教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

日々勉強~良い音のコツ 2~

2014-07-23 | 音楽的アドバイス

さて、今度は「音」そのものね。

 

よく言っているのはギターは歪ませ過ぎない方が良いってことね。

「音量」と関係があるかと思うんだけどさ。確かに最近の若い子が聞いている

プロのバンドのCDなんかを聞くと尋常じゃないくらい歪んだ音が入っていたり

するよね。で、それをマネるのも決して悪くはないんだけど、「音量の関係」で

「バンド側が意図したように聞こえる」ってのはあるかと思うんだよね。

自宅やヘッドフォンでそこまで爆音では聞かないでしょう?

ライブハウスくらいだとどうしても音程感のないただのノイズに聞こえてしまう

ときが多々あるんだよなあ。まあ、どうしても難しい問題なんだけどね。

音質ってのは好みになるからさ。

ただ自分の音がお客さんから聞いて、耳が痛くて、音程もあいまいに聞こえている

可能性があるとしたら、ちょっとイヤだと思うので、それも研究した方がいいって

ことね。

あと、歪みはないサイドギターなんかでもチャカチャカと高域が強すぎとか、

逆にこもって音が抜けなくて、低域が出過ぎって場合もある。

楽器と言うのは周りが出している音に影響されるものだけど、いい音ってのは、

音量を上げなくてもしっかり聞こえてくるもんなんだよね。これ、自分もイヤと

言うほど経験してるけど(笑)。

「こんなに音を上げているのに何弾いているかわからない」って凄く悲しいよね(苦笑

なので「音が大きいな」って感じているのにあまり自分が弾いたフレーズが聞き

取れない場合は、音質そのものを疑った方がいいかもね。

 

「ベース」

これも低域を上げ過ぎないようにって良く言っているけど、逆に低域がなさ過ぎても

バスドラの上に行ってしまってイマイチだね。最近はアクティブベースや足元に

プリアンプを置く場合も多いので低域はきちんと出ている場合も多いけど、やはり

パッシブのベースをそのまま使っている人も多い。そしてほとんどが問題はない

んだけど、たまに具合が悪い場合もある。例えばパッシブのプレシジョンベース。

個体差にもよるけど、元からたらふく低域が出る楽器ではないのでたまに低域が

薄い個体もあってちょっとどうかなって思うこともあるね。

あとはあまりいないだろうけど、ジャズベースのリアピックアップのみを使う場合。

これも抜けはいいけどちょっと低域は薄いかもね。サンダーバードのリアのみを

使う人もいてこれも少し薄くなるね。リッケンバッカーのリアはそれほど薄くならない。

また、それを補うためにアンプでローを足してそれも外音に影響するように

調整すればいいね。

逆に多いのはやはり音が太くなりすぎている人。アクティブベースで、足元に

プリアンプ、イコライザーで60Hzから250Hzまでをブースト、歪みエフェクターも

同時に入れたりしているとちょっと図太くなりすぎてGだかF#だかわからないほど

ぶっとくなっているときもある。まあ、これまた好みだけどね。

また、スラップに適したように500hzを下げて、2.5khzとか4khzをガッツリ上げて

ビキビキにしている場合も、やり過ぎないようにするのがコツだね。

あとね、意外にみんな気づいていないと言うか無頓着なのが、各弦のバランス。

多いのは4弦のみが他の弦より音量が大きいってやつ。

E弦を弾いたときだけがやたら大きくて、A弦やD弦にフレーズが移るととたんに

ベースが小さく聞こえる。で、卓のフェーダーで調整するんだけど、E弦に戻った

途端また大きくなると言う・・・ね。

ま、でもベースと言う楽器は大抵E弦が一番大きく鳴るように出来ているし、

低域なのでエネルギーが大きいのも事実。だけど度が過ぎているのはちと困るね。

バランスはピックアップの高さを変える、また弦自体の高さを変えればある程度は

バランスを取れるはず。ポールピースを動かせれば一番バランスは取れるけど、

あんまり調整できるPUはないね。ディマジオくらいかな。

怖いからあまりいじらないって人も多いけど、弦を交換するときなんかに、サドルの

ネジなんかは結構回っちゃって勝手に弦高は変わったりしてるから、自分の弦高、

弾き心地なんかは把握しておいた方がいいよ。

ピックアップの高さは、弦に近ければ迫力もある図太い音になる。アタックも出やすい

けど、歪みやクリッピングもしやすくなる。磁力による弦振動への影響も言う人も

いるけど個人的にはあまり関係ないように思うけどどうかな。ま、影響が出るほど

近づけるとその前に先に弦がPUに当たっちゃうんじゃない?

逆に遠ざければ、クリアで各弦の音量差が少なくなる。平坦でアタックは弱くなるね。

近づけた場合に比べると少しぼやけたように聞こえるかも知れない。

 

「ドラム」

1で書いたけど、やはり各パーツをしっかりと振動させて、しっかりと鳴らしてほしい。

上っ面だけを叩いていたのではいい音で鳴らないんだよね。

で、本当に面白いことに、同じドラムキットを使っているのに、叩く人によって音が

全然違うんだよね。やたら音域が上に集中して聞こえる人もいれば、凄くどっしりと

重たい音に聞こえる人もいる。見ていると別にチューニングを変えた様子もないのに

音が違う。EQもゲイン調整もなく、スティックと人体のみなのに。

あとスネアに関しては自前の物を持って来る場合も多いけど、個人的には、

スナッピーはあまり強調せず、ピッチは高すぎない方が好きだな。好みだけど。

 

「ピアノ、キーボード」

バンド内で使う場合は、やはり濁る周波数をなるべく避けるってことかな。

ストリングスを使う場合は中域を重視するより高域に寄った方が効果的と思うし、

思い切って左手はないくらいでもいいかも知れない。まあ、ライブに限って言えば

の話かもしれないけど。

ピアノの音はそのままでも結構抜けてくるからあまり気を付けなくても大丈夫。

やはり低域は聞こえづらくベースとぶつかり濁ることもあるので、気を付けて。

 


日々勉強~良い音のコツ 1~

2014-07-23 | 音楽的アドバイス

お客さんにベストな音で聞いてもらうために、どう心がけるべきか。

まずは「バランス」ですな。

ここがうまいバンドは本当にバンド自体がうまく、かっこよく聞こえるよね。

大体、人はアンバランスなものは不快に感じるでしょ?

ギターが大きすぎるとか、歌が聞こえづらいとか、ドラムのハイハットだけ

大きいのにバスドラが迫力ない・・・とか・・・。

なんか聞いていてイライラするよね。

これを防ぐには、意識することが大事。ま、当たり前か。「バランス大丈夫かな」と

考えるだけで随分違う。やっぱり「音、大きすぎます?大丈夫ですか?」って気にしている

人のバンドはいい音で鳴っている場合が多いよね。

 

それでは、まずは単純に「音量」の話で、大体、T☆ROCKSクラスのライブハウスで、

どのくらいの音量を出すことを考えればいいかと言うと、「アンプの音も外音に反映

されて、尚且つ、PAスピーカーから当然足してもらっていい音でお客さんに届く音」。

なので、アンプの音は大きすぎるのもPA側で制御できないので、もちろんNGなんだ

けど、逆に小さすぎるのも綺麗過ぎると言うか、少し迫力がなくなるので、ある程度は

あった方がいい。が、それはロックバンドの場合で、ポップス系で完全に歌を聞かせ

たい場合は小さくして、PAで完全にコントロールして出してもOK。その方がスッキリ

するね。

 

なぜ、アンプの音も必要かと言うと、アンプからの出音がやはり、プレーヤーが一番

出したい音であろうと言うことと、なんというか、PAスピーカーからと、ステージ奥の

アンプから出た音を同時に出すと、迫力があり、立体的な音に聞こえ、密度が

濃くなる感じがするから。PAスピーカーのみだと少し平坦なんだよね。

ロック系はやはりアンプからの直接の出音って少し暴力的でかっこいいんだよね。

なので、ロック系は少しだけアンプの音は欲しい。

で、うまい具合にアンプの音を作って、音量も適度だと、PAスピーカーでPANする

ときもあるよ。例えば、上手側にギターが一人の場合、当然、上手側からギター

の音が聞こえて来るでしょ?で、パラったギターの音を下手側のPAスピーカー

から補助的に出すの。そうすると、左右からギターの音が聞こえて、尚且つ

ギターアンプの直接の音も聞こえて、なんかゴージャスなかっこいい音になる

・・・と思う(笑)。

 

以前に一回だけ、ギターPODなどのアンプシュミレーターを使って一切アンプを

使わず、モニターはモニタースピーカーからのみ、で演奏をしたバンドがいた

んだけど、結果としては、ちょっと音が薄く平坦になったかな。ま、少しデジタルな

感じもしたな。アンプを一切使わないと、音の太さがあまり出せないのかな。

 

ベースの場合も少しアンプの音も欲しいところ。芯があってPAスピーカーよりは

ローミッドが膨らんでいる場合が多いから。まあ、当然PAのみでもアンプよりは

周波数特性も広いので、低域も良く出るし大丈夫なんだけどね。

やっぱりアンプ自体の音って綺麗すぎないので、少し足したいところね。

 

ドラムに関しては、アンプはないので、自分で調整してもらうしかない。

これはやはりバランスだろうね。やはりスネア、バスドラを中心にしっかり

鳴らしてもらって、次にタムも中心をしっかり叩いて鳴らして欲しいね。

軽く叩くだけだと、ペンって上の方だけのかっこ悪い音になるからね。

で、ハイハットなんかがスネアより大きくて聞き苦しいドラマーもいるね。

キックとスネアが弱く、金物の方が大きい・・・と迫力がないのに耳につく

うるさい音に聞こえる。で、金物はなかなか制御できないんだ。高周波は

消せないんだよねえ。キックとスネアも音量を上げるのは簡単だけど、

弱いから音に迫力がないからね。

で、そういう人は例えばキックが一定で弱ければいいんだけど、大きくなったり

小さくなったり、コントロール出来ていない人はこっちでもうかつに音量を

上げられなかったりしてちと困るね。

あと、結局叩き方の問題になるかと思うけど、いわゆる縦の線、揃っていないと

いけないところが合っていなくて、一つの音に聞こえなくてはいけないところが

ガシャガシャって鳴っている人もどうもいい音には聞こえないよなあ・・・。

 

声、歌やコーラスに関しては、まあ、アンプはないので、マイクの使い方、

マイクにどう声を乗せるか、どういう声を出すか・・・などで工夫をしてもらう

しかないんだけど、やはり、基本的な考え方としては「どの楽器よりも自分の

声をマイクに乗せる」のを考えて歌って欲しい。

マイクやPA屋さんも魔法使いではないので、自分の声のみをマイクに入れて

他の音をシャットアウトすることは出来ない。

何が言いたいかと言うと、T☆ROCKSくらいのステージだと、真後ろにある

スネアの音やギターの音もしっかりと拾っている。

声の小さい人が「自分の声のみを大きく返して欲しい」と願うのはわかるけど、

いくら指向性の強いマイクでも声以外の音を拾わないわけにはいかないから、

どうしても限界があるってことね。

そこを考えてマイクの使い方を考えてみるのがいいね。

マイクと言うのは、近づけば近づくほど迫力があり、低域が強い音になる傾向に

ある。アタックも強く出る。少し歪み気味になるかも知れない。離れればクリーンで

やや平坦な声になる傾向にあるね。まあ、5センチくらい空けて、あとは声の

大小に合わせて調整するのが理想だろうね。

しかしだ、普通のクラスのライブハウスでロックバンドの場合は、もっと優先

することがあるよね。「聞こえるか聞こえないか」だよね。ボーカルがしっかり

聞こえるくらいバンドのバランスが取れていて、声量も確保出来ている人がその次に

考えることがよりよく聞かせることであって、まずは自分の声をしっかりお客さんに

届けることが出来ているか、バンドメンバー全体で考えることが大事。

か細い女性ボーカルなのに、爆音ギター、ドラムはボンゾ、ベースもビリーシーハン

の中で、ボーカルの処理はPAさん任せ・・・ってのはちょっとかわいそうだな。

僕たちダサいバンドですって言ってるようなもんだね。

 

次回は「音」について書いてみるね。こうご期待!?