「筋肉は使役されるもの」
とは、あるソシアルダンサーの先生からいただいた言葉です。
この一言に、それを聞いた当時の私は衝撃を受けました。
『なるほど、そうだよなぁ…』
と、それまで頭の片隅に引っかかっていた諸々がストンと腑に落ちた瞬間。
そうした気付きをくれた言葉でした。
目的の動作(テクニック)を行うにあたって、
「この筋肉をこう使って動くぞ…」
ではなく、「こう動く!」という意思に沿って
必要な分、必要なバランスで筋肉たちが働き、
思い描くフォルムへと骨の並びを変えてゆく。
「こう動く!」ために働く個々の筋肉たちを個別に意識するのではなく、
「こう動こう!」とカラダ全体が連動できた時、筋肉はパフォーマンスに直結した仕事ができる。
なるほど、筋肉とは使役される側なんだなと、納得がいったんです。
って、「いきなりどうした?」って言われそうですね(^^;)
いえね、よく患者さんから
「私はどこを鍛えたらいいんですか?(同じ怪我を繰り返さなくなりますか?の意)」
と聞かれるのですが、
多くの場合、どこか一点を鍛えたら万事OK、ということにはならないものなので
さてどこから話したものかと悩んでしまうこともしばしば。
どちらかというと、壊さないために全体としてどう連携させるか、が大事だって考えていて、
故障からの回復や、その故障を繰り返さないような身体造りは、
単純にどこか一点を鍛えればいい、という考えではないのです。
人が動くとき、
はじめに手に入れたい結果があって、
それを遂行するために運動が展開されてゆくわけで、
その運動を、無理なく無駄なく最大効率でおこなうために筋肉たちが協力して仕事をしてくれるのが理想。
そうした条件で行われる運動は関節にも筋肉にも優しく、
結果私たちの身体は健やかに保たれます。
そしてさらに、より多くの仕事がこなせるように努めれば
より頑強な身体となることもできるでしょう。
そうした身体操作を学ぶための切り口はなんでしょうか?
それはおそらく重力でしょう。
私たちは重力という力に絶えず抗いながら動いています。
ですので、故障のない効率的な身体操作を手に入れるための条件と強いて言うなら、
「重力に最大効率で抗う」というテーマで身体を使うということではないでしょうか?
少なくとも、私はそう考えているんです。
では、そうした学びの多いトレーニングってなんだと思います?
答えはいろいろあるとは思います。
前出のソシアルダンスもそうした答えの一つでしょう。
他にはどんなものがあるでしょうね?
私は「オリンピックリフト」がいいと思います。
オリンピックリフトは私たちが陥りやすい姿勢のエラーをひっくり返す要素の塊です。
あたかも、四足動物だった私たちの祖先が直立歩行を獲得するための道筋をたどるかのような
そんなトレーニング種目です。
そう言いたい理由、これについてはまた後日機会があれば。
今日はもう遅いので、ここまで。
では、おやすみなさい。