つい今しがたの事件です。
図書館に本を返しに行った父ちゃんは、
雑誌のコーナーで一休みして帰ろうと思ったんですが、
不潔な感じのオヤジさんたちがソファーを占拠していてどうも
落ち着いて座っていられそうにありません。
仕方なく館内をうろついていたその時、
「□✖αβγ▽ζηΘー!!」
どこからか野太い怒声が聞こえてきました。
何を言っているのかは聞き取れません。
声のする方に近づきながら耳をそばだてると、幼児の悲鳴も
混じっているようです!
父ちゃんは、普段から、もし飛行機に乗ってハイジャックに襲われたら、
あーしてこーして、こーやって、とんちを使って、まるめて縛ってポイしてやろう。
みたいな、シミュレーションをかかさないタイプです。
今こそ、日ごろの訓練の成果を発揮するまたとないチャンスだと思いました。
声の主は、図書館の奥、お座敷みたいになっている、
児童書のあるあたりにいる様子……。
感の良い皆さんは、ここら辺まで読んで、もう気づかれたかもしれませんけどね、
父ちゃんは感が悪いし、しかもチャンスをピンチに変える男ですからね、ええ……。
読み聞かせの係のおばさんが、紙芝居の猛獣を熱演している
キッズコーナーへ、小走りで近づいて行っちゃったんですよ。
あと数秒気づくのが遅かったら、よい子たちが紙芝居見てるところに
躍り出て、おかしな騒ぎを引き起こしていたかもしれません。
一瞬の判断が功を奏し、一番後ろにいた図書館のお姉さんに、
「大人なのに紙芝居見たいんですか?」みたいな顔されただけで済みました。
危機一髪でした。
新聞社のインタビューには、
「市民として当然のことをしたまでです」と、
ひかえめなコメントをする予定でした。
でも、もしホントに凶悪犯と向き合ってたら、
怖くてうんこ漏らして終わりだったでしょうね。