前回、金柑の芳香蒸留水を作ったのは半割にしたのだった。今回は丸ごとそのまま使ってみた。果肉が露出しているのと露出していないのとの違いがあるかどうか確かめたい。加熱蒸留後の果実を食してみると金柑の味は損なわれていない。このまま種子さえ外せばシロップやジャムに再任用出来そうだったものの「糖分取り過ぎ」の方向に彷徨しそうなので芳香だけで良しとした。
検証したかった香りの違いは小生の鼻では判別不可能だった。芳香蒸留水で遊んでいてもあまり鼻が利いていないのは分けた相手の感想を聞いて理解している・・・。ワインなんとかとか調香師にはなれない小生である。「頑張れば道が開ける」なんて真っ赤な嘘っぱちなのである。この歳でようやく理解した。
加熱前 ➡
加熱蒸留後
ダイダイも入手できたので蒸留してみる。果肉は酸っぱいし皮は苦いしで正月のお飾りに使う以外は用途が無いのだそうで、皮の色合いは素晴らしい橙色なのに見た目と中身は一致しない一例か・・・。皮は苦くても皮裏の白いスポンジ状の肉は健康成分が豊富だと記憶にある。ここだけはぎ取って使えれば使いたいけれど、何かサプリメントみたいな使い方では身の丈に合わない。
ところがである。2回目は白い部分を外して蒸留してみようと考えつつ皮を眺めると白い部分の方が圧倒的に量が多いのだ。割合にして6割程度になるのではないだろうか。そこで「もったいない」が始動してしまった。
白い部分を調べてみると「アルベド」と呼ぶのだそうで、この中にはビタミンPと言われるヘスペリジン(フラボノイドの一種)の宝庫だった。「温州ミカンの袋や筋を食べたほうが健康成分を摂りやすい」ということは知っていたけれどダイダイの層の厚さは半端では無いのだった。今度は芳香蒸留水でなく、ダイダイのアルベドにストーカーをしてしまいそう・・・。
周辺にはダイダイの成木が結構あるが果実はほとんど食されずに捨てられている様子だ。会友は「皮は苦いし実は酸っぱいし」とお飾りの天辺程度の用途と割り切っていたけれど「苦さ・酸っぱさ・ヘスペリジン」三要素の利用価値は十二分にあると思った。
加熱前 ➡
加熱蒸留後
ヒノキは暮れに採集した葉よりも艶やかで緑が増している様に見えたが新葉はまだ出ていない。それでもと用材調達で伐採したヒノキの葉を持ち帰って蒸留してみた。ミカンの皮よりも精油成分が多く浮かんだように見えたが、最終的には移し替える時に容器の油汚れとして失われていく。芳香蒸留水としての香りは「やや青臭い」感もあるけれど、これも入浴剤として利用できるだろう。
まあ、なんだかんだと悪戯しているが蒸留しないで風呂に直接投げ込んだ方が手っ取り早い感はもちろんあるものの結果じゃないのよ人生は!
加熱前 ➡
加熱蒸留後 少し精油成分が