先週、祖父が危篤ときいて、慌てて帰省した。
自宅近くの駅で、階段を降りていくと、父が、誰かを探しているように階段の上のほうへ視線を漂わせている。また父のボケかなと思い、肩をたたくと
父「ぅおっ!どこのオバサンかと思った。haruを探してたから」
・・・・いや、私だから。久しぶりだね、お祖父ちゃんのよう・・
父「髪型のせいじゃ、おまけにぶっくぶっくに肥えてから」
母「ほんまじゃぁ、あんたぁ、変な髪にして、老けて見えるよ」
・・・・・うん、で、お祖父ちゃんどんなん?
母「あんた短いほうが似合うんだから切りなさい」
会話になってねぇ!!
自宅に着くと、何故か10年前くらいの写真が数枚テレビボードの上に出されている。
「haruもこのごろはきれいだったねぇ」「ほら、短髪の方が若く見えるし」
・・・・何のつもり?
食事の最中も、
母「ほんまおっかしげなわー、何故切らないの?」
私「お金がなくて・・」
母「あげるから明日切ってきなさい」
私「うん、でもほら今日5時間半かけて帰ってきて明日夜行バスだから、時間と体力が・・・」
母「カットだけでいいじゃない!」
この一連の会話×3回。出会って、まだ一時間。
さすがにうんざりしたため、「わかった!はいもーうわかったから!!」←キレた
母「大体、服装も・・・まぁ、言わないでおくけど」
それ言ったと同じだよね!?このスカート、先月姉から貰ったものですが
何か!!??お姉ちゃんがこれ着てたときあんたたち何か言ってた?
翌朝、起きたら母が美容院を予約してくれていた。
一時間ほどで、祖父の見舞いをすませ、美容院へ。
私「すみません、カラーリングもパーマも無しで落ち着く短い髪形にしてください」
美容師さんを困らせる。
美「えっ、え~っとですねー、そう・・・ですねー」
美容師さんを相手に、さんざんぶちまける。
美「じゃ・・じゃぁもうショートにしちゃっていいですかね、
でもスタイリングはしてくださいね、でないと中学生・・・に(苦)」
帰ってきた私をみて若くなった、そっちが似合うと両親は大喜び。
その後、私の血圧が高いと知るや
母「あんたそりゃ、薬のまなきゃいけない値だよ!」
父「とつぜんぶっ倒れるぞ!」
はいはい、すばらしい診断を下す名医ですねご両親さま。
帰りぎわ、おもむろに母が
「あんたねぇ、肥満体質で未出産で高血圧、もう乳がんになりやすい体質
ど真ん中じゃないの。毎日自分で検診するんだよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
髪に満足したらつぎは乳がんときたか・・・・・
翌朝、夜行バスで帰ると、出迎えてくれたワサビは
「ニャ~・・・ニャッ?」と背中の毛を逆立てた。
夫はしばらく無言であったが、「意外と、似合うかもしれないね」と数日後につぶやいた。