1kgのはなまめを4回に分けて賞味する事にして1回目は「生姜糖はなまめ」だったのだが、これがとっても旨い。1kgを生姜糖はなまめにしても満足できたのだがそれはそれ、今回は「出し汁に浸させたはなまめ」にする事にしたのだった。ところがギッチョン、チョイチョイチョイ「旨味充満した美味しいはなまめ」という目論見は2回目の加熱で幻想だった事に気が付いたのである。
丁寧に本格的出汁を取り吸水させたまでは良かったのだが加熱するに従い灰汁が出て来る。当然、はなまめの外殻を通して成分の出入りはあるのであるから多少は「減る」だろうは幻想だった。端的には「浸透圧」が曲者で3回に渡る加熱冷却の際に水換えするのだから成分は薄い液体の方に流れ出すのが当たり前なのだった。途中で出来上がりを確かめるために試食をしながらだったけれど、確かに食感は初回とは異なる出来栄えで、感じ方では絹ごし豆腐のような食感になっている。けれど、しかし、当然のことながら「出し汁を吸水させたはなまめ」とはなり得なかった。
3回目に加熱する時、砂糖を加えるのだがこの時にとろろ昆布を鋏で微塵にし投入した。悔しー!何としてでも昆布の旨味を付けてやる!。砂糖はレシピの1割減にしてとろろ昆布の旨味が活きるようにしたのだったが・・・。砂糖は1割減だし風味付けにゴマ油も足したから焦げ付き難さは増したはずだと認識しつつ、とろろ昆布が焦げやすいはずなので火を止めるタイミングを早めた結果とろろ昆布の持つ水分でペッタリした出来上がりになった。とは言え見た目は悪くとも美味しさは単なる砂糖煮のはなまめより個性的な美味しさがある。食膳の箸休めにもお茶の甘味でも十分イケる出来上がりだ。さすがに主夫としてのキャリアは活きているのだった。さて3回目は「生姜バターはなまめ」で行こうか…。生姜は生生姜でなく繊維の目立たないチューブ入りの生姜で試みようぞ!。