私はなぜペンタゴン情報を暴露したか
ベトナム戦争の嘘を暴露する良心的告発を行ったエルズバーグ氏。時の大統領を窮地に追い込んだ人物は、どんな人生を辿り、いかなる葛藤を経て、内部文書を告発するに至ったのか。
差し迫る核戦争のもたらす惨禍を政府内部で知った経緯は? そして日本へのメッセージは? 驚嘆すべき記憶を詳細に語った単独インタビューの記録。
第二次世界大戦下の1942年2月、イギリスがドイツの各都市に焼夷弾による夜間爆撃をしたことについて、アメリカが「赤ん坊まで殺している、これは軍事行動ではない、犯罪だ、最悪の行為だ」と警告を発していた、という。
読者はその3年後、当のアメリカが日本でその「犯罪」を繰り返したことを思い出すだろう。
国はなぜ暴走し、どんな方法で事実を隠ぺいするのか。
どうやったら愚行を止めることができるのか。
学ぶところが多い一冊だ。
内容(「BOOK」データベースより)
ベトナム戦争の嘘を暴露する良心的告発を行なったエルズバーグ氏。ニクソン大統領を畏れさせ、スキャンダルにより窮地に追い込み、のちにエドワード・スノーデンをして「彼がいなければスノーデンもいなかった」(ドレスデン平和賞受賞時のメッセージ)と言わしめた人物は、差し迫る核戦争のもたらす惨禍を政府内部でどのように知ったのか。
政府高官になるまでどんな人生を辿り、いかなる内心の葛藤を経て、戦争の嘘を語る膨大な内部文書を告発するに至ったのか。
驚嘆すべき具体的な記憶を語った単独インタビューの記録。自らの人生や内心の葛藤を語った日本版オリジナル・インタビュー。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
エルズバーグ,ダニエル
1931年シカゴ生まれ。戦略研究者、平和運動家。元国防総省勤務、元国防次官補佐官。
ハーバード大学卒業後、ケンブリッジ大学に留学。ランド研究所、米国国務省で政策研究を行なう。「ペンタゴン・ペーパーズ」作成に関わるが、1971年に国防総省のベトナム政策決定経過を『ニューヨークタイムズ』や『ワシントンポスト』に内部告発して合衆国法典793条e項(国防機密漏洩罪)違反に問われ、起訴、解任される。
その後、ロサンゼルス連邦地裁で公訴棄却の判決。以後、軍縮の研究に従事しながら、平和運動に携わる。2016年ドレスデン平和賞受賞
梓澤/登
1946年生まれ。訳書に、ジョン・デューイ調査委員会編著『トロツキーは無罪だ!』(現代書館、2009年)など
若林/希和
大阪生まれ。7歳の時に父親の仕事の関係で渡米、小学校卒業までをロサンゼルスで過ごす。ホテル、出版社、旅行代理店、大使館などでの勤務を経て、2013年から、主に海外のテレビ局やメディアの現地プロデューサーとして活躍。2018年3月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)