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おもちゃ病院さど Doctor_Rの治療カルテです。

リモコンヘリ  メタルファルコン4が来院しました。

 

【申告内容】

  メインの上プロペラが回らなくなりました。

【初診】

 外観的に破損箇所がありました。

 

 ラジコンの自動車は診察経験はありますが、宙に浮くヘリコプターは初めてです。どういう仕組みで飛んでいるだろうと興味は持ちつつ機会がありませんでした。飛ぶ仕組みをさぐりながら診察を始めます。まず、患者さんを知る必要がありますので調査からです。

取扱説明書から、下記のような動きができるようです。ただ、実物のヘリコプターとはプロペラの数や向きも違いがあります。これは、診察が終わってからです。

 

 

開腹して原因を調べます。

   

バッテリーを機体に固定している結束バンドを外してみると、配線がバッテリーに接着された状態で基板から剥離してきました。半田付けがいとも簡単に剥がれてくるのも不思議ですが、複数本の配線が切れてしまったので接続箇所の確認が必要です。推測ですが、接着剤が配線に付着しているのはバッテリーを機体と一体化してヘリコプターのバランスが不安定にならないように、基板と接着してあったものと思います。

剥がれた配線の接続先は、メインプロペラの2個のモータに接続されています。

・剥がれた配線は4本、接続端子は3箇所です。

・3箇所の内、中央の端子には電源電圧が出ているので共通端子になります。

・残り2箇所がモータの個別接続になります。

・プロペラの形状からモータの回転方向を決め電源に接続する配線を決めます。

・上下のモータの選択は、バッテリに接着している配線の状況から決めます。

なお、メインプロペラの2つのモータの回転は一方向のみですが、テールプロペラは回転方向の切替が必要なのでモータに印加する電圧極性を切り替えられるMX08が使用されています。

 

 

これで、上プロペラの回転を確認できました。原発巣は、端子部の半田外れと思われます。遊んでいる間の落下などでバッテリの重みで端子部に衝撃が掛かり剥がれたものと推測します。

 

次に、ヘリコプターの動作の仕組みを考えてみます。

上昇、下降

 メインプロペラの回転数によります。なお、上下2組のプロペラがある理由は、プロペラの回転により機体が回転しないように逆回転しています。

前進、後進

 テイルプロペラの回転方向により機体の後部が上がるか下がる状態とメインプロペラの動きの合成で実現しています。

左右スライド

 

 

  

 

   

 

 電磁石を利用して、下メインプロペラの軸を前後に傾けると、プロペラの迎え角が機体の左右で変わることで揚力が変わり、左右に機体が傾き左右に移動できます。

左右旋回

 前進、後進動作と左右スライド動作を組み合わせることにより、左右に旋回できます。

左右回転

 逆回転をしている上下のメインプロペラの相対的な回転数を変えることにより、同一位置で回転ができます。

 

【治療後記】

 治療内容自体は、容易な治療で済みました。テイルプロペラが破損していたのでメーカーに問い合わせをしてみましたが、保守部品がなく治療はできませんでした。また、飛ばそうとしましたが機体の回転を止めるトリムの調整が微妙で、うまく飛ばせませんでした。トリム調整のボリュームも清掃してみましたが状態は変わりませんでした。

 患者さんのご家族にも確認をとったところ、購入時からそのような状況とか。残るは、うでですかね。(^^;)

 

 

 

 

 

 

 

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