VOICE of TSUCKY

ラブラドールのいる風景
出演者紹介:カテゴリー”VoT紳士録” 
用語辞典:カテゴリー”つきペディア”

桜の季節の引っ越し

2013-03-22 | 百日草(別れた友への思い)
桜の頃、
小学生の時に2度引っ越しを経験した。
卒園や卒業といった場合の、同級生と一斉に新生活スタートということではなく、
自分だけがみんなから切り離されることは寂しいものだ。
新しい環境を受け入れるには、ヒトもイヌも若い方がいい。

ウエンディは”犬毛海岸:勝手にドッグラン”草創期の仲間だ。
獣医大学へ通うお姉さんの通学時間短縮のため、
引っ越していったウエンディ。
8年前の3月のことだった。
若いウエンディは引っ越しによる変化をどう受け止めたのだろうか?
幼馴染のいる環境を変えることに
別れがたい気持ちはパパやママにもあったと思うけれど、
ラブ家を通して、引っ越し先でも新しい友達ができたと
知らせてくださった。
折からの「お父さん犬ブーム」で、
白い犬ウエンディはモテモテだったらしい。

引っ越してから3年後の再会は
2008年の新年会。(Lab通信「新年会」参照)
遠くからみんなに会いに来てくれたのだった。
ガウ犬つんちゃはウエンディをちゃんと覚えていた。
何年たってもウエンディは、
いつまでも”勝手にドッグラン仲間”のウエンディなのだ。


そしてこの3月、ウエンディは2度目の引っ越しをした。
勝手にドッグラン仲間のノエルのいる天国へ。
Lab通信:「ご報告!」へ寄せられたコメントには、
ウエンディの最期が綴られている。
獣医師であるお姉さんに診てもらい、
パパとママの愛情をいっぱいもらい、
たくさん&たくさん愛されたウエンディは別れの時に
パパとママが見ていないわずかな間を選んで、
静かに旅立ったそうだ。
まるで、なごり雪の歌詞のように・・・。
”君のくちびるがさようならと動くことが、こわくて下をむいてた”

もうすぐ桜は満開になる。
今年は少し早めの桜。
ウエンディがパパとママとお姉さんを寂しがらせないように
自分が旅立つ代わりに桜を咲かせることにしたのかも。

満開の桜の季節のような、元気いっぱいの日々を、
ウエンディと一緒に過ごしたことを、懐かしく思い出す。
あの時間はいつまでも、みんなの中に残っている。
ありがとう、ウエンディ。


















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秋の空を見上げて

2012-11-17 | 百日草(別れた友への思い)
昨夜は満天に星が輝く空を見上げながら、
明日は9時ごろから雨なんてウソみたい。
と思っていた。
が、寝ている間に雨雲は着実につんちゃ家の上空に移動していた。

今日は”犬毛海岸公園”でのんびりつんちゃの歩きに付き合っていたら
降られるな、と思ったので、
8時ごろ、つんちゃ球場でトイレ散歩を済ませておこうと家を出た。

顔見知りのわんこばかりなので、つんちゃもガウることなく1時間をまったり過ごして、
帰るところで入ってきたのが見知らぬわんこ。
でも、お父さんは顔見知り。

つんちゃの古い友達、マックは8月30日に亡くなっていた。
先日、わんこ友達のお母さんから「・・・らしい」という話を聞いていたのだが、
にわかには信じられず、今日、事実であったと知らされて残念としかいいようがなかった。

あと少しで12歳だったというマックは、
「ダイエットがんばろうね仲間」だった。
以前はよく川のお散歩コースで行き会って、
「なかなか体重減らせないよね~」って話した仲間なのだ。
最近は肥ったわんこなんてあまり見かけないのに、
マックとつんちゃはその貴重な?存在であった。

つんちゃより少しだけ年上の、おデブちゃんのマック
まだまだ長生きしてくれると思っていたのに・・・。

帰り道、マンションの前を通りかかった時に、
お掃除のおばさんが声をかけてきた。
「おなかに赤ちゃんがいるの?」
「へ? ああ、ただ肥っているだけです・・・。」
マック兄もこんな風に言われたことあるかな~?

マック兄、男の子だったけど、つんちゃが近づくと「ああ、噛まないで。」と後ずさる
犬のことなどまったくわからないお掃除おばさんには、
そんなこと関係ないもんね。

マック兄は苦笑しながら「ダイエット頑張れよ!」って空から見守ってくれているかな。



金曜日。金色の落ち葉を踏みしめ、


金曜日、金色の朝陽の中、


金曜日、金色に染まったイエローラブ。


土曜日の今朝、マック家の3代目、レンに出会った。
レン:ちわっス!


つん:痩せっぽちやな。ほんまにマックんちの子?
レン:うん、まだ4か月だもん。


つん:ちょっと、正面から来るって、怖いもん知らずやで。
レン:うん、まだ4か月だもん。


つん:マックの弟分だってゆーから、大目に見たけど・・・。


レン:公園デビューだじょー。
すず&ラッキー:ビーグル勢力の拡大をねらっっていこうー!



改心したはずのココロが揺らぐのは早い。
ワタシの好物、バウムクーヘンをいただいた。


子供のころから「バウムクーヘン好き」。
派手な装飾でごまかせない分バウムクーヘンとアップルパイがおいしい洋菓子屋さんを
評価している。(ワタシごときに評価をされても何でもないだろうけど

FUJIYAMA BAUM、マル!


つん:イケるのか?うちも味見する~。


(陰の声:つんちゃさん、ミシュつんガイドブック、洋菓子編の取材でしょうか?)
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ピンクのレモン

2012-10-14 | 百日草(別れた友への思い)




ピンクの似合う女の子だった。
ピンク色のおなかをしていた。
ピンクがかった鼻の色だった。

名前はレモン。

パパとママに大切にされたお嬢ちゃまだった。

名付け親はレモン家のお姉ちゃん。
アガサ・クリスティー作品、名探偵ポアロの有能な秘書ミス・レモンからつけられたそうだ。
嫁いで、一緒には暮らしていなかった。
最後のときをお姉ちゃんに知らせなかったそうだ。
仕事を持つ忙しいお姉ちゃんがすぐに駆けつけることはできない。
辛い思いは少しでも先に延ばしたほうがいいから、とママは言う。
そういう愛情もあるのだと知った。
大切な存在だからこそ、そんな愛情も・・・。

今日、ラブ父さん・母さん、マフままと4人で、
レモン家を訪ね、”勝手にドッグラン”仲間のみんなからの思いを書いた色紙と写真、
そしてお花を届けてきた。

レモンが最後にパパと過ごした広いリビングで、
小さくなってしまったレモンと再会した。
具合が悪くなってからの様子は知らないので、
私の中のレモンの姿は
5月の遠足で会ったときの
元気なままで永久保存されている。

広いお宅の中には、レモンのために置かれていたベッドが何箇所もあったそうだ。
それを取り除くと、その空いた空間はそのまま、
パパとママの心の空きスペースとなってしまったようだった。
すぐに塞ぐには大きすぎる存在だと思う。

レモンぱぱがぽつりと言う。
「レモンがいないとね、朝、やることがなくってね~。
 ゴミ捨てなんかも、ペットシーツのゴミがないから軽くてね。」

失うということは、そういうことなのだと、
自分の日常生活の一部分をもぎ取られるような、
心にズシンとくるものがあった。

レモンの小さい頃の写真や、思い出の品を見せていただいた。
あどけなく天使のような子犬の写真をみると、
その後、アレルギーに苦しんで、
強い薬を使わずには抑えられないかゆみと戦い、
頑張りぬいたレモンが愛しくなる。

今はやっと、かゆみも痛みもないからだになって、
楽になれたかな。

9歳までみんなに付き合ってくれたレモンにかける言葉は
よくがんばったね、えらいねという他に見つからない。

8月1日に9歳になったばかりのレモンは
10月3日、静かに旅立った。

レモンぱぱが今治で見つけたレモンタオルをいただいた。


「レモ~~~ンっ!!!何してるのかな??」
レモン:草は食べてないよ。フォアグラを丼で大盛り、トリュフとキャビアを山盛りかけて。
レモンぱぱ:おお、さすがうちの子だ。


2012.5.27 泉自然公園にて



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静かな寝顔のごとく

2012-08-07 | 百日草(別れた友への思い)
早朝のワン友メールに胸がざわついたのは、
”犬毛海岸公園”で、このところ散歩時間がズレていたワン友と会っていなかったからだ。
そしてそれは不安が現実のものとなったことを知るメールだった。

ママの愛情を一身に受け、これ以上ないくらいの看護を受けていたもみじ。
この夏を乗り切ってほしいというみんなの願いは聞き届けられなかった。
夏の盛りに、ギラギラする太陽に挑むように天に昇るなんて、
やっぱり男の中の男もみじ、だよね。
あと半月で満16歳だったのに。
ママにお祝いしてもらうのが照れ臭かったのか?
日本男子たるもの、そんなチャラいことはできないって?

いつもみんなのボディガードを務めてくれたもみじ。
知らないワンコが近寄ろうものなら一撃!
・・・とはいかなかったけど、
必ず群れの盾となって、最前線警備を常としていた。
頼もしい小さな体の男の子。シーズーのもみじ。

眼が利かなくなって、耳が遠くなって、足が利かなくなって、
少しずつ、少しずつ、世界が狭くなっていっても、
ママは毎日欠かさずもみじを広い世界へ連れ出すことで元気を注入していた。
それに応えて小さな体で精一杯の生を全うしたもみじ。

公園で車いすのもみじは颯爽と歩いていた。
風を受け、土の匂いを嗅ぎ、仲良しのワンコたちと触れ合い、
最後まで充実した時間を生きたと信じられるのは、
後悔のない看取りを心に誓っていたママの信念がもみじに伝わっていたはずだから。
先輩として、もみじママは犬の介護のひとつのあり方を示してくれたようでもあった。

それでも、やっぱり、どんなに尽くしても、
愛情を注ぎ続けた相手を失うことは想像できないほどの悲しみであるに違いない。

安らかに旅立ったと聞いた。
ママの悲しみを思いやるもみじの、最後の男の意地だったのかもしれない。
男の中の男だったものね、もみじは。

”犬毛海岸公園”の主、小さなもみじは大きな存在だった。
公園最多散歩回数を誇るくらいのもみじ。
もう、もみじが来ない公園には、もみじの匂いがたくさん残っている。
どうして会えないの? みんな、思うはず。
だから、みんなを安心させるために、
そっと公園に舞い降りてきて、みんなの中に紛れ込んでね。

明日、魂だけの姿になってしまうもみじにお別れをしに行ってきた。
「いつもこうして寝ていたのよ。」
というもみじママ。
大きな画面のテレビの前で、たくさんの花々に囲まれて、
本当に穏やかな寝顔といった顔をしている。

寝顔のままのもみじは、みんなを「寝ているだけだよ。」と慰めているようだった。

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ニーニの残したもの

2012-07-29 | 百日草(別れた友への思い)
先週木曜日の公園。
ニーニのお父さんはひとりで現れた。
いつも一緒のお兄ちゃんとニーニが近くに見えなかったので木陰で待っているのかと、
「あれ?ニーニは?」と思わず口にしてしまったことを後悔した。
しゃがんでつんちゃをナデナデしてくれていた後ろ姿が
急に沈黙してしまったからだ。
その沈黙はどんな説明よりも心に突き刺さった。
「ニーニ、亡くなったの?」
確認するように声をかけたら、お父さんの目から涙があふれ出た。
いつもニーニと一緒だった公園に、ニーニと来られない理由は他にあるはずもない。

高齢だったニーニの足を心配して、
2か月前に購入したばかりの、
まだいくらも使っていないカートを使ってもらえないだろうかと、
わざわざつんちゃの現れる時間に公園に来てくれたのだった。

脾臓を病んで長くて半年、短ければ2か月の命を宣告されていたそうだ。
昨年12月のことだったそうだ。
そして7月5日、ニーニは旅立った。
余命宣告のぎりぎりまでがんばったニーニ。
体重は元気な時には40キロを超えていた、
足の丈夫な、大きなゴールデンだった。
前日まで公園にでかけていたという。

つんちゃがお散歩デビューしたての頃、
ボールを咥えてやって来て、ここでレトリーブを楽しんでは、
次の公園にはしごするニーニとよく行き会った。

テニスボールをヨダレでぐちゃぐちゃにして、
お父さんはいつも大きなタオルをニーニのために持ち歩いていた。
暑さの中、汗を拭く仕草で、涙を拭うお父さんは、
ニーニのために今もまだタオルが必要なのだ・・・。

深い悲しみに押しつぶされそうになりながら、
公園に懐かしい姿を追っているのだと思う。

先日、ニーニと同年配のお散歩仲間だった小型犬の飼い主さんと、
お店で偶然行き会い、
「ニーニは元気?」と聞かれて、
「うん、元気だよ。」と答えたそうだ。
その場で涙がこらえられなくなるので、そう答えるしかなかったと。

どんな慰めも、涙で流れてしまう。
その喪失感を埋める言葉は見つからない。
ニーニの存在はとてもとても大きなものだったのだ。


今日、ニーニのカートを貰い受けに行ってきた。





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つっきーの木