トンボ池の東側に囲いを設置し花粉や吸蜜用にノアザミを植えつけ二期は満足な花数が出たのだが三期目の昨季は俄然、株数が減ってしまった。理由は不明なのだがS先生と可能性を探ってみた結果「ノアザミは宿根するけれど数年株では無いだろうか⁉」というのが今のところの見立てである。自然状態で群落を形成している場所でも同じ株ではなく「数年かかって更新されている株の集まり」ではないだろうかと言うのが落ち着きどころだった。
因みに採種し直ちに直播し育苗すると翌年には定植できる大きさになる。定植した年の開花は望めないが翌年には開花株になれる性質を鑑みると結論は正しい方向を向いていると思えるのだ。だからこそ今期は期待して昨季は採種し育苗し秋には定植したのだがそれが冬を迎えてから威之志士様の跋扈蹂躙に遭い続け補植した株の大半は消えてしまったのだ。その穴埋めをするべきポット苗は既に無く、当然ノアザミの開花株は囲い4枠の半分ほどに大減少してしまった。まあ、今期のノアザミの群落は望み薄だけれど掘り起こされ失った表土の補充はしておかねばならない。
つまりはてなもんや三度笠で、浚渫して一夏経過した土を用土として運び入れたのである。埋め立てするだけなら浚渫し立ての泥土で構わないのだが用土になるかと言えばそうはならない。端的には「土壌」状態では無いので泥に等しいまま入れ込むと水や空気の流通も悪く粘土状態なままで経過する。これではうまく育たない。浚渫土は一旦は半年か1年程度風雨にさらし、勝手に生える植物の凌駕するままにしておくと土壌として使える様になる。こういう事のテキストなんて無いので、つまりは試行錯誤の結果でもある。
しかしながら、こういう風に既存の土と異なる土を入れると早速のご来客があって、数日も経たないうちに掘り返されるのだ。今回、客土した範囲の中に開花株もあるから、更に被害が拡大するのを防ぎたくて竹酢液を噴霧しておいた。まあ、気分・効果半々程度だけれど何もしないよりは安心なのだった。ボチボチ作業ではあるものの、寒い時期にこんな事を続けるか腰痛が治りにくい。フイールドの手当てはしても自らの身体には手当てが薄い。その一方で自らの懐への手当てはなりふり構わず、フイールドにはとんと関心が無い口三つの寄生主の多い事よ。