの先駆けとなった「岩波ホール」が明日(29日)、54年の歴史に幕を下ろします 三省堂といい、岩波ホールといい、神保町のランドマークが次々と消えていくのは寂しい限りです
話を戻します。読み進めていくと、元夫の義徳や娘の明里との関係や、義徳の後妻・美奈穂との微妙な関係も明らかになっていき、物語に深みが増していきます 特に感心したのは女性から女性を見た視点の描写です なるほど、女性は他の女性に対してこういう風に考えてこういう風に行動するのか、と教えられました
本書は「えっ、昼間からビール?」という単なるグルメ・リポート本ではありません 心温まる人間模様が描かれています 読み終わって、「その店、どこにあるんだろう?」と気になる連載小説です 文章を味わう本としてお薦めします
三省堂も岩波ホールも、今や跡形もなく消え去ってしまいました。ともに思い出が沢山あるので寂しい限りです