皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
店のお客様です、お母様の白下着をご自分で水洗いをしたところ
全体的に縮んでしまい直して欲しいとのご依頼です。
お客様はネットや友人の方に聞き大丈夫と思い水洗いをしたとおしゃっていました。
白下着 Before
留袖の着用時に肌襦袢次に長襦袢次に白下着最後に留袖と重ね着をします。
福が重なる様に願いを込めてと聞きました。現在は留袖に白下着を着る代わりに
比翼を縫い付けて着用している事がほとんどですが、昭和55年の修行時代には
随分白下着が有りました。
白下着 八掛 Before
白下着 表地の縮 Before
白下着は縮緬がほとんどですし、この縮緬は水に入れると縦横非常に縮みやすいので
型崩れが起きやすく、非常に厄介です。表地が縮、袋の状態です。
白下着 胴裏 Before
表地が身丈及び幅が詰まっています。
白下着 袖裏 Before
白下着 袖裏 Before
本来なら洗張りをして仕立て替えを進めるところでしたが、
何とか再洗いをして、プレスしてみました。
白下着 プレス後 after
白下着 上前 プレス後 after
白下着 仕上げ畳み上げ後 after
白下着 プレス後 畳み上げ後 after
普段のプレスの5~6倍手間が掛かりました。
当店の仕上げ台の強力のモーターが役に立ちました。
以前の仕上げ台では蒸気アイロンで仕上げてもバキューム(吸い込み)モーターが弱っかった為に
仕上げ後にみるみる縮みが戻ってしまいましたが、現在のバキュームモーターは超強力の為
仕上げ後に縮が戻る事が無くなりました。機械力の差です。
昨今インターネットの普及により色々な方が情報を発信出来る時代です。
ご自分で着物を水洗いした記事の目にします。
この様な記事を批判したりするつもりは毛頭ありませんが
生地の性質の把握とリカバリー出来る、洗剤や仕上げ剤や蒸気アイロンと
仕上げ台とプレスの技能がなければリカバリー出来ませんでした。
着物の丸洗いや洗い張り等は先人が長い時間を掛けて育んできて知恵です。
私自身も着物のお手入れ(丸洗い、しみ抜き、洗い張り等)方法は、
数十年掛けて、たくさんの失敗による反省、研究による模索と改良を重ねた経験の賜物で
現在に至っていますがまだまだ改良の余地は有ります。
今回のお客様のリカバリーも着物の仕立て上がりの水洗いの方法を習得したために
お引き受けできましたが、もう数年前ではお引き受け出来ませんでした。
当ブログに湯通しの記事をご覧になる方が随分いらっしゃいますが、
ご自分で湯通しされたいならば木綿の物ならば出来ますが、
特に 大島紬や黄八丈は私たちプロでも湯通しや洗い張り時に発生した
小じわの修正は非常困難ですし中々リカバリーが出来ませんのでご注意願います。
当ブログをご覧の皆様(一般の方)にアドバイスですが木綿に単衣の着物や浴衣は
ご家庭で十分洗えますがかなり丈が詰まりますので、ご自分で洗いたい方は
詰まる寸法分長めにお仕立てしてもらう事をお勧めいたします。
なぜ着物のお手入れに洗い張りがあるかをもう一度考えさせられた
白下着のプレス(仕上げ)でした。
着物のお手入れは、
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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