トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

蒸留器の試作5 (スカタンな一日)

2020-03-04 | 今日は真面目に
 冷却器は管径を太くして課題は解消。残るは蒸留鍋の蒸気漏れをいかに防ぐかにかかっている。解決策として譲り受けた圧力鍋は半世紀も前の物でパッキンが劣化して蒸気漏れがする。幸いにしてメーカーに部品の備えがあって交換する事にしたのだが、ついでに傷みの激しい蓋の取手交換も行った。交換部品の長さも短くなり取り付けボルトも8φから6φと小さくなってネジ山が合わない。それよりもネジが抜けず、すったもんだでねじ切れてしまった。これは曲がったけれどネジを立て直して一応は決着した。

 問題は蒸気取り出しパイプの接合で、蓋とパイプはアルミなので「アルミのロウ付け」しかない。ホームセンターで初心者向きの粉末アルミの溶接キットを購入して接合を試みたものの溶融すらせず失敗。そこでアルミ溶接棒を用いての溶着を試みたけれど何度行っても流れず玉になるだけで失敗。昔に行った銅パイプの溶接の方が簡単だった。結局は材料費三千円ほどが消えてしまった。
 既に購入しておいた蓋のパッキンと安全弁のパッキンと弁の費用三千円、合計して六千円が無駄になった。これではリサイクルショップで手に入れた方が安かった。
 どうしようかと算段をしていたところに古巣の後輩が新たな圧力鍋を届けてくれた。見れば我が家の物より新しく、それも新品同様なのだ。これは現職の後輩が「どうせ使っていないので・・・」と渡してくれたのだそうな。もう、有難いの一言に尽きる。
 古い鍋はパイプを溶接できれば問題なく使えるので「再度の挑戦」か、はてまた「伝手で溶接」出来るまでか、とりあえずは在庫品にする。

 そのままでは使えないだろうからあれこれ眺め試していたら蓋中央にある調整装置の重りを外して現れたパイプにシリコンチューブが嵌りそうなのだ。試みに差し込んでみたらうまい具合に装着できたのだ。チューブの内径は9φ、調整装置のパイプ外形は10φで抜き差し感も程よいのだった。

 「これはうまくいく!」と蒸気噴出テストを行ったところ内径が小さい感じであった。測定すると2.8Φほどで、調整装置の外径最少は6φなので穴を4φほどには広げられそうだ。長さは30mmほどあるし立ててボール盤作業も不安定になるので木工旋盤のチャックに装着して穴を広げる事にした。この卓上木工旋盤ではたとえ0.5mm広げるにしても非力で唸るだけだ。すべて手回しで貫通させた。
 一回目は3φのドリル、二回目は3.5φのドリル、4φまで通そうかと思ったけれど中心に穴が通っておらず偏ってしまったので諦める。
              内径を広げる    ➡     噴出テスト

 これにシリコンチューブを接続して再度の蒸気噴出テストを行った。多少は蒸気量が増えたようにも思えるが視覚的なものに過ぎなく、実用上は火力調節で安全弁から蒸気漏れが起こらないようにする必要がある。
 とにもかくにもこの圧力鍋を蒸留鍋として使える目途が立ったから最終テストの芳香蒸留水を得たい。こうなると気が急いて「何かないか・・・」と鵜目・タカの目・乱視の目、チャンチャン。