トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

利息の支払い

2010-06-23 | 今日は真面目に

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 夏至ともなれば草の生長が著しい。圧倒されるばかりだが、その中でキリギリスの初鳴きだ。

 さてシーズン到来で、今日も利息を支払ってきた。この場所は今年三回目の支払いになる。イタドリ、葛、カナムグラ、ママコノシリヌグイ、カラスウリなどの繁茂が著しく、直ぐに幼樹が埋もれてしまうのだ。

 特にカナムグラ、ママコノシリヌグイが厄介で、細かい棘だらけの蔓や葉は衣服に絡まるし素肌に触れると容易に傷になる。大型でも大雑把なイタドリや葛のほうが処理し易い。

 それでもイタドリと葛が最大の敵である場所だが、この分だと9月まで毎月刈り払いをしなければならないだろう。イタドリもクズも根茎に養分を蓄える多年草だから一掃するのに数年間は要するに違いない。

 クヌギやコナラの幼樹が身長ほどに育つには5年以上はかかるだろうし、実を付けるには10年は必要だろうから、少なくともそれまでは利子の支払いを止める事は叶わないのだ。

 歳を数えると恐ろしい結果だ。他にもこんな場所があるし、植樹地や除伐地などは同じように利息の支払いが求められるのだ…。初秋までは「草刈りフルシーズン」になる。


排水口を手直し

2010-06-22 | 水辺環境の保全

Photo_2  先日、構築した溜め池の排水路を手直しする。筒型でなくオープンな溝の形式がオーバーフローを誘発しないで安心なのだが、この部分はトレイルにも使われる場所で、踏まれるストレスで構造が破壊される心配が大きいから、板で筒を作り排水口として土に埋めた。増水時に径100mmの塩ビ管では心もとないのだ。

 これで通りやすくなったし、何より、また一輪車で堤の補強作業をする時に通りやすくなった。

 棚田の塩ビパイプによる排水は、斜面の流路で次の田に流れるように変更した。雨の季節を迎えてオーバーフローによる「畦の流失」という心配が消えただけでもホッとする。一方で流路とした斜面の侵食に気配りが必要となった。丸太による段差工は施してあるが…。

 パイプと雨樋で下の棚田に水を落とすのは簡便だが、生物層への環境を考慮すれば「斜面流下」の方式が勝っているのは間違いないだろう。リスクは一長一短だ。

 雨上がりで思いがけない晴れ間を頂いたが蒸し暑かった。丸太を埋め込んだり土を掘り上げたりの作業は汗ビッショリになる。1リットル持参した麦茶も昼前には飲み干してしまった。すでに1.5リットルの携行が必要になっている時期だ。


喪服の富士

2010-06-21 | 今はうたかた

Photo『カッターで湖に散りたる女生徒に富士は夏衣の黒繻子羽織る』

『真白き富士の嶺緑の江ノ島と歌いし過去がこの湖で惨事』

『会系のノリで行う訓練は今日生くも無し命を屠る』

『削減で死定管理となりたるか本分消えて命も消えゆ』


政権虚仮

2010-06-21 | 温故痴新

 鯛は花見ぬ里も有けふの月        西鶴

   党はバラ見ぬ人も有り虚仮の月

   職も屋も無き人も多々会期末

 行水の捨てどころなきむしの声      鬼貫

   行政は棄てるもの多々無駄の声

   行政は聴く所なき無視を越え

 君子は人の美を成し人の悪を成さず   論語

   政子は人の悪を為し人の美を成さず


偶然だけど…

2010-06-20 | 感じるままの回り道

Photo  資料のチェックをしていたら小さな記事が目に止まった。それは5月29日、共同通信で配信された「黒いニホンアマガエルが越前松島水族館で展示」という一行だった。

 小生も先日、黒いアマガエルを撮影しているが水族館で展示するほどの価値があるとは思わなかった。撮影日を確認したら「5月28日」だった。

 記事とは一日違いだが、ほぼ同時期の太平洋側と日本海側の差だ。偶然と言えば偶然だが、こんなこともあるのだなあと思った次第。

 小生のみたアマガエルはニホンアマガエルかどうかは不明だ。

      黒い雨降らずにカエル黒き肌

      永田へと群れるカエルの腹黒き


世代更新

2010-06-20 | 感じるままの回り道

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 昨年に侵入竹を除伐した斜面は、まだむき出しの地表面に近いが、様々な芽生えが見出されるから徘徊していても楽しい。

 近くの栗の木から落ちた実は既に一尺程度の幹を伸ばしていた。カラスザンショウ、タラノキ、クサギ、ヌルデなどの先駆的樹種はいたる所に芽生えが見られる。

 スミレ、百合などの植物も目に付いた。土壌の状態が良好でないのは容易に理解できるが生命体とは脆弱だけれど逞しい一面ものぞかせる。

 その中に、ひと際白い物が目に付いたのだが、良く見たら小鳥の卵殻だった。短径が10mm足らずで半分しかなかったが、親鳥が棄てたものだろう。頭上の木に巣などあろうはずも無いし、親鳥は巣の下に落とすような危険な事はしない。

 ともかく小生の感知できないところでも世代の更新が進んでいる。歯車が回り始めた実感が湧き嬉しくもあるが、自分の身に置き換えれば「寂しくもあり」というところか。

 


溜池新設

2010-06-19 | 水辺環境の保全

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 18日の午前中は「梅雨の晴れ間」と言う予報を信じて、堤の見切り部分に侵食防止のため「丸太を埋め込むだけでも…」と出かけた。

 現実は、一人来て二人来てと総勢4人での作業となった。これで19日の月例会を待たずしてほぼ完成してしまった。一人作業の時は、途方も無い作業量に感じたのだが、人海戦術の有効性を実感する。

 一人で土を掘り一輪車で運び突き固める、なんて重労働から解放されたのだ。協同の力は大きい。これで有効水面積は大きくなくとも「絞り水」であるが渇水期にも湿潤な泥地を確保できる。

 水路になる部分の枝葉を片付けていたらヤゴが何匹も出てきた。湿潤ではあるが水溜りなどない部分である。あらためて生命力の逞しさを感じる。沢蟹も何匹か姿を現した。

 すでに少しばかり溜まった水面にオニヤンマ、オオシオカラトンボのオスが飛来している。明日19日は定例会で「溜池新設」の予定だったが完成してしまった。今夜から激しい雷雨の予報も出て19日も雨の予報だったから、相談して活動中止を流すことにした。

 たとえ未明に曇りとなっても「溜池新設」は片付き、草刈りに変更しても濡れた草場の作業は好ましくない、との判断だ。夜はオランダ戦もあることだし・・・。

 


オオシオカラトンボ

2010-06-18 | 小父のお隣さん

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 水見回りで棚田の畦に降り立ったらオオシオカラトンボのメスが足元から飛び立ってズボンに止まった。羽が濡れたように輝いているから今朝羽化した個体である。撮影だけして飛び立たせた。

 棚田周辺にはオオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、クロスジギンヤンマが主だけど群れている。その中に交尾飛行しているペアがいて、葦に止まったところを撮影しようと待っていたら離れてしまった。

 雌はそのまま草に止まり休んでいるように見える。雄は雌の近くを飛び続けていて離れない。「もしや?」と思って待っていたら産卵が始まった。雌は飛行しながら尾端を水面に打ち付けていく。

 雄は上空で付かず離れず、他のトンボが近づくと追い払っている。いつもの光景と言えばそうなのだが、今回はなんとか判明できる撮影結果だったことが目新しいのだ。

 ケータイのカメラだから羽の動きは止められないけど、胴体もブレてしまう事がいつものことなので、今回の様に二匹を捉えたカットは腕が上がった気分である。田植えの後で濁った水が背景になったのも幸いしたのだろう。


誰か国技を思わざる

2010-06-18 | 合混で闘作すれば

  相撲の仁苦を 賭博に変えて

  土俵間際の 死股名張る ハア コリャコリャ                弥生姐さん

 甘い軍配 周知の事は

  明日はわが身の 成れの果て ハア コリャコリャ             裏事

 ネクタイを締めた紳士だ触れまいぞ脛の古傷ズボンの倅         厄員

 もののふは恥ずかしながらと降り立った今の物悩夫降りずに立てる  斧打

 武士は潔しとが習いなり今の物悩夫懲りずに立てる           媒胡坐

 名古屋場所寺銭払いそろい踏み                (理事長改め)悠長 

  君知るや呆人となり棲妄界                         与謝内蚊                          


水見回り

2010-06-17 | 水辺環境の保全

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 15日夜は久しぶりの本格的降雨になった。掘り始めた溜池と田植えの済んだ棚田の水位の確認だけの心算で出かけたのだが…。最高気温34℃だった。ヒェエ~。

 溜池はもともとは車が入れた道の行き止まりで、傾斜面の下手に築いた堤は底辺4尺、高さ3尺位の大きさが必要だとわかった。ある程度の容積を持たせるには堤を高くするしかない。でも硬い粘土質を掘りあげるのは厳しい作業だ。上部に行くほど掘り下げねばならないし…。

 棚田は満水位で、塩ビ管で排水しているのだが最大排水量が管径で規制されてしまい、オーバーフロー気味だった。本格的梅雨の時期を迎えて、ここを改善しないと畦が破壊されてしまうから、管でなくオープンのU字形の排水路に変更しないと駄目だ。

 今日は何も用意が無かったので次回に持ち越し。先日、別ルートで頂いた早苗はしっかりした苗なので思い切って田植えしてきた。前回に田植えした苗は田植え機に搭載するばかりの苗で手植えには丈が短い。そのためほとんどが水没していた。

 結局、小屋に戻って鍬とスコップを携え、再度棚田で水没死しないように水位調節する羽目になった。

 


蝿が手を擦る

2010-06-17 | 今日は真面目に

 『苦笑い芽吹く苗木に痛む腕』

 『タンポポの原あな穿ち苗植える』

 『苗植えて愛でた手でする腰さする』

 『大杉を抱いたつもりが蝿に似る』


重い泥ボロボロ(汗)

2010-06-16 | 水辺環境の保全

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 容量最大の溜池は集水系が地盤崩落で集水不能となり、竹が侵入し堤もネズミやモグラ、はてまた地下茎等のため漏水し貯水困難の状況にあった。

 そこで、侵入した竹を除伐し山芋掘りで崩された堤を土嚢を積んで復元に努めたが、漏水を止めるまでにはいかなかった。考えた末に、堤の下部の年中湿潤の部分に溜池を構築することにした。このフイールドは水生生物の水辺環境が劣っているので、その補完作業の一環である。

 午前中は「降雨がない」予報を信じて作業に入ったのだが、日陰だけれど谷の奥まったところだから風が通らなくて暑かった。土を掘り始めて直ぐに眼鏡は汗で見えなくなり、結局は眼鏡を外しての作業となった。午前中で2坪ほどの粘土質の土を堀上げ堤に盛り上げた。

 足で踏んだくらいでは密着しないから「よいとまけ」ではないが丸太のぶつ切りを打ちつけて固めた。汗で顔面ボロボロ、腕は筋肉痛だ。

 「よいとまけ」と言えば三輪明宏氏が歌っている歌があったが、先日には「もののけ姫」の主題歌を歌った歌手がカバーしたのを聞くことができた。今日の地固めは、とても歌声など出せるものでなかった。

 帰りに沢の水で顔を洗い身体を拭いて、ようやく人心地ついたのだった。でも、これで基本形ができたから6月の定例会には完成できる。雨が降らなければだけど…。


棚田に生を受く

2010-06-16 | 小父のお隣さん

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 畦にモリアオガエルの卵塊が落ちていた。ソフトボール位で、勿論なかには卵もオタマジャクシもいない空の卵塊?だ。

 大抵は孵化した時にオタマジャクシと共に滴の様に落下してしまうのだろうが、今年は雨が少ないから樹上で乾燥してしまったようだ。

 もちろん、手に取るのは初めてだ。質感は綿飴より硬い、お麩の質感に近かった。良く見るとピーマンの種の様なのが混在している、卵膜なのかどうか…。田んぼの中にはオタマジャクシが泳いでいる。

 畦の草むらにはヤンマが一匹いた。羽が瑞々しく光っているから今朝羽化した個体だと直ぐに判った。大きなヤゴは代掻きの時に見ている。

 ギンヤンマ(クロスジギンヤンマ)は毎日飛翔しているが、ヤンマが羽化したのは初めて確認した。オニヤンマと書きたいところだが、むずむずしながらヤンマで押さえる。さほどに同定は難しい。

 子供の頃から大型のトンボは「オニヤンマ」と「ギンヤンマ」とにしか区別してこなかった身だ。

 


ドクダミの花

2010-06-15 | 感じるままの回り道

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 ドクダミの花が目立つようになった。薄暗い環境の中に白い花を群落を作って咲かせているのは地味だけれど見事だ。中学生の頃は夏休みの課題でドクダミやゲンノショウコを採集し乾燥させて学校に持ち寄ったものだ。教材費にでも当てていたのだろうか。

 お隣の国では「ドクダミのサラダ」が一般的らしい。旅行記のテレビで見た記憶があるが、こんなに臭いのをサラダで食べるなど「エーッ!」と言う思いだ。かの国のドクダミは種類が違うのだろうか。

 この時期、日向にはオカトラノオの白い花穂が目立つ。不思議に思うのは季節の折々に花の色はある一定の傾向を示すように感じることだ。単なる偏見かもしれないが、個人的には否定できない。


価千金

2010-06-15 | 小父のお隣さん

 『ゆらゆらとゲンジは昇る音も無き暗闇の沢一人立ちたる』

 『芒として茂みに霞む山里にわずかに灯るゲンジボタルは』

 『まさしくも蛍光なりし手のひらの生命線をゲンジは浮かす』

 『高齢の施設の住人固まりて吐息だしつつ蛍を見やる』