恵子がこのところ極端に痩せてしまったので病院で主治医に相談したところ、栄養補助食品と食欲増進薬として一つの薬を新たに処方された。
薬を飲み始めたのは一昨日からだったが、昨日から何となく彼女の調子がおかしい。
歩き方がおかしいのだ。
もちろん右足はまだ麻痺しているので健常者のように歩けるわけではないのだが、それにしても「なにかがおかしい」。
少しずつ歩き方は上手になっていっているはずだったのに、昨日、今日の歩き方は明らかに以前より下手になっているのだ。
しかも、朝からぼうっとしている。
何か以前の体調に戻ってしまったような、そんな感じすらする。
昼食時に恵子にそのことを伝えると、
「そうなの。何か変、何かぼ~っとしてやる気がでないし、前より悪くなってる感じがする」。
決定的だったのは夕方だった。
彼女が必死に訴える。「やっぱ変だ。麻痺してないはずの左足が動かない!」
え?何?それって絶対まずいよ。
私はあわてて病院に電話を入れた。
幸い、主治医はまだいた。
症状を説明すると、先日新たに処方された食欲増進薬はパーキンソン病のような症状を副作用として起こすことがたまにあるという。
え~、そんなの聞いてないですよ!
なので、その薬をすぐさま止めるように指示される。
こちらもあわててその薬を調べると、確かに「食欲増進」以外の効能に「抗うつ薬、抗統合失調症」という項目がある。
しかし、それは同じ薬を大量に投与する場合という但し書きがあるので、恵子が服用するような量では確かに「食欲増進」という効能が最優先される、はずだった。
しかし、実際にそうなっていない。
この辺が薬の難しさだなと思う。
少量投与する場合と大量に投与する場合で効き目がまったく違って来る薬があるからだ。
しかし、パーキンソン病のような症状ということはドーパミンが不足しているということのはず。
効能には抗ドーパミンともある。
ひょっとしてこちらの方が効いてしまったのか。
彼女の30キロをきった体重を何とかしようと高カロリー、高プロテインの食品を探して処方されたものも一緒に飲んでいるが、何しろ不味い(清涼飲料水のような缶入りなので私も味見をした)。
こういうものは「薬と思って摂取しなければならない」のだろう。
食べれば太るというのは健常者の場合であって、彼女の場合にはその食べる量そのものが非常に少ない。
ただでさえ右手が不自由なので、介助箸を使って食べてもそのスピードはとても遅い。
人の血糖値は食べ始めて10分もすれば上がってくるのが普通。なので、早食いは満腹感を感じる間もなく次から次に食べ物を摂取するので(結果)太るのだが、彼女の場合、本当に少しずつ食べているために「まだほんの少ししか食べていないうちに満腹感が襲ってきて」食べられなくなるのだ。
解決する方法は幾つかしかない。
補助食品で補う。流動食にする。
どちらの選択肢も「食べ物をおいしく食べる」ことはできそうにない。
手指の回復を早めてもう少し早く食べられるようにしなければ太ることはできない。
しかし、太らなければ体力がつかず回復のスピードも早くはならない。
彼女の課題は、このジレンマから早く抜けだすことだ。
人が太るというのも、実はけっこう大変なことなのだ。
薬を飲み始めたのは一昨日からだったが、昨日から何となく彼女の調子がおかしい。
歩き方がおかしいのだ。
もちろん右足はまだ麻痺しているので健常者のように歩けるわけではないのだが、それにしても「なにかがおかしい」。
少しずつ歩き方は上手になっていっているはずだったのに、昨日、今日の歩き方は明らかに以前より下手になっているのだ。
しかも、朝からぼうっとしている。
何か以前の体調に戻ってしまったような、そんな感じすらする。
昼食時に恵子にそのことを伝えると、
「そうなの。何か変、何かぼ~っとしてやる気がでないし、前より悪くなってる感じがする」。
決定的だったのは夕方だった。
彼女が必死に訴える。「やっぱ変だ。麻痺してないはずの左足が動かない!」
え?何?それって絶対まずいよ。
私はあわてて病院に電話を入れた。
幸い、主治医はまだいた。
症状を説明すると、先日新たに処方された食欲増進薬はパーキンソン病のような症状を副作用として起こすことがたまにあるという。
え~、そんなの聞いてないですよ!
なので、その薬をすぐさま止めるように指示される。
こちらもあわててその薬を調べると、確かに「食欲増進」以外の効能に「抗うつ薬、抗統合失調症」という項目がある。
しかし、それは同じ薬を大量に投与する場合という但し書きがあるので、恵子が服用するような量では確かに「食欲増進」という効能が最優先される、はずだった。
しかし、実際にそうなっていない。
この辺が薬の難しさだなと思う。
少量投与する場合と大量に投与する場合で効き目がまったく違って来る薬があるからだ。
しかし、パーキンソン病のような症状ということはドーパミンが不足しているということのはず。
効能には抗ドーパミンともある。
ひょっとしてこちらの方が効いてしまったのか。
彼女の30キロをきった体重を何とかしようと高カロリー、高プロテインの食品を探して処方されたものも一緒に飲んでいるが、何しろ不味い(清涼飲料水のような缶入りなので私も味見をした)。
こういうものは「薬と思って摂取しなければならない」のだろう。
食べれば太るというのは健常者の場合であって、彼女の場合にはその食べる量そのものが非常に少ない。
ただでさえ右手が不自由なので、介助箸を使って食べてもそのスピードはとても遅い。
人の血糖値は食べ始めて10分もすれば上がってくるのが普通。なので、早食いは満腹感を感じる間もなく次から次に食べ物を摂取するので(結果)太るのだが、彼女の場合、本当に少しずつ食べているために「まだほんの少ししか食べていないうちに満腹感が襲ってきて」食べられなくなるのだ。
解決する方法は幾つかしかない。
補助食品で補う。流動食にする。
どちらの選択肢も「食べ物をおいしく食べる」ことはできそうにない。
手指の回復を早めてもう少し早く食べられるようにしなければ太ることはできない。
しかし、太らなければ体力がつかず回復のスピードも早くはならない。
彼女の課題は、このジレンマから早く抜けだすことだ。
人が太るというのも、実はけっこう大変なことなのだ。
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