みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

リハビリ患者の日常

2012-06-12 08:24:46 | Weblog
退院後の通院が最初週2日だったのが最近週1日に減った。
別にこれは病院側の悪意とかシステムの問題でそうなったのではなく、療法士さんたちが協議した結果「みつとみさんの回復は順調なので、家で自主トレをちゃんとやっていけば通院は週一回でいいでしょう」ということからそうなったのだ。
きっと喜んでいいのだろう。
脳疾患のリハビリはなにしろ時間のかかる作業だ。
発症から10年たっても通院リハビリを続けている友人もいる。
もちろん、人によってとても差があるので全員がそういうわけでもない。
症状やリハビリ時間にかなりの差があるのも脳疾患患者の特徴の一つだ。
身体の麻痺を懸命に治さなければならない人もいれば、認知機能を回復させる努力を日々続けている人もいる。
なので、恵子の日常をどう過ごすかが私にとっても彼女にとっても一番の関心事であり大事なのだ。
彼女は、どちらかというと臆病ではあるけれどもしごく真面目な性格なので、自主トレのようなメニューは毎日きちんとこなす。
手や足のトレーニングも時間を決めてきっちりとやるし、私と二人でやるステップ動作、歩行練習、チェンバロによる指の訓練など、毎日のメニューはけっこう多いが真面目にこなしていくので、ある程度成果があがっているのかもしれない(なにしろ、今の彼女に必要なのは筋力なので、食事と運動が最重要課題だ)。
彼女が自主トレに励む間に私は食事の支度と後片付け、そして、掃除、洗濯、そして仕事をこなす。
洗濯は、意識的に彼女に少し手伝ってもらうようにしている。
私が洗濯した衣類をまとめてカゴに入れ彼女のそばに物干と一緒に置き、彼女に自分で干してもらうのだ。
ゆっくりだけれども何とかこなす。
そして、洗濯物の取り込みもやってもらう。
晴れた日物干台をベランダに置けばものの数時間ですっかり乾いてしまう。
なので、彼女も「もう乾いたんだ!」と驚きながらまた洗濯物を物干からはずし(洗濯バサミを扱うのはけっこう力がいる)、タオルも衣類も下着もきちんと畳んで揃えてくれる。
私は、それをしかるべき場所に持っていきしまうのだが、この彼女の洗濯の手伝いだけでも助かる。
彼女の日常の中に食事の支度や後片付けができるようになればもっと助かるのだが、さすがにそれができるようになるのはまだまだ先かもしれない。
本当は、庭に出て薔薇やその他の植物を育てるガーデニングをやってもらうのが一番彼女にとっても楽しいし手や足のリハビリにもすごく役に立ちそうなのだが、それができるようになるにも後数ヶ月は必要だろう。
先日、近くの友人が自分の庭で育てたオールドローズの花をたくさん持ってきてくれた。
色も形も香りも申し分ない見事な薔薇たちだった。
恵子としては、そんな立派な薔薇をもらうのはとても嬉しい反面、自分が育てることのできない悔しさもあるのかもしれない(顔にそう書いてあった)。
一方、私は、近所にたくさん生えているマルベリー(桑の実)を取ってきてはジャム作りに精を出す。
桑の木には本当にたくさんの実がなるので、この時期、桑の実ジャムをたくさん作ることができる(ミキサーにかければ桑の実ゼリーにもできる)。
ブルーベリーよりもはるかにアントシアニンが豊富とかで毎日ヨーグルトに入れて食べている。
アンシアニンどころか、桑の実は、鉄分、カリウム、ビタミン類がメチャクチャ豊富な食べ物だ。
それがタダでいくらでも手に入るのだから嬉しいが、今年は自宅の庭のブルーベリーやラズベリーがあまり育っていないのが気になる。
昨年から今年にかけて恵子の入院でほとんど東京に暮らしていて伊豆の自宅には帰ってきていなかったので、鹿に若芽を食べられてしまい(鹿は若い芽であれば薔薇でも食べてしまう)、庭の樹木は荒れ放題。
こちらのリハビリも少しずつやっていかねば…という感じの日常だ。


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