すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

2014年2月定例会一般質問(2) 知事答弁

2014年04月05日 | 日記

○副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。平井知事

○知事(平井伸治君)(登壇)砂場議員から高齢化の時代を見据えた御質問を何点かいただきました。まず、2025年問題について、どういうふうに考えているのかというお話がございました。これは、政府が今政府を挙げて取り組みをしようとしておることでございますが、社会保障の負担がふえるだろうと。それに対する備え、新しいシステムを構築しなければならない。その意味で、地域包括ケアシステムであるとか、さまざまな方策を繰り出していく必要があるのではないか。そのトータルのアプローチを今しているわけでございます。

 議員のほうから、今スライドで御説明ございまして、鳥取県にも2025年問題は間違いなく来るというお話がございました。私は、基本的には一緒だとは思うのですが、違った意味の2025年問題になるのではないかなというふうに思います。今、国中が騒いでいる2025年問題は、急速に、例えば東京、埼玉、ああしたところがいい例でございますけれども、例えばかつてニュータウンだとか、団地に住んだ人たちがどんどん高齢化をしていくわけです。今までは、若年者主導のコミュニティーがあっという間に高齢者主導に変わってしまう。変わり目が来る、その一つのターニングポイントとして、2025年を非常にシンボリックに捉えておられるのだと思います。

 現に埼玉県では2010年から2025年までのこの15年間で、高齢者についていうと、倍にふえると、200%ふえると。同じ時期に鳥取県では22%増、122%ということです。ですから、高齢化のスピードは、実はもう既に鳥取県は先を走っていまして、さっき10年前を走っているというお話がございましたが、ですから、急にやってきて、急に陣備えをしなければならない。こういうような2025年問題とは若干性質を異にしているのだろうと思います。

 ただ、先ほどのグラフの中にもございましたけれども、その2025年、高齢者の単身世帯は27.1%にも及ぶ。これは一本調子で上るのではないかというふうに言われているわけであります。この辺が深刻化してくること、それから、都会地等、他の地域と違いまして、生産年齢人口が極端に少なくなる、このおそれがある。ですから、2025年問題が起きたときに支えるべき若い人たちが余りいないかもしれないとか、それから、高齢者の単身世帯がふえている、そういう意味で、コミュニティーのセーフティーネット機能を高めなければならない。この辺が都会地の2025年問題とは違った、鳥取型の2025年問題とでも言うべきものではないかなと思います。

 そういうものに備えていくためには、やはり地域の中の支え合いのきずなというものをもう一度コミュニティーとして活性化する必要があったり、砂場議員がおっしゃっておられましたけれども、老働力、これは御高齢の老人の老に働く力と書いて老働力というふうに称しておられたわけでありますが、そうした高齢者のそれを人材として活用していく。お互いの介護サービスであるとか社会サービスの供給主体として、もっと元気な高齢者を活用していく。そうしたことが我々の鳥取型の2025年問題へのアプローチの鍵になるのではないかなというふうに思っております。

 次に、介護保険についての評価、それからさまざまなサービス提供の意味で、県としてのリーダーシップをというようなお話がございました。私は介護保険、いろいろと功罪両方が言われるわけでありますけれども、何を当時夢見ていたかということです。平成元年にゴールドプランができました。この時期に、平成に入るころに高齢化が進んでくるという問題が、国際化だとか、そういう軽薄短小化だとか、そうした時代の傾向と合わせて高齢化ということが非常にクローズアップされてきて、ゴールドプランという高齢者の長寿社会を形づくる計画がつくられたわけであります。

 さらにそれから10年がたって、ゴールドプラン21というものが生まれ、平成12年から介護保険制度が導入をされたわけであります。この介護保険制度は、これは幾つかの視座があったと思うのですが、女性たちが特に苦しんでいたと言われておりますが、介護労働、これから解放すると。それは生活の質、当時QOLということをよく聞きましたが、クオリティー・オブ・ライフの向上、高齢者側にとってもそういうことがある。また、福祉の仕組みというものを変えようと。それまでは施しの措置という、いわば慈悲の心でもって施すという、そういう体裁の福祉政策といいますか、そういうニュアンスがやはりあったわけでありますが、そういう社会福祉の構造改革を行ってサービスを提供を受ける、サービスの契約をするという形態に移していく、こんなようなことも仕組まれていたわけであります。ですから、保険という制度を活用しようということになりました。

 これらの複合的な意義があって介護保険というのはでき上がったと思いますが、その実は、一定程度は上がり始めていると思います。議員の御指摘のように、いろんな弊害もあらわれているのは事実でありますけれども、当時を振り返ってみますと、在宅での介護のシステムだとか、それから鳥取県内もそうでありますが、高齢者のための特養や介護保険施設、そうしたベッド数等も急速に充実をしていったのは、これまた事実ではあろうかと思います。

 また、お年寄りの方もさまざまなケアプランをもらって、そのケアプランの中で処遇を受けるということが実現をしてきたわけでありまして、一応フレームとしては正しい方向に向かったのではないかなというふうに思います。ただ、これは市町村中心として組まれるべき事柄ではありますけれども、まだまだそのポートフォリオが十分きれいに組めていない。例えば施設系のサービス、これは鳥取県は全国的にも4位ぐらいのベッド数に膨れてきていますので、そういう意味で、施設系は充実をしてきているという面はあるかもしれませんが、在宅のほうは、これがお年寄りが地域で長寿を楽しむという観点では、まだ十分なサービスが提供できていない面があるのではないかと、それが議員が御指摘になったお泊まりデイだとか、そうしたところにもあらわれているのではないかなと思います。

 また、そのプランづくりに当たられるケアマネジャーの観点とか、いろいろと改善すべきでないかと近年指摘されていることもございまして、この辺は実践活動を通して改革を進めていかなければいけない面が多分に残っているのではないかなというふうに思います。これにつきまして、県としてもこれから地域包括ケア等々は進んでくる、2025年問題に向けて、国全体で医療福祉政策が動いてくる。このときに鳥取県でも現場主義で、できる限り地域の声、利用者の声等に即したサービス展開が図れるように、市町村を指導したり、市町村と調整をしたりして、介護保険の実を上げてまいりたいと思います。

 ショートステイだとか、あるいはお泊まりデイの現状については把握しているか、どういう状況かという点につきましては、福祉保健部長のほうからお話を申し上げたいと思います。

 お泊まりデイやショートステイの連泊を敵視するのではなくて、マル適マークのようなことを考えたらどうだろうかという御提案がございました。具体論でなくてもよいがということでございましたが、これはここ最近クローズアップされてきた社会問題です。非常にアプローチの難しいところがありまして、先ほど申しましたように、いわば契約自由の原則のもとにサービスを提供するということで、介護保険が動いています。その中にデイサービスがあり、ショートステイがあるわけであります。ただ、それぞれが事業者でありますので、その事業者が契約者といろんな契約を結び得るわけですね。

 その中で、お泊まりデイということが生まれてきていますが、議員も御指摘なさいましたけれども、事業者側からすると、いわばそのお客様との結びつきを強めるために、お客様の要望があってなのですが、お泊まりデイということで泊まっていただくことを認めるということになりますが、これは法的に排除されているわけでも正直ないのですね。また、ショートステイが、これがどういうふうに運用されていくのか。その運用の問題はあるにしても、厳格にその法的に違反が出てくるとか、そういうようなことには契約自由の原則の観点でなりにくいところも多々ございます。この辺が制度の限界でありまして、本県の場合は、お泊まりデイについては基本的に旅館業として登録をしてもらうと。そうすると、旅館業法のほうの規制もかかってきますし、消防だとかそうしたことにも影響してくるわけでございまして、実際そうやって旅館業法の許可をとりながら有償でお泊めするというサービスをデイサービスと併用して提供している、そういう事業者さんが圧倒的に多く、鳥取県内の場合はあります。

 そういう意味で、若干の工夫はあるのですけれども、近時指摘されているようなことに対する答えになっているかというと、私はまだ十分でないと思います。ですから、今、実態調査をさせていただいております。悉皆調査方式で全数調査をさせていただいておりまして、だんだんと状況がわかってくると思います。

 それとあわせて、ガイドラインを鳥取県独自で考えてみてもいいんではないだろうかというふうに思います。それはこうしたお泊まりデイが不適正な、違法にはならないのですけれども、適当ではないサービスにならないように、事業者の協力を求めるという意味でのガイドライン、あるいは場合によっては届け出を求めるとか、そうした運用を始めるべきではないかなというふうに思っておりまして、これについてはその調査の取りまとめを見て検討をさせていただきたいなと考えております。実は国のほうでも今、社会保障の審議会の中で、この法定外のお泊まりデイサービス、宿泊サービスについて、その取り扱いの検討が始められているところだそうでございまして、そちらのほうの国の状況も横にらみしながら、県内の実態もわかり次第、県としても独自の取り組みを選考して進めさせていただきたいと思います。

 次に、老いの魔法遣いの労働力について、その発想をどういうふうに考えるかというお尋ねがございました。これは鳥取県も支え合いの基金をつくって始めたり、それから御高齢の方が認知症などにならないように、できるだけ地域に出てきてもらって一緒に活動することで、その認知症予防に役立てようなどというような活動をしてまいりました。例えば由良の北栄のふれあいサロンやまださんのように、地域の御高齢の方が集まりまして、例えばパッチワーク的な何か創作活動をしたり、木の枝を使って灯をつくったり、そういうようなことをしたり、体操をしたり、そうしたことをやって活動されている例があったり、また、地域の中で、例えばきのうも御紹介申し上げました、やはり北栄町ですけれども、こけない体操という、そういう体操をやったりして、地域包括ケアの会議を絡めながら、こうしたことを奨励をして予防に努めるというようなことをしたり、それから議員のほうも御指摘ございましたが、介護のボランティアや学校ボランティアとして活動してもらうと。

 日南町ではそういう生活支援のボランティア、大分定着してきまして、今は40名以上いたかなと思いますが、そういうようにふえてきたり、学校でも若桜のほうとか、いろんなところで学校の見守りのボランティアに高齢者の方が出られるとか、そうしたことが現に進んできております。徐々にこういうことが加速されてくればなというふうに願っておりまして、そういう意味で、先ほどオズの魔法遣いの労働力の話がございましたが、労働力というものは貴重な、先ほども申しましたように、生産年齢人口が乏しくなるような鳥取型の2025年問題に対処する上では鍵になるというふうに考えているところでございます。

 ケアマネジャーのことにつきましてお尋ねがございました。これにつきましては、福祉保健部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。

 また、ボランとりの活性化につきまして、これもいろいろとお尋ねがございましたが、これにつきましては未来づくりの局長のほうから、田中のほうからお答えを申し上げたいと思います。このボランとりのこと、あるいはそのシニア人材バンクについては、発想は多分間違いないと思うのですね。鳥取県として、県民参画基本条例をつくり、地域の担い手としてボランティア、市民、県民の活動を推奨しようと。これは公的セクターだけでなくて、地域のコミュニティーの活性化や、あるいは産業だとか、いろんなこと、教育なども含めて大事な役割をこれから果たさなければならない。それをきずなの深い鳥取県であれば、他の地域以上に発展できるのではないかということでありまして、そのための幾つかのプログラムを考えたわけですね。ボランティアバンクもそういう意味では全県的に人材を共有できる仕掛けとして構想したわけでありまして、それがボランとりということになりました。また、シニア人材バンクは、先ほど申しましたように、労働力の活用ということが、高齢者の活用ということが大事でありまして、これもさっき多摩地区の学校の話などもありましたが、高齢者だからこそできるようなお仕事というのもあります。例えば和田小学校では松本さんという御高齢の女性が、これがネギのおばあちゃんとして子供たちに親しまれて、米子のほうで活躍をされておられたり、そのようなことが鳥取県でも多摩のように、実際に実践活動は始まっているわけでありますが、そういう人材バンクというのをシニアレベルで整備をしていくのも、これも目標としては間違っていないと思います。

 ただ、残念ながらまだ活用は十分でないというのは、おっしゃるとおりだなというふうに痛感をいたします。その意味で、関係者の方々ともスクラムを組んで、狙いは間違いではないと思いますので、その内容ができるように、例えば老人クラブ連合会だとか、シルバー人材センターだとか、そうしたところともよく協議をさせていただき、使い勝手のいいようにしていく必要があろうかなと思います。ただ、物によっては学校支援ボランティアのように、地域性が物すごく強くて、全県的にまで必要がないものも多々あろうかと思いますけれども、それは地域性のあるものは地域で名簿管理をして、それでも学校に教えに来てもらいたいという人などは全県的に管理をするとかしていけば、鳥取県全体としてさまざまなデータバンクがあって活用できるという状態になるのではないかなと思います。これは努力と工夫、行動が必要なところでありまして、改めて関係者とよく話し合って動いていきたいと思います。

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