上田市塩田富士山中組佐加神社入り口
東信の道祖神と五輪塔⑩で紹介した上田市塩田富士山の日米人神社から距離にして400メートルも離れていない同じ富士山の佐加神社の入口にある四辻に道祖神がいくつか祀られている。写真の通り、個体としては4つというところだが、全て道祖神かははっきりしない。これもまた『東信濃の道祖神』で確認してみると、「冨士山中組三門寺」と表記されている道祖神がそれにあたるのだろう。3基一覧にはあげられている。したがって向かって右端の五輪塔は含まないということになる。
左端は台石の上にコンクリートで固定されているが、石そのものは石碑にしては不均一な石で、わたしの想像では、もとは自然石として祀られていたのではないか。そこへ後から「道祖神」と彫った。彫ったといっても文字は浅く、その彫りも稚拙な感じだ。素人が彫ったのでは、と思わせるほど。背後から撮った写真が3枚目であるが、一層もともとは自然石ではなかったか、と思わせる。
左から2基目はこれこそ文字が彫れそうな石だが、無銘である。右から二つ目の「道祖神」は碑高50センチほどのもの。4基いずれも注連縄が掛けられていて、ひとつの空間でまとまって祀られている印象があり、やはり右端の五輪塔が注目される。風空火地はあるが、「水」が欠けている。風空と火と地は別々のもので、欠損しないようにそれぞれモルタルで固定されている。安山岩系の石であるが、とりわけ五輪塔は火山噴出物っぽい。それぞれの石碑の前にも石が置かれている。供え物用の台を意図しているのかもしれないが、自然石と捉えてられないこともないが、その大きさが大きく異なるから、前者の意図なのだろう。
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