拠点小屋の踏み固められた裸地に綺麗な竪穴が無数に開いている。最初は虫が出た穴と思ってみていたのだが、静かにしていると穴の縁まで上昇して来る生物が確認できた。
「地蜘蛛 かな?」と思ったのだが、穴の径は5~6ミリ程度であるし小さくて判別できなかった。昼食を食べた後、会友のM氏と蟻や藪蚊を穴の傍に寄せると、面白いように引き込んでいく。でも蜘蛛かどうかはわからなかった。
そこで水攻めにしてみたのだが表面張力で水は浸入しないのが判った。策を講じて草の茎を射し込み、射し込み、気泡をとって水を充満させてみたのだが捕獲失敗。
結局、草の茎を穴に差し込んでおいて周囲の土から掘り下げてみた。竪穴は地表から10cmほどあって、中には大顎をもったエイリアンが生息していたのだった。
小父さん二人は、人類の知らないところでエイリアンの地球侵略が始まっているのを確認したのだが、これは冗談としてもおっさん二人が子どもみたいな遊びに興じている場面はお笑いでもある。本当に「二度わらし」になってきたようだ。
でも、ここで疑問が生じた。土は粘土質で耕起されたことのない地盤である。硬い粘土質の地盤を綺麗な竪穴を作る能力が大顎だけで可能だったのかどうかと言う事なのだ。
この極めて物理的、工学的なテーゼの解を見つけるまで短夜の今夜は、きっと眠れない。なんちゃって!。