今日はブラジル県人会創立60周年式典に参加します。今回の訪伯の主目的でもあります。ホテルから ブラジル鳥取交流センターまではバスで約20分でした。
通りは片側3車線のサンパウロのメイン通りですが、休日は片側1車線ずつをサイクリングロードにして開放し、市民にサイクリングを奨励しているのだそうです。これは環境イニシアティブ事業を進める鳥取県にとってひとつの参考になると思いました。
ブラジル鳥取交流センターに着きました。閑静な住宅街の中にありました。ここは高級住宅街なのだそうです。
早速、中に入ります。
玄関には大きな鳥取県の県章が輝いています。会場の準備が万端整っていました。
会場には、すでにたくさんの在伯日系人の集まっておられました。
祝宴は千田初美副会長の司会で始まり、日本、ブラジルの両国の国歌を斉唱した後、先没者の霊へ黙祷を捧げました。私たちが来賓として紹介された後、本橋会長が式辞を述べられました。何度も、「母国」「故郷」という言葉が出てきました。それだけ鳥取への思いが強いことが伝わってきます。
鳥取県が行政としてブラジル県人会を支えていくことは二つの意味で大きいと思います。ひとつはブラジル県人会は鳥取大火に見舞われた故郷に義援金を送るために設立した組織であり、その優しさを鳥取県民は忘れてはならないし、県人会の皆様が鳥取県を自分たちのルーツとして大切に思われている以上、私たちはその思いに応えるべきだと思うのです。もうひとつは、移民の皆様は密林地帯の開拓など大変な苦労をなされたわけですが、3世、4世の時代を迎えた今日、その多くが成功され、政治、経済、文化など様々な分野にわたってブラジルを支えている主要なポジションを占められていることです。確かに2万キロも離れていますがブラジルには多くの日系企業が進出しており、県人会の皆様との交流が鳥取の未来を拓く大きな鍵になるのではないか思うからです。
平井知事のビデオメッセージが映されました。砂丘や大山、三徳山など鳥取の風景がスクリーンに映し出さた後、来伯して皇太子殿下と県人会の皆様が踊るしゃんしゃん笠踊りを見たことは素晴らしい思い出として今も残っていまなどを話されるのを、皆さん頷きながら聞いておられました。
伊藤議長、藤井副知事、野坂米子市長が挨拶され、鳥取市の深沢副市長が市長の祝辞を代読されるなど来賓祝辞が続きましたが、鳥取ブラジル交流団体協議会の会長祝辞を代読するために登壇した石谷雅文民間訪問団長は、読み始める前に流暢なポルトガル語で挨拶され、会場から大きな拍手が沸きました。石谷さんは鳥取市の元副市長ですが、元々は新日鉄の社員で、3年近くブラジルで勤務されています。言葉は大事だなと素直に思ってしまいました。在サンパウロ総領事、県人会連合会会長も挨拶されました。
続いて、記念事業「サンパウロ・鳥取友好の森」植樹プロジェクトについて山添副会長から説明がありましたが、鳥取県民から多くの賛同の申し込みがあり、その結果、当初の計画を超え、70種300本の植樹が出来たそうです。サンパウロ州森林院のミゲール・フレイタス総裁も「本館横に植えられた木々は大切に世話をする。大きく育ち、友好の象徴になるでしょう」などと話されました。
平井知事からの在伯県人の皆様に贈られる特別功労賞、功労賞、高齢者表彰を藤井副知事が伝達。表彰を受けられた加藤恵久さんが「60周年に事業に鳥取県からブラジルまで来て頂いたことが何よりうれしい。受賞に感謝します」と謝辞を述べられました。
最後は県民歌の合唱で式典はお開きなりましたが、本当に温かい集まりでした。
県が贈った支援金の一部を使い、4基の放水設備のお披露目もありました。
普通は、県費を使ったのですから有効に使って欲しいと思うのですが、これだけは使うことのないように、火の用心をお願いしたいと思います。
石谷さんが製鉄会社にお勤めだったころ、ブラジルで働いて居られたことは知っていましたが、流暢なポルトガル語で話され、喝采を浴びて居られる姿を見て、コミュニケーションの基本は会話だなと改めて思いました。
「距離と交流の深さは関係がない」というお話も示唆に富んでおりましたし、様々なお話ができ、本当に勉強になりました。今後もよろしくお願いします。