どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

レディースジョッキーズシリーズ雑感。~<その③>

2007-01-09 | 地方競馬への考え
このレディースジョッキーズシリーズの全6戦をざっと振り返ってみると、まあ馬のレベルはともかくとして面白いレースが多く、それなりに見応えがあったような気がします。
各ジョッキーの思惑やほんの少しのレースの流れ、また一戦を重ねるごとの状況の変化で展開が変わってきたりと、見る側としてはちゃんと見れば見るほど予想に興味が湧くシリーズになりました。


また、地方競馬のファンの拡大、各地方のファン同士の交流にも大いに役立ったように思われます。
この機会に、普段はあまり見ないような他場の競馬を見たりしたファンも多いのではないでしょうか?
各競馬場の売上げなどにも貢献したのかな?
セントレア様のブログ”地方競馬のたどる道”によれば、1月5日の名古屋競馬場の入場客数は正月開催中一番、売上げ金額も一番高かったそうです。
2日までは笠松と同時開催だったとはいえ、この結果は今後の地方競馬のポジティブな側の方向性みたいなものを少なからず示しているのかも知れません。



これは”また女性ジョッキーを集めて・・・”ということばかりではなく、ドラマ性、ストーリー性を持たせたレースを主体としたイベントの強化、またそれに伴うレースの全国的な体系の整備などを行っていけばまだまだチャンスは転がっているということです。


今回、高知競馬では”セカンドジェネレーション騎手招待競走”が実施されるとのこと。(13日(土))
この単体企画が実際に成功するかどうか(売上げに貢献するかどうか)は別として、こういった企画を今回で終わらせることなく継続することによって、また規模を拡大することによって、少なくともファンから見てそこにストーリーの起点ができるわけであり、例えばこれを全国規模に膨らませるなりのレース体系を作れば、予選→本選→決勝と各地区の若手有望騎手の日本一が決められる大会ができたりするのではないでしょうか。


売上げへの貢献はもちろんなのですが、何よりもまず一人でも多くのファンの注目を集めること。。。これが地方競馬が生き残っていくために先決なことなのではないでしょうか。
いまやインターネットの普及はめざましい物があります。
注目され集めれば、いまや馬券は”会社の休み時間”にだって買うことができる時代なのです。(私のことか?(笑))
競馬場に来場できるのが会社を定年退職したオールドマンばかりだとしても、マーケットとしてはいまや氷山の一角といっても過言ではない時代になっているのではないでしょうか?



確かに地方競馬の現状はまさしく非常に厳しい状態です。
これ以上の拡大、投資なんてもってのほか、というのが実際のところでしょう。
だからこそ、今あるものをいかに有効に生かしていくか。。。ということが重要なのです。
思えば、これほどのインターネットの普及、いつでもどこでも馬券が買えるシステムなんて十数年前を考えれば奇跡的なことです。
そして幸運にも!!!今ある現存の競馬場には全てそのネットワークが行き渡っているのです。。。
ただ、せっかくの魔法のようなアラジンのランプを手にしているのもかかわらず、思うように現場の競馬場が生かせていないだけのように思えてなりません。


まず第一に、もっともっと情報を外に出し続けることです。
ファンは情報を渇望しています。
すでにファンの方ならばおわかりでしょうが、毎日どんな些細なことでも興味のあることの関連記事ならば読みたいと思っています。
読めばさらに興味は膨らみます。。。
お金はそんなにかかりませんよ。
もうすでにシステムは出来上がってそこにあるのですから。
関係者の方はめんどくさがらずにそこの部分にもっと力を入れるべきです。
今の時代、一度ブームに火がつけばネットを通じて物凄い勢いで想像がつかないほど急速に流行は広がりますよ。
いまや我が国は、そんな日本人ばかりの集団なのです。
どこに火種があるのかわからない。。。だからこそ、もっともっと種を撒くのです。
今あるものを最大限に利用して・・・・・・・。


そして第二に必要なのが、最初に述べたような注目を集めるような企画です。
今回の”レディースジョッキーズシリーズ”をはじめ、”セカンドジェネレーション・・・・・”のような騎手イベントから、各地方競馬の更なる交流、レース体系の統一化などです。
そこにドラマ性やストーリー性をファンに意識させるような全国的な体系の整備も必要でしょう。
まず注目を集めること。。。その1点に尽きます。


しかしそこには、例えば”ジョッキーシリーズ”でしたら各地区のその他ジョッキーにとっては”飯の食いっ外れ”となるわけでしょうし、また馬を管理する調教師の先生方にとっても仕上げた馬をどこの馬の骨ともわからないジョッキーに跨らせることになるわけで、なかなか各自の損得勘定から折り合いがつかないことも多いでしょう。
また交流競走などについては、競馬場ごとの賞典の問題もあるでしょうし、現状の地方ごとの格差をどう穴埋めしていくかという問題もあります。


ですが・・・・・、
今ここでなんとかしないとそれこそ全てを失ってしまうことにもなりかねません。
誰がやるのか?どこでやるのか?
イニシアティブを持つのがどこの誰なのかもっとはっきりさせるべきでしょう。
あくまで、地方競馬にはまだチャンスがあるという”ポジティブな側”からの意見ではあるのですが。




あとは”ネガティブな側”からの対策も当然講じなければならないでしょう。
考え方としては”もうすでに地方競馬の明るい未来はなく、せめて現状維持のために黒字化を目指す”というもの。
こちらももちろん重要です。
なにせ一度消えてしまえば二度と復活することはありえなでしょうから、まず存続させていくことが必要不可欠であることは間違いないです。
嬉しいことに、高知競馬の正月開催の黒字が基準以上だったことから、とりあえず来年度の存続はほぼ決定的になりました。
また一方、笠松でも今年度の黒字見込みによりどうやら来年度は開催の方向に進む模様です。。。



しかしながら、重い病の病人に、いつまでも死にゆくのを待つような状態でもいいはずもありません。
いずれ消えゆく運命の・・・・・という考え方では、今後ますます緩やかな下降線を描いていきさらに厳しい状況が待ち受けることになるでしょう。
わずかながらでも可能性をかけた手術の決断が必要となる日も、そう遠い先ではないような気もします。


民間への移行なども、そこに働く関係者の方々のことなどを考えれば道のひとつかなとも思わなくもありません。
しかしながら、私が考えている”地方競馬の存続”ということとは、少し意味が違ってくるような気がします。
何のための存続か?~誰のための存続か?
収益のため?~文化のため?~そこに働く人々のため?
考え方は多種多様であると思われます。

私が地方競馬に惹かれる理由ってなんだろう?



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



もはや8日から笠松開催も始まり、いつまでもダラダラと後ろを振り返ってばかりもいられません。
レディースジョッキーズシリーズに関しては、最後に各騎手のそれぞれのレースでの結果をまとめて終わりにしたいと思います。


第1戦 「全日本レディース招待富士通杯」(ダ1400m) 荒尾競馬場

  1着  別府真衣  (3番人気)
  2着  山本茜   (5番人気)
  3着  森井美香  (9番人気)
  4着  皆川麻由美 (6番人気)
  5着  宮下瞳   (4番人気)
  6着  牛房由美子 (10番人気)
  7着  西原玲奈  (1番人気)
  8着  池本徳子  (8番人気)
  9着  平山真希  (12番人気)
  10着  増澤由貴子 (7番人気)
  11着  笹木美典  (11番人気)
  12着  岩永千明  (2番人気)


第2戦 「全日本レディース招待天草パールセンター杯」(ダ1500m)荒尾競馬場

  1着  山本茜   (2番人気)
  2着  平山真希  (3番人気)
  3着  別府真衣  (8番人気)
  4着  皆川麻由美 (6番人気)
  5着  森井美香  (12番人気)
  6着  笹木美典  (10番人気)
  7着  岩永千明  (5番人気)
  8着  池本徳子  (11番人気)
  9着  増澤由貴子 (4番人気)
  10着  宮下瞳   (9番人気)
  11着  牛房由美子 (7番人気)
  12着  西沢玲奈  (1番人気)


第3戦 「南国土佐はちきん特別」(ダ1300m) 高知競馬場

  1着  池本徳子  (5番人気)
  2着  別府真衣  (7番人気)
  3着  平山真希  (2番人気)
  4着  岩永千明  (4番人気)
  5着  山本茜   (3番人気)
  6着  森井美香  (8番人気)
  7着  牛房由美子 (1番人気)
  8着  皆川麻由美 (9番人気)
  9着  笹木美典  (6番人気)
  10着  宮下瞳   (9番人気)


第4戦 「土佐二四万石乙女特別」ダ1400m 高知競馬場

  1着  宮下瞳   (1番人気)
  2着  皆川麻由美 (7番人気)
  3着  別府真衣  (3番人気)
  4着  山本茜   (2番人気)
  5着  森井美香  (5番人気)
  6着  池本徳子  (4番人気)
  7着  岩永千明  (9番人気)
  8着  牛房由美子 (10番人気)
  9着  平山真希  (6番人気)
  10着  笹木美典  (7番人気)


第5戦 「KIRINカフェドパリリリー賞」ダ1400m 名古屋競馬場

  1着  山本茜   (3番人気)
  2着  宮下瞳   (1番人気)
  3着  皆川麻由美 (2番人気)
  4着  池本徳子  (8番人気)
  5着  別府真衣  (5番人気)
  6着  森井美香  (7番人気)
  7着  笹木美典  (6番人気)
  8着  牛房由美子 (9番人気)
  9着  平山真希  (4番人気)


第6戦 「KIRINカフェドパリアイリス賞」ダ1600m 名古屋競馬場

  1着  山本茜   (3番人気)
  2着  皆川麻由美 (4番人気)
  3着  宮下瞳   (1番人気)
  4着  森井美香  (6番人気)
  5着  平山真希  (2番人気)
  6着  牛房由美子 (5番人気)
  7着  笹木美典  (8番人気)
  8着  別府真衣  (7番人気)
  9着  池本徳子  (9番人気)


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


<最終総合順位と成績>  (○内数字は人気)


第1位 山本茜    2着⑤ 1着② 5着③ 4着② 1着③ 1着③

第2位 別府真衣   1着③ 3着⑧ 2着⑦ 3着③ 5着⑤ 8着⑦

第3位 皆川麻由美  4着⑥ 4着⑥ 8着⑨ 2着⑦ 3着② 2着④

第4位 宮下瞳    5着④ 10着⑨ 10着⑨ 1着① 2着① 3着①

第5位 森井美香   3着⑨ 5着⑫ 6着⑧ 5着⑤ 6着⑦ 4着⑥

第6位 池本徳子   8着⑧ 8着⑪ 1着⑤ 6着④ 4着⑧ 9着⑨

第7位 平山真希   9着⑫ 2着③ 3着② 9着⑥ 9着④ 5着②

第8位 牛房由美子  6着⑩ 11着⑦ 7着① 8着⑩ 8着⑨ 6着⑤

第9位 笹木美典   11着⑪ 6着⑩ 9着⑥ 10着⑦ 7着⑥ 7着⑧

第10位 岩永千明   12着② 7着⑤ 4着④ 7着⑨ --- ---


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


<ベストレース(名勝負編)>
     第1戦 「全日本レディース招待富士通杯」(荒尾ラウンド)
                         別府真衣

<べストレース(名騎乗編)>
     第3戦 「南国土佐はちきん特別」(高知ラウンド)
                         池本徳子

<ベストレース(ハイレベル編)>
     第5戦 「KIRINカフェドパリリリー賞」(名古屋ラウンド)
                         山本茜

<単勝最高配当レース>
     第3戦 「南国土佐はちきん特別」(高知ラウンド)
                         940円

<単勝最低配当レース>
     第4戦 「土佐二四万石乙女特別」(高知ラウンド)
                         300円

<一番人気になった騎手>
     山本茜  18ポイント

<一番下位人気から順位を押し上げた騎手>
     森井美香 18ポイント

<一番勝った騎手>
     山本茜 3勝

<一番掲示板に載った騎手>
     山本茜 6回

<最高ポイント騎手(最優秀騎手)>
     山本茜 62ポイント



なんといっても荒尾での初戦の”別府真衣VS山本茜”の最後の追い比べは印象深いですね。
同期対決ということもありましたし、迫力満点のマッチレースの追い比べでした。

あとハイレベルレースは迷ったのですが、名古屋第5戦の山本茜騎手の逃げ切りレースを選びました。
宮下瞳騎手が断然1番人気だったところを抑えきっての優勝には価値があります。
このレースは、単勝配当が900円と全レース中2番目に高配当なのですが、馬連だと逆に400円しかつかなくて一番低配当になってしまう。
それだけ宮下瞳騎手の馬が断然人気だったということでしょう。

騎乗馬に恵まれたとはいえ、女王にふさわしいレベルの騎乗をした山本茜騎手の優勝には誰もが納得するところでありましょう。



最後に・・・・・・・、
前々から思っていたのですが、今回のレディースジョッキーズシリーズのキャッチコピー。。。

馬の耳に吐息。。。

って誰が考えたんでしょうかねー。
どういう意味なんでしょうかねー、これは。
そういった雰囲気のレースにしたかったのでしょうか?

せっかくだから、誰かにやってみて欲しかったですねー。。。(笑)
うっふ~ん。(爆)


それでは、また。




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