どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

溺れる箱舟。

2010-10-25 | 邦画



珍しくDVDを買ってしまった。
去年レンタルで借りてきて一度観た作品で、格段に面白かった覚えがあったので、パッケージを見て思わず購入。
心理描写にカタルシス。
やはり自分は狂っているのかも知れない、と思わせるほどに引き込まれる。
誰が被害者で、誰が加害者で、誰が悪人か・・・。
何が異常で、何が正常なのか・・・途中でわからなくなる。
そこが最高に嵌まる。
最近、劇場で観た「悪人」や「東京島」に主題は似ているかも知れないが、やはりシナリオの深い心理描写はこちらの方が格段に面白いと感じた。
実際にこんなことは中々ありえない話なのだが、このシナリオには不思議に違和感はなく、自分の隣にいつでも転がっていそうな人の心理のエロチシズムがある。
そんな怖さが、この作品のサスペンスたる部分の中心であろう。
個人的にこういう作品は好きで、春先に観た「パレード」のような実際に感じる心の裏側の“重さ”よりも、エンターテイメントの“キレ”を重視した作りになっているところがまた、観た人のカタルシスを助長させてくれているように思う。
もしかしたら自分のことは、自分よりも、他人の方がよく知っているのかも知れない。
人はいつでも何かに溺れる危険性を内包して持っている。
人間とは、弱いものだ。











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