ランナーズニー≒腸脛靭帯炎の治療

2011年09月02日 | 治療の話
ランナーAさんの話。

今年のはじめに出たレースで左膝を痛めて以来

ジョギングの翌日、左膝の外側が痛む日々に悩まされています。

痛みがなかなか治まらないので、

2~6月の4ヶ月間は走らずに、脚をやすめて見たそうですが

再び走り出すと膝は相変わらず…


という経緯をたどり、ご来院いただいたのが7月末のことでした。


お身体を調べてみると、痛みの出所は腸径靭帯と外側広筋の隙間にあるようでした。

今は大きな炎症はなく、傷跡として瘢痕治癒(※)した状態のようです。

※腸脛靭帯と外側広筋の間がいくぶん、へばりついた状態と考えてください。

よく「腸脛靭帯炎といわれた」といらっしゃるケースではままあることです。

「腸脛靭帯炎」は、大腿骨と腸脛靭帯がこすれあって炎症を生じた状態なので、

Aさんの現状を腸脛靭帯炎とは言いませんが、

故障の成り立ちは同じなので、ランナーズニーというくくりでお話しは続けますね。




痛みを取り除くにはこの部分の動きを取り戻せばいいのですが、

膝が傷つく原因となる問題を解決しなければ、



痛みが落ち着く→走り出す→再び痛みがぶり返す



といったことを繰り返してしまいます。


さて、そうなると

Aさんの故障の原因を探さなくてはなりません。

Aさんの膝を傷つけている原因とは、一体全体なんなのでしょう?



答えは簡単。



左の腸脛靭帯を引き伸ばすような 「走り方」 が犯人です。

そして、そのような走り方しかできない理由は

身体のそこここに居座る 「体癖」 です。


Aさんの場合、

○胸郭(胸)と骨盤が、左に捻じれやすい癖が付いている。
(この状況では見かけ上、右足が長く、左脚は短くなる。)

○足首が反りにくく内に返りやすい癖が付いている。

といったところが特徴的でした。

この身体で走れば左へ身体が流れてしまい、

左の膝の外側の靭帯が引き伸ばされ続けることになります。


治療としては、

固く縮みこんだ組織を和らげることで

関節を自由に動かせる環境を作り、

正しい関節の位置関係を作り上げるための

エクササイズを自宅でも続けていただきました。



初回の治療で5~6キロのジョグでは痛みが出なくなり、

その1週間後の2回目の来院時には10キロでも痛まなくなっていました。

しかも、いままでキロ6分のペースだったのが

キロ5分で走れたとのこと。


さて、この効果は何によるものなのでしょうか?


私の治療が素晴らしかったから?(そうだったと思いたい(笑))

それもあるかもしれませんが…

Aさんの回復は、指定したエクササイズを

きちんとこなしてくれたことが大きかったように思います。


10月にはハーフのレースに出場予定。

経過を見るに、順調に行けば間に合いそうです。





とよたま手技治療院では、

スポーツ障害に対し「手技療法」と「機能訓練」を両輪に治療を進めてゆきます。

お困りの方があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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