先日28日は、7年ぶりの「キッチンライブ」の本番の日だった。
とりあえず本番は盛況のうちに無事終えることができた(ただ、前日からの大雨で付近の数カ所が通行止めになり、伊豆高原の自宅から赤坂まで行けるかどうか本気で心配した)。
ここ最近、自分自身の料理に対する思いが変わってきていることに気づく。
音楽を生業としながらも心のどこかで「料理をもっと人生の中核に… 」という思いはずっとあった(今は恵子のために三度三度食事を作るのが日々の生活の中心になっていることは間違いないのだが)。
こうしたイベントでお金をいただくプロまがいの調理をするとその責任と同時に「やっぱ、これ本気で仕事にしたいよナ」という思いがかなり重く頭をもたげてくる。
そんな中での7年ぶりのキッチンライブ、とりあえずは成功だったと言っても良いのではと思う。
ちなみに、今回のコースメニューは次の通り。
Entrée(サイドディッシュ) :
ネギのタルト Tarte au poireaux
詰め物マッシュルーム Champignons farcie
イワシのプロヴァンス風 Sardines à la provence
Plat(メインディッシュ):
豚肉のアップルソース Porc avec sauce pomme
Dessert(デザート):
リコッターチーズのババロア,柿ソース添え
Bavaro fromage a la crème, sauce persimmon
メインの「豚肉のアップルソース煮」は、豚フィレ肉をアップルソースに一晩つけベーコン巻きにしたもの。
と、ことばにすると案外簡単そうに響くけれども実際の調理はかなり難しい。
そんなに簡単にアップルソースの味は豚肉の中に滲みてくれないので途中でフォークでさしたりして何とかソースを豚肉の中にしみ込ませ、そして焼く(というか、そのアップルソースで煮る)。
ただ、手間がかかるだけあってこれはかなり美味(と口で言ってもナ….いっこうに伝わらないのが悔しいけれども、ハハハ)。
演奏直前にお客さんに「どの料理が一番好きでしたか?」と人気投票を行なった。
一番人気は、「詰め物入りマッシュルーム&シイタケ」。
そう。私のキッチンライブのメニューはメインディッシュよりもサイドの方が評判が良いことが多い(多分、私がメインにあんまりこだわってないせいだろうと思う)。
これは、何といってもマッシュルームの中に詰めるフィリングの味が決め手。
このソースかなり複雑な味なのだが、皆さんはこれが一番のお気に入りだったようだ。
きっとリコッターチーズの風味が肝なのかも?と思う。
ということで、今回のコース料理メニューのすべてのレシピは、ここにアップしてあるので興味のある方はご覧いただきたい。
http://www1.linkclub.or.jp/~flute/recipe_09282017.html
自分のレシピをなかなか公開しない人も多いが(特にプロシェフは)、私は何でもすべてオープン。
逆に、このレシピを見ただけでちゃんと作れるもんなら作ってみなよとさえ思う。
料理のレシピというのは、ある意味、音楽の「楽譜」にあたるもの。
そこに書いてあるのは、単なることばや音符によるガイドに過ぎない。
そのガイドから具体的な「感動」「満足」のレベルまで持っていけるかどうかは、ひとえにシェフや音楽家の腕にかかっている(というか、センスだな)。
ということは、やはり私は料理も仕事としてやるしかないのかナとだんだん最近本気モードになり始めている。
だって、私が音楽のプロになることを決めたのは、「音楽を本気でやってる」ことを示したかったからなのだから。
そろそろ料理も「本気でやんなきゃあ」と(私の)心のどこかが叫んでいるような気がしてならない。
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