古本を買う 前編より
今年になって古本を何冊も購入している。ふつうに検索すれば、つまるところ東京都古書籍商業協同組合のページに行きつき、そこで購入している。前編でも触れた通り、そこに表示される古書代は、ぴんからきりである。しかし、高いから良い、安いからダメとも言えない。手に取って買うわけではないから、特に新書ではないとなれば判断は難しい。したがって安いものに手を出してダメだったら、それも仕方ない。今年に入って購入したものの多くは民俗地図に関するもの。けっこう高価だったかもしれない、昨日の600円物に比べたら。その中で1冊、失敗物があった。そこそこの値段がしたのに、ページがごそっと抜け落ちている。いわゆる「落丁本」である。売る側が解って売っていたかはわからない。図書館にもどこの図書館にもあるというモノではなかったので、高価だったが購入したが、残念な結果であった。したがって古本は、ちょっとしたかけのようなものかもしれない。
さて、今年、友人がグリーンファームで古本を買ったといって、その本を見せてもらった。今年9月27日のNHK『ドキュメント72時間』で放映されたグリーンファームである。そこで古本まで扱っているとは知らなかった。見せてもらった本は、やはりここでよく引用している『長野県上伊那誌民俗篇上』である。ページ数は1467ページという厚さ。当時いくらだったか覚えはないが、ふつうなら高価なはず。前述の東京都古書籍商業協同組合のページで検索すると、現在1冊だけ販売されていた。ただし上下2冊売りで、下巻は「方言篇」で676ページある。合わせると2000ページ超え。さすがに2冊で1万円となっている。やはり高額だ。ところが友人はこの上巻をグリーンファームで100円で売っていたといって買ったよう。数日後「また買って来た」といい、「100円は安すぎる」と店に最初に購入した際に言ったらしく、「300円だった」という。それも2冊購入して来たらしく、この値段ならわたしも欲しい、と言ったら1冊譲ってくれた。ほかにも本があるのだろうと、わたしも久しぶりにグリーンファームに足を運んでみた。数は少ないが、市町村史誌や郷土の本が何冊か売られている。さすがに何冊もあったであろう『長野県上伊那誌民俗篇上』は全て友人が買ってしまったらしく、もうなかった。何冊もいらないが、と思いながら『長野県上伊那誌民俗篇下』を購入した。やはり300円。1冊所有しているが、コピーする際に厚いとしづらいため、裁断しようともう1冊手に入れることにした。ほかにすぐ手にしたいと思った本はなかったが、さすがに市場よりは安い印象だから、またいつか行って買って来ようと思っている。