なかなか涼しくならないので、夏の話題の続編です。
木曾駒ケ岳から下山すると、ロープウェイは2時間半待ち、整理券配布だったのでお土産売り場などを見ながら待つことができました。列に2時間並ぶという苦行は免れましたが、駒ヶ根駅に着いた時には信号機の灯りが明るく感じるほどに暮れ堕ちていました。昨日は休業していた駅近くの食堂が開いていたので、夕食用にソースかつ丼をテイクアウトして電車に乗り込みました。既に花火が揚がり始めている時間ですが、終わりの40分ぐらいは見られそうです。はやる気持ちをよそにプラットフォームのベンチあたりに簡単な屋根を掛けただけの小さな駅にいくつも止まりながら電車は進んで行きます。降りる駅の2駅手前で遠くに打ちあがる花火が見えました。間に合った。
駅を降りて、電車の前の踏切を渡ろうとしたら、目の前で大輪の花火がどーんと揚がり、一緒に降りた乗客たちは元より運転士さんも「おーっ」と言わんばかりに見上げていました。
旅館に荷物を置いて、揚がる花火の音を聞きながら、夜店が並ぶ道を天龍川にかかる橋へ急ぎます。以前にも来たことがあるのですが、その時とは比べ物にならないくらいの人でごった返しています。コロナ騒動を明けて4年振りの開催なので、みんな心待ちにしていたのでしょう。橋の上は縁石に腰かけて花火を見ている人は多くいましたが、混雑はそれほどでもなく、我々も空いている縁石に座って見ることが出来ました。
打ち上げ場所が近いので大輪の花が音とともに間近に拡がって凄い迫力です。燈篭流しも行われているはずですが、既に終わっていて、川面を流れる灯りと花火との共演は見られませんでしたが、久しぶりに目の前に揚がる花火を見ることができて、大満足でした。
翌朝、再び電車で天竜峡へ向かいました。天龍川に沿って川下に向かって走っていますが、辺りは平地で川幅も広くゆったりとしていて、ホントにこの先に天竜峡という峡谷があるのかと、思うような地形です。
天竜峡の駅は洋風のおしゃれな感じの駅舎でした。踏切を渡り、天龍川に掛かる橋に差し掛かると川が深く谷の下を流れており、まさに渓谷です。
舟下りの船着き場がありますが、船は半分浅瀬に乗り上げたような格好で留まっています。水量が減って、この場所からは乗れないようです。確かに、川は悠々と流れていますが、手前側の岸辺は石がゴロゴロした河原も広がっています。
遊歩道はつり橋が通行止めになっていたので一周できずに途中で引き返さなければならなかったのが残念でしたが、つり橋を通らなかったおかげで見ることができたのが桜の標準木。
駅からすぐで手軽に名立たる天竜峡を楽しめてよかったです。
遊歩道沿いに焼き物のカップがたくさん置かれた喫茶店があったので、そこでお茶して駅に戻ろうとすると、雲行きが怪しくなってきました。駅に戻って待合室に入るやいなや雷を伴った凄い雨が降り出してきました。全開にしてあった待合室の窓から雨が吹き込んできて、周囲の人たちと一緒に慌てて窓を閉めました。豊橋までの特急券を窓口で買い、あとは電車の時間まで待つだけ・・・のはずでしたが、発車10分前に改札を入ろうとすると、「まだ入らないでください。電車が飯田を出ていないので」と、止められました。飯田と天竜峡の間ではもっと激しい雨が降っているようです。これから向かう方向ではないのですが、特急はそちらから来るので乗ることができません。次の普通列車の時間が近くなってきましたが、その普通列車も同じ方向から来るのでいつ乗れるかわからなくなってきました。天竜峡での1泊を覚悟し掛けたころ、普通列車の案内のアナウンスがありました。止めてあった車両を使って運転してくれるようです。電車は天竜峡を出ると、山岳地帯を流れる天龍川に寄り添うように走ります。舟下りの終点の時又、秘境駅で有名な小和田など丁寧に停まりながら進みますが、とにかく動いてくれることに有難さ感じていました。すっかり夜になっていましたが、車窓はだんだん都会の景色に変わって眩い照明の豊橋駅に到着しました。
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