最近見た映画についてちょっとだけ。
「眠狂四郎 殺法帖」市川雷蔵の有名なシリーズの第1作です。先入見的に抱くイメージよりは軽快で朗らかな狂四郎って感じです。脇役陣も古きよき大映の時代劇って感じだし。若き日の中村玉緒さんがとても上手で清楚で、でも色っぽいです。
忍者・捨丸役の高見国一の陰のある屈折した感じがちょうど大河ドラマ「新撰組!」で新見錦を演じた相島一之を連想させてよかったですね。
「ナビィの恋」特典映像で監督の中江裕司が「この作品はミュージカルだ」みたいなことを言っていましたが、確かに沖縄の歌とケルト音楽を聴くためと割り切った方がいいように思います。西田尚美演じる奈々子のぶっきらぼうな感じとか、おばあに置いていかれる恵達役の登川誠仁のかわいらしさとか、いいところはいろいろあるんですが、脚本がゆるすぎるのでナビィの平良とみも演じにくそうでした。仮面をつけたアブジャーマーを演じた山里勇吉の特異な声と節回しに魅せられました。でも、最後で仮面をはずしちゃうんで作品が素人くさくなっちゃうんですね。
「仁義なき戦い」これも有名なシリーズの第1作です。ずるくて弱くて粗暴な人間がいっぱい出てきます。それを描くのが主眼で、きちんと仁義を守ろうとする菅原文太は主役としてのエクスキュースなんでしょう。渡瀬恒彦のくせのある感じがよかったですね。冒頭に原爆投下が出てきますが、ドラマの中には全く被爆者が出てこないのと殺人罪で投獄されたのに講和条約の恩赦で仮釈放されるのが変に感心してしまいました。
昔の映画はタイトルもいいですよね。仁義なき…はテーマ曲も短くて印象的です。
狭い部屋で60インチのスクリーンに投射しているんで映画館より大きな画面で見てることになっていると思います。
中味は全然知らないけど、「眠狂四郎…」にしても「仁義なき…」にしてもタイトルだけで異様に引きつけられますよね。
字体もかっこいいしね、なんだか改めて感心してしまいました。
この映画、どの映画館でご覧になりましたか?最近は上映を見逃すことが多いのですが、これも貴重な機会でしたね。