S2Sの固定スライドガスガン SOCOM MK23へのカスタム施工の様子をお伝えします。
「ハッシュパピー」と呼ばれたMK.22 MOD.0 はベトナム戦争で米軍特殊部隊が使用していたサイレンサー搭載型のハンドガンです。亜音速の45ACP弾を使ったその銃は静かで強力、音もなく敵の歩哨がバタバタ倒れる様子を”餌を与えられておとなしくなった番犬”に例えた悪趣味なジョークは有名な話ですが、同様のコンセプトで開発されたのが実銃のSOCOM MK.23です。
まずはS2S SOCOM MK.23(以下、MK.23)の性能をチェックしてみます。パワーはマガジン温度28℃時に0.55J(0.25g弾、134aガスで計測)で、0.2g弾の弾速に換算して74m/sはバックアップ用としては十分な性能ですが、長物電動ガンを持った歩哨(敵ゲーマー)を確実に倒すにはやや頼りない気もします。
HOPの弾道が素直で命中精度も良好なのはさすがマルイMK.23のクローンモデルといったところですが、トリガープルがぎこちないところまでそっくりです。
という訳で最初のカスタムポイントはトリガーフィーリングの改善です。と言っても既存のスプリングは十分に柔らかいのでこれ以上の弱化は作動の安定性を損なう恐れがあります。そこで代わりに行ったのがマガジンリップ部分のフリクション軽減、BB弾が滑らかに給弾されるとトリガープルもスムーズになるという訳です。
サイレンサーはそのままでは使えませんでした(汗) 発射されたBB弾が中の部品に僅かに接触しているようで着弾点が少しズレてしまいます。ネジ部分のバリ取りを行いOリングを追加して正常に使えるようにしましたが、この辺は個体差があるのかもしれません。後述しますが消音性能自体はマルイ製よりも高いような気がします。
トリガーが滑らかになったら次はパワーアップです。固定スライドガスガンはクラスレスなパワーを引き出せる潜在能力の高さが特徴、”スライドが動かない旧型” なんて単純に決めつけるのは早計です。
マルイSOCOMにはカスタムバルブも発売されていますが、それらは静音性や燃費向上を主眼に置いているようですので私は純然とパワーUPに振ったバルブを作ってみました。
という訳でこちらが完成したバルブユニットです。広げられたルートと細くなったシャフトでガス流量のUPを図りましたが果たして結果はどうでしょうか?
ノーマル時と同条件で0.78J(0.2g弾換算88.3m/s)は約4割のアップ、文句なく長物電動ガンクラスのパワーです。そして安全確認としてマガジン温度を36℃まで上昇させての計測も0.86J(0.2g弾換算92.7m/s)と法規的にも問題がないことが確認できました。夏場のCQB戦ではちょっと痛いかもしれませんがゲームにも安心してエントリーできます。
サイレンサーの性能もチェックしてみます。サイレンサーなしの時で銃口から50cm離れた位置での測定値が画像左の99.2㏈、そして装着時は画像右の86.8㏈と12.4㏈の消音効果が確認できました。電動ガンにサイレンサーを搭載しても同条件化で90㏈前半ぐらいなのを考えると高い静音性と言えます。
アルミでできたマルイ製を計測したことがないので漠然とした比較になりますがABS製のサイレンサーも材質的に共鳴しにくい素材ですので性能は悪くはないようです。
長物並みのパワーに静がな発射音、高い命中精度に軽くなったトリガーとカスタム後のS2S SOCOMはゲームでの隠密作戦にピッタリ、付属のアンダーレイルマウントも好みのライトが装着できるので便利です。音もなく敵を倒す ”現代版ハッシュパピー” が誕生しました。
以上、S2S SOCOMへのカスタム施工の様子をお伝えしました。