泥水池で子蛇が泳いでいた。ヤマカガシの子どもだった。毒蛇であることは壮年になって知った事であるけれど、子ども時代に手に取った記憶は無い。アカハライモリもそうなのだが、腹部の赤と黒の斑模様が敬遠したくなるのである。
今回、手にとって眺め回したのだが、記憶と合致しない二点があった。一つは首の黄色のベルトで、お洒落と言えばお洒落な色彩だけれど、成体にはあったかどうか朧だ。また、蛇の舌先は分かれているとばかり思っていたのだが、アイスピックのように先細りしている。
チロチロと出してくれなくて、出しっぱなしだったのは、首根っこを押さえていたからのようで、地面に降ろしたらチロチロやっている。記憶や認識など曖昧なものである。