トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

*トンネルを抜ければ

2010-09-23 | 旅行記

 ナラ枯れの山はアズキの葉をまとい錦に遠く装う故郷

 七年を経ても震災山肌は土色見せて秋雨にぬれる

 幼子の生還したる崩壊地アワダチソウの斜面は揺れる

 猛暑日となりし埼玉名月の空も汗だく無月となりし

 中秋の無月となりぬ埼玉の昼は熱風夜は雨足

 車窓から見たナラ枯れの被害は予想以上だった。一年前を思い出しても格段の差がある。原因となる生物は、昔から存在していたにもかかわらず、近年になって急速に拡大したのは「高齢木」が増えたことなどが指摘されている。

 木の種類の性質上、北国に顕著だが中国・近畿地方、愛知県などの被害も目立ってきた。当地ではまだ発生は聞いていないが、感染が広がれば松枯れ以上の被害が里山に出るのだろう。


救いの花

2010-09-23 | 小父のお隣さん

Photo  棚田の田植えをしなかった部分はミズアオイが大繁殖した。稲の周囲は一度だけ除草をしたから、再生はしたが水面が見える密度である。

 ミズアオイの芽吹きの頃から楽しみにしていた花が、どういう理由なのか今年は一輪も咲かないのだろうと思っていた。

 田植えをした田で大きく育っただけなら、一回だけ施した肥量の窒素分が理由になるだろうが、上部の肥料が流入しない棚田まで無花だったから訳が判らない。

 昨年は開花していて今年は開花無しなど、実物ではないから裏年・表年なんてリズムは無いと思えるのだが、猛暑のせいだったのだろうか、そんな思案しか浮かばない「花見ず期」だった。

 と、諦めていたら、近くの遊水地の群落が「開花した」とのニュースが新聞に載った。何のことは無い、開花時期を知らなかっただけの事である。稲穂は全滅したが、ミズアオイは可憐な花を見せてくれた。多少は慰めになる。この色はツユクサと同じ色素なのだろう、見ていて飽きない色である。そういえば「青いバラ」もこんな色合いを出してくれるといいのになあ。