1月の「森の市」出品物の製作を行わねばならない時期に入ったのだが量産品の加工が進まない。今まで多くを作ってきて新鮮味が無くなっている事もあるけれど一番の遅れの理由は「他に作りたい物がある」からなのだった。
木製玩具の幾何回転体は三種類を製作しているが今回はより手数を省略するためにヘキサ・スフェリコンは塩ビ管で試作してみた。これの記事は別掲したが更にポリエチレン送水管の残り物で、この肉厚の管なら接着面の強度を高められそうだと試作をしてみたいのだ。でも今回の記事はオロイドとスフェリコンを今までの様な薄板仕立てではなく「むく」で試作してみたくなったのであった。まあ、ひとつは興味本位なのであるけれど「これくらいなら小生でも加工できそう・・・」と浮気の虫がムズムズし始めた結果なのであった。これくらいできなくては「木aワーカー」としての沽券にかかわる。
こうなると「待てない性格」の孤爺としては全て他の事はストップとなって、とにもかくにも掻くところが無く人知れず行う工作だから恥をかく事も無いのだが、せいぜい「頭を掻く」程度の顛末は覚悟の上なのだった。いつものように突発的「ビビビッ!」なので材料はありあわせの角材を必要な寸法に切断し四面に投影図を書き込んで鋸で大まかに不要部分を切り取りサンダーで粗削りし大まかな外形を整えてからオービタルサンダーで仕上げた。
最初はオロイドだけで済ますつもりだったのに一夜明ければスフェリコンも削り出す欲求が止まず沈静化するためには試行させねば終わらない。で、てなもんや三度笠の結果はオーライだった。さすがにタイプは異なるものの加工方法の勘所は同じ回転体で二作目の方がやはり早く済んだのである。一作目を作ってみて二作目の加工を容易にする方法を思いついたのだが「あるはずの竹ひご」が見当たらなくて目印の点を頼りに削ったのだった。この竹ひごの使用は二カ所ある円弧の両末端に竹ひごを埋め込んで置けば削る時の目印になって外形のラインの見当がつきやすくなるはずなのである。
加工の現実は全て出来上がりラインを想定しつつ削り出していくので目安があると安心でもあるし削り過ぎも防げるはずだ。今回、二種類を加工してみて意外に上手くいくのが判ったから次回は少し硬めのヒノキ材で作ってみたい。今回は洋材だったので加工は楽だったけれど軟らかく、加工中に度々落としてその度に冷や冷やしたのだ。デザイン的に持ちにくい外観なので左手での保持は注意を払ったけれど、それでも時折は落下させてしまう。怪我も無い様に気を使う加工だった。
下の写真、右側がオロイドで左側がスフェリコンだ。上側が従来製作してきたプレートタイプで下側が今回の試作品になるけれど写真では鮮明さが無く良く分からないものの上側のプレートタイプに肉付けした「むく」の物と考えればその通りなのである。プレートタイプは「こんなんでなんで転がるの⁉」と言う様な不思議な面白さ、むくタイプは「握っても気持ちが良い」一品になった。