産後の故障:腱鞘炎・腰痛・肩凝り

2018年02月04日 | 治療の話

このところ、なぜか産後のママさんの相談が続きます。

相談が多いのが意外に土曜と日曜。

土日はパパにお子さんを預けられるから、安心して通院ができるんだそうです。

私的には赤ちゃん連れで来ていただいても全然OKなんですが。。

むしろ一緒に来てほしい。

私事ではありますが、ミルクの香りがした黒目がちな愛くるしい赤ん坊だった息子もすでに中学2年生。

伸張168cm体重71kg、そして高校生2~3年生に間違われるレベルのオッサン顔…

ああ、赤ちゃんだったころが懐かしい…

 

なので、赤ちゃんづれWELCOME!

治療中ギャン泣きしたって問題ないですよ!

泣くという運動は背骨や骨盤の安定性に寄与する腹部深層筋(インナ―ユニット)のトレーニングになりますから、

適度に泣いた方がむしろ筋骨格系の発育発達に善し!

そう考えれば気も楽になるでしょう!?

訳もなく泣かれると『私の何が悪いの~~~~~(´;ω;`)ウゥゥ』なんて、

理不尽に攻められているような気持ちになったりもしがちですが

赤ちゃんが立って歩くための準備をしていると考えればそう落胆することでもないでしょう!?

おむつ・ミルク・抱っこのチェックをしてもなお泣きやまないのなら

『人間だもの、泣きたいときもあるわよねぇ…(*´ω`*)』

てな具合でよろしいのではないかと思います。

身体の正常な発育を考えれば泣かなさすぎの方が損ですよ。

おっと、脱線。

 

話を戻して、産後ママのご相談の話。

寄せられる相談は主に「腰痛」「肩凝り(コリというよりも頸椎と胸椎の端境に生じる痛み)」

そして「腱鞘炎」です。

この腱鞘炎、産後の相談としてはかなり多い相談となります。

なぜ授乳中のママさんに腱鞘炎が多いのか?

その理由を腱鞘炎のご相談でご来院のAさんのケースでみてみましょう。

 

Aさんの相談は肩・腰、そして手首の腱鞘炎のトリプルコンボ。

Aさん曰く、

「日々すくすくと育つ我が子。

生まれた時は3キロ程度だった我が子の体重もグイグイと膨れ上がり、気が付けば米袋を大きく上回る重量に。

でも、その成長も歩くようになるまでにはまだ遠く、おんぶやだっこを繰り返し、気が付けばアチコチぬぐいがたい痛みに襲われるまでに…」

確かに育児は重労働。

にもかかわらず、回復に要する睡眠時間は4時間ごとの授乳で削り取られ、日常のダメージも回復しきれず蓄積しがちになります。

蓄積したダメージがリミットを超えると大きな炎症に転じることもあるので要注意。

こうした故障を反復性緊張損傷(RSI)なんていうのです。

頑張って頑張って、身を粉にして育児に専念した挙句に故障を負ったAさん。

これを献身と言わずしてなにを献身というのでしょうか。

しかし、だからといっても育児は回復を待ってくれません。

過酷ですよね。(*_*;

Aさんをはじめママさんたちのお話を聞くたびに育児ってホント肉体労働だなって思います。


産後は腰・肩の痛みの相談もよく聞かれますが、

授乳期ならではの故障というとなんといっても腱鞘炎(腱炎含む)ではないかと思います。

と申しますのも、

授乳期のお母さんはホルモンの影響でむくみやすい状態になっているんです。

これは母乳を作り出すための変化なんです。

身体がむくむと動く際に生じる筋腱の摩擦が強まります。

それがどう腱鞘炎につながるのかと申しますと、

手指は細やかな動きをする部分ですからその筋腱は張りが強く隙間も少ないつくりをしているんです。

そんなところにむくみ(浮腫)が強く起こると前腕から手にかけての筋腱の隙間が更に狭くなり、腱と腱鞘の摩擦が強まります。

そうなると日常で負うダメージも大きくなります。

それなのに、ゆっくり休んで回復を待つ暇ももらえない。

こうして腱鞘炎や腱炎に発展してゆくんです。

ちなみに

産後の腰痛の原因は、臨月で伸びた腹筋(腹部の筋膜群)が産後たわむことが大きな原因になってきます。

腹筋の長さが余って骨盤前面の支えが効かなくなり、腰椎部を支える起立筋やぎっくり腰の原因筋でおなじみの腸腰筋の負担が増してしまうのです。

加えて出産時には恥骨結合の損傷(出産時に切れることがしばしば)をこすことがしばしば。

恥骨結合の捻挫によって骨盤が不安定になり、これも腰痛の原因になります。

総じて腰椎から骨盤部の不安定性が高まることで産後に腰痛は起こりやすくなるのです。

さらに、

酷い肩凝りは赤ちゃんがまだ小さいため背を丸めた授乳姿勢が原因でしょう。

猫背の姿勢が定着し、頚肩の負担が増してしまうのです。

また、そうした姿勢の崩れから生じる上肢のポジションの崩れは腱鞘炎の発症を増長させる要因にもなっています。

ほんと、お母さんは大変ですね。


治療としては、

定着した不良姿勢の矯正、痛みに対する治療を行うと同時に、

故障の背景要因となっている腰部骨盤のガタツキを押さえるための運動指導をし、

痛みに対するセルフケア(ストレッチやお灸、簡単なテーピングなど)をお伝えしています。

私のところはベビーカーでのご来院もOKですので、気軽に赤ちゃんを連れていらしていただけたら嬉しい限りです。お困りの際には気軽にお声がけください。

とよたま手技治療院
TEL:03-3994-5048


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