Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

無人販売所

2005-11-15 07:37:42 | 農村環境
 おととい松川町生田の県道を車で走っていたら、ビニール袋にりんごが入ったものがいくつも道端に置いてあるのが見えた。あっという間のことだったので、過ぎてから「なんだろー」とも思った。雰囲気からいわゆる無人販売所もどきと、運転しながら思った。ただ、販売所というには、無造作に道端に置いてあったから、本当かどうかはわからない。そう思いながら気がついたことがある。10年、いやもっと前のことだが、そのころは飯田下伊那のあちこちに無人販売所というものがあった。よその地域にも無人販売所はあったが、とくに飯田下伊那は多かったように思う。妻の実家の近くの遠山へ向かう交差点には、3グループの無人販売所が、交差点をはさんで置かれていた。その一つに妻の実家も仲間になっていたが、3箇所とも現在はなくなった。それほど広い交差点でもないのに、3つに別れていたのは、いろいろな理由があったようである。田舎だからといって、みんな仲良くとはいかない姿があった。当時、妻の実家は野菜を中心に、この販売所に出していた。無人販売所であるから、善意の販売所である。一袋100円とかそんな程度のものが並べられていて、わたしもコンテナに入れた野菜を棚に並べに行ったことが何度もあった。けっこう収入にもなったため、妻も自分の趣味のものをそこへ出していた。当時はまだ少なかった花、アルストメロメリアである。趣味で始めたものだったから、色は当時は一種類であったが、けっこう人気でお金になったようである。しかし、お金になるとはいっても、売れた品物に対して、収入は50%程度で、悪いときは40%程度だったという。ただで持っていってしまう人がふだんでも半々ということになる。それでも花は人気で、出せばだいたい品物はさばけた。まだまだ景気の良い時代の話である。
 さて、最近は無人ではなく、有人の販売所が飯田下伊那のあちこちにできてきた。大きな販売所もあれば、小さな販売所もある。数年前に全線開通となった松川町から飯田市を結ぶ広域農道沿いには、そんな店がいくつもできて、けっこう賑やかなようである。こうした有人販売所の走りが、伊那市にある飯島町と辰野町を結ぶ広域農道沿いの販売所であった。大変はやったから、この広域農道沿いにもいくつも販売所が開店した。高速道路から一般道に降りたよそから来た人たちには、高速道路に沿って走るこれら広域農道は、地元農産物を買うには理想の配置になっているのかもしれない。そんな盛況をみるにつけ、密かに残る無人販売所もあっという間に姿を消してしまったという印象があり、寂しさもある。
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