教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

時代・・・か

2012-11-28 | 日記

実は個人的になんだけど、いわゆる「カラオケ」ってやつはあまり好きではない。

好きではない・・・と言うより、認めたくない・・・かな?

なんというか、「演奏が出来て、始めてその曲を歌うことが出来る」「バンドを組んで、始めて

歌うことができる」「歌手としてデビューして歌うことが出来る」・・・・って言う感じに、歌と言うもの

は特別な何かがないと歌うことは出来ないと思っていたからさ。マイクを通して人前で歌うって

ことは特別なことって思っていたから、いわゆるカラオケボックスで誰でも簡単に歌えるって

ことになんか違和感を感じてたんだなあ。特に洋楽ね。洋楽は自分の頃はそれこそ

全然違う世界のもので、どう演奏していいのかもわからなかったし、白人コンプレックス

丸出しの日本人が多かった時代だからさ(笑)。そんな雲の上のようなバンドの歌を

カラオケで歌えるって、恐れ多くて(笑)。ま、初めの頃はロックの曲なんかはなかったけどね。

スナックの演歌の8ミリカセットから始まって、レーザー、通信・・・と進化してきたみたいだけど。

 

なんでもかんでも簡単に出来る・・・って時代になってるよね。

昔は・・昔は・・ってあまり言いたくないんだけど(笑)、子供の頃は楽器屋でもショーウインドウに

エレキギターが飾ってあって、簡単には手を触れることも出来なくて、そのうち、試奏が

出来るようになってすごくびっくりして、今では安価で買えるし、ネットで色んな人の演奏も

見れるし、教則本、DVDなどもたくさんあるし、楽器店の人もみんな親切だし(昔は怖かった)、

はたまたゲームでも出来るみたいだし・・・。

カラオケしか歌ってない人でも、バンドのボーカルとしてステージに立てちゃったりするしね。

ほんの趣味程度でも気軽に出来る。

いい時代なんだかよくわからなくなるときもあるんだな。

 

何かを始める時って、それなりの覚悟が必要だったよね。

俺は中学、高校の時に運動部に入っていたんだけど、音楽をやりたくて辞めた。

簡単には辞めれなくて結構もめたけど、どうしても時間をそっちに割きたかった。

髪を伸ばしたかったし、楽器の練習もたっぷりしたかったし。長髪でそれっぽい恰好で、

ステージ立ちたかったし(笑)。インターネットなんてないので、情報を収集するのに、

膨大な時間をかけなきゃいけないから、他のことも本気でやることは難しいんだよね。

仲間自体探して話すのでさえ、相当難しい・・・。部活やって疲れて帰ってきて、ギター

かかえて、そのままベットで寝ちゃうってこともよくあったね(笑)。

まあ、TVゲームもネットもないから、自分のやりたいことは自分で探して、追求しないと

なかなか「これだ!」ってものに出会えなかったのかも知れないけどね。

 

なんと言うか、「ギターを弾く」って決めたら、絶対に途中で投げ出さない、って覚悟じゃないと

始めちゃいけないような気がしてた・・・。時代かな。今は全然そんなんじゃないでしょ?

やりたければやって、辞めたくなったらやめればいいじゃん・・・って感じだよね。

色んなことに対して。そして色んなことがプチ体験できる環境が整ってるから、

なんでも首を突っ込んで、それほど追求しない薄っぺらい人間が出来上がって行く・・・

ような気がする。あくまで気がするだけよ。なんでも経験することはいいことだと思うけどね。

 

「やる」って言った人に一所懸命色々教えても「ま、こんなもんでいいや」って言われると

一抹のさみしさを感じる・・・けど、これも仕事のうちなのだ。「もう満足したんで、バンドは

終わりです」って言われても、裏切られた気分になっていてはいけないのだ。

日常茶飯事だしね。そういう時代なんだろうなあ・・・とは思う。

かく言う俺だって「やるぞ」と覚悟を決めても結局続けられなかった事柄も多いしね。

でもそのたびに毎回、真剣に考えていたような気はする。

 

想像力の欠如・・・に近い人たちが増えているような気もする。

ホラ、巷で「無料体験レッスン」とかあるでしょ?英会話とか、ギターなんかの楽器演奏もね。

でもさ、やりたくてしょうがないなら「お試し体験」とか無意味でしょ。初めから入学するでしょ?

それって想像力がどのくらいあるかじゃないかと思うんだな。

つまり、やりたい事柄に対して「スクールに行ったらきっとこんなことをやるんじゃないか」って

一所懸命想像して、自分なりに考えて、考え抜いて入学するのが筋じゃないかなと思うのよ。

そこを甘やかして「何も考えなくていいからとりあえず体験してみない?いやならやめれば

いいし」って事柄が増えちゃうと、それが当たり前になっちゃって、自分から研究しない人、

やってみてイヤならすぐやめる、その際に骨を折ってくれた人には感謝もしない・・・って人が

増えちゃうんじゃないかとちょっと心配だったりもする。俺がそんな心配しても仕方ないけど(笑)

 

至れり尽くせり・・・・ってのもどうかとも正直思うよ。

楽器演奏する人で、シールドは持ってこない、ストラップも忘れる、チューナーも借りる、

譜面台も当たり前、客席側で録画用の電源を要求する、椅子のないところで椅子を要求する・・・

とかに対応してると、多少の疑問が残るときもある(苦笑)いや、対応するのはいいんだ。

「ホラ、ありますよ」って言うといい店だって思ってくれるかもしれないし(笑)。

いつも思うのは「こういう対応をしてくれない店に行ったらどうするんだろう」って心配に

なるのね。自分が困った状況にならないために自衛して、色んな店に行っていた俺と

しては、驚くほど無防備で来る人もいるんでね。俺なんか上記のほかにボールペンやサインペン、

メモ帳、ガムテープ、電池、ドライバー、弦、爪切りなどなど常備して行ったもんだけどねえ。

ペン一個でも店に借りるのはイヤだったからさ。今は平気で「〇〇ありませんか?」って聞いてくる

人も多いけど、もしなかったらどうするんだろ?(たまたま忘れた場合はこの限りではないけど)

セッション会などの軽い集まりならそれなりでもいいんだろうけど、正規のライブのときなんかは

怖いよね。そういうときの時間厳守で若干ピリピリしてるスタッフに対して「ガムテープ貸して

ください」とか怖くて言えんよ、俺は(笑)。どんだけ迷惑なんだろうって思っちゃう。

これも想像力なんだろうか。「ここに物販置きたいんですけど、何か台みたいのありませんかね?」

すげえ度胸だ(笑)。俺は言えない。だってスタッフが自分の仕事の手を止めて、何か

探しに行かなきゃいけないんだよ。自分のためにそんなご足労をさせるなんて気が咎める。

だから無料体験だなんだって甘やかしてると、自己主張しか出来ない、他人の気持ちを

考えることのできない、すぐ裁判起こす欧米人みたいになっちゃうんじゃなかろうか?(笑)なんて

日本人のいいところがなくなっちゃう気がして心配なんだ。

 

謙虚で、人のことを考えることの出来る、そんな大人に私はなりたい。   みつお(誰?)(笑)

TOSHIおでした!